満田康弘監督、渾身の一作がついに完成。
「クワイ河に虹をかけた男」。
完成と言いつつまだどこか1箇所くらいまだ最終編集中らしいこの映画の内容の紹介は以下の引用を見ていただきたいが、私のブログを読む人は映画関係者も多いだろうから言えば、このドキュメンタリー映画の主人公は、2013年制作のオーストラリア・イギリス合作映画『レイルウェイ 運命の旅路』(The Railway Man)で、第二次世界大戦中、タイとビルマ間を往来する泰緬鉄道の建設に捕虜として従事させられたイギリス人将校エリック・ローマクス(コリン・ファース)と対峙する、当時、その施設にいた日本人通訳・永瀬隆その人、本物の本人である。『レイルウェイ 運命の旅路』では、真田広之さんが演じた。
あの『戦場にかける橋』の裏ストーリーと思ってもらってもいいのかもしれない。
岡山在住の満田監督は、ここ近年の友人であるが、その熱意と、懐の深さ、駄洒落の破壊力、柔和な物腰に相反する粘り強さ、いずれをとっても尋常ではない。彼が永瀬隆さんを撮影し始めて二十数年余、ついに1本の映画として完成したのである。
もともとはテレビのドキュメンタリーとして複数本の作品として撮影されたものであり、その時点でも素晴らしい出来なのだが、やはりテレビドキュメンタリーを発展させて劇場映画として成功した『標的の村』を見て、「ぜひ映画版にすべきだ」とけしかけた一人としては、この結実は、非常に嬉しい。
私は粗編集版を見て何度も涙した。
映像から読み取れる永瀬隆さんと満田監督のメッセージは、明解だ。
「戦争のせいにしてはいけない。人間が人間を大切にしないことこそが問題なのだ」ということだ(そういう台詞はない)。
日本兵からの虐待を受けた連合軍捕虜たちをして「彼は自分が握手することのできるただ一人の日本人だ」と言わしめた、元陸軍通訳である永瀬さんが辿った人生を、見届けてほしい。
そして、永瀬さんが、かつて多くの兵士たちが死んだ戦場であった森で呟く一言は、どのような反戦の言葉をも超えて、私たちが、戦争を、兵士を、生みだしてはいけないことを訴える。このシーンは絶対にカットされていないと私は信じる。
そして、『レイルウェイ 運命の旅路』エリック・ローマクスの妻を演じたニコール・キッドマンはたいへん素敵だったのだが、永瀬隆さんの妻・佳子さんは、ニコール以上に魅力的であると付け加えておこう。
試写招待詳細情報は以下の通り。
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
http://www.asahi-mullion.com/presents/detail/4993
7月1日(金)午後3時、東京都新宿区戸塚町1丁目の早稲田小劇場どらま館(早稲田駅)で開催される映画「クワイ河に虹をかけた男」の試写会にペア20組を招待。
満田康弘監督、119分(予定)。
太平洋戦争中、陸軍通訳として従軍した永瀬隆の晩年を記録したドキュメンタリー。
タイとミャンマー(ビルマ)をつなぐため旧日本軍が建設した泰緬(たいめん)鉄道。その工事では連合国の捕虜や現地のアジア人が動員され、過酷な環境下で数万人が命を落としたとされる。
工事拠点に派遣されて捕虜への拷問にも立ち会った永瀬は戦後、犠牲者を慰霊する旅を開始。生涯をかけてタイを135回訪問し、1976年にはクワイ川鉄橋で元捕虜と旧日本兵の再会を実現させた。
本作では94年のタイ訪問を手始めに彼の旅を追い、つぐないにかける思いや関係者たちとの絆を見つめる。
8月下旬公開予定。
上映後に監督のトークを予定。
問い合わせは、きろくびと(info@kiroku-bito.com)にメールで。
当選発表は発送をもって代えさせて頂きます。
2016年6月22日16時締め切り
「クワイ河に虹をかけた男」。
完成と言いつつまだどこか1箇所くらいまだ最終編集中らしいこの映画の内容の紹介は以下の引用を見ていただきたいが、私のブログを読む人は映画関係者も多いだろうから言えば、このドキュメンタリー映画の主人公は、2013年制作のオーストラリア・イギリス合作映画『レイルウェイ 運命の旅路』(The Railway Man)で、第二次世界大戦中、タイとビルマ間を往来する泰緬鉄道の建設に捕虜として従事させられたイギリス人将校エリック・ローマクス(コリン・ファース)と対峙する、当時、その施設にいた日本人通訳・永瀬隆その人、本物の本人である。『レイルウェイ 運命の旅路』では、真田広之さんが演じた。
あの『戦場にかける橋』の裏ストーリーと思ってもらってもいいのかもしれない。
岡山在住の満田監督は、ここ近年の友人であるが、その熱意と、懐の深さ、駄洒落の破壊力、柔和な物腰に相反する粘り強さ、いずれをとっても尋常ではない。彼が永瀬隆さんを撮影し始めて二十数年余、ついに1本の映画として完成したのである。
もともとはテレビのドキュメンタリーとして複数本の作品として撮影されたものであり、その時点でも素晴らしい出来なのだが、やはりテレビドキュメンタリーを発展させて劇場映画として成功した『標的の村』を見て、「ぜひ映画版にすべきだ」とけしかけた一人としては、この結実は、非常に嬉しい。
私は粗編集版を見て何度も涙した。
映像から読み取れる永瀬隆さんと満田監督のメッセージは、明解だ。
「戦争のせいにしてはいけない。人間が人間を大切にしないことこそが問題なのだ」ということだ(そういう台詞はない)。
日本兵からの虐待を受けた連合軍捕虜たちをして「彼は自分が握手することのできるただ一人の日本人だ」と言わしめた、元陸軍通訳である永瀬さんが辿った人生を、見届けてほしい。
そして、永瀬さんが、かつて多くの兵士たちが死んだ戦場であった森で呟く一言は、どのような反戦の言葉をも超えて、私たちが、戦争を、兵士を、生みだしてはいけないことを訴える。このシーンは絶対にカットされていないと私は信じる。
そして、『レイルウェイ 運命の旅路』エリック・ローマクスの妻を演じたニコール・キッドマンはたいへん素敵だったのだが、永瀬隆さんの妻・佳子さんは、ニコール以上に魅力的であると付け加えておこう。
試写招待詳細情報は以下の通り。
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
http://www.asahi-mullion.com/presents/detail/4993
7月1日(金)午後3時、東京都新宿区戸塚町1丁目の早稲田小劇場どらま館(早稲田駅)で開催される映画「クワイ河に虹をかけた男」の試写会にペア20組を招待。
満田康弘監督、119分(予定)。
太平洋戦争中、陸軍通訳として従軍した永瀬隆の晩年を記録したドキュメンタリー。
タイとミャンマー(ビルマ)をつなぐため旧日本軍が建設した泰緬(たいめん)鉄道。その工事では連合国の捕虜や現地のアジア人が動員され、過酷な環境下で数万人が命を落としたとされる。
工事拠点に派遣されて捕虜への拷問にも立ち会った永瀬は戦後、犠牲者を慰霊する旅を開始。生涯をかけてタイを135回訪問し、1976年にはクワイ川鉄橋で元捕虜と旧日本兵の再会を実現させた。
本作では94年のタイ訪問を手始めに彼の旅を追い、つぐないにかける思いや関係者たちとの絆を見つめる。
8月下旬公開予定。
上映後に監督のトークを予定。
問い合わせは、きろくびと(info@kiroku-bito.com)にメールで。
当選発表は発送をもって代えさせて頂きます。
2016年6月22日16時締め切り