『ブラインド・タッチ』は、4月1日まで。
残すところ、あと5ステージ。
タイムテーブルがけっこうややこしいのでご確認ください。
終わりに近づくほど混雑が予想されます。
29(木)14:00
30(金)19:00
31(土)14:00. 19:00
4/1 (日)14:00
徹夜で息も絶え絶えに会報の原稿をあげ、そのため十分遅刻して午前から劇作家協会の新会長、副会長、理事、運営委員・事業委員、結集の会議。
二十人以上だからもう長机は外して椅子だけの会議。
残って劇作家大会の会議。
皆が帰っても会報のための原稿書き直し。
それからスズナリで久しぶりに『ブラインド・タッチ』本番を観る。
円での初演も評価してくれた妹尾河童さんが来てくださり、絶賛してくださる。何度か組んだ照明家・竹林功とも久しぶりのはず。
いろいろな方がいる中で、こんにゃく座コンビ、細野辰興監督、最近一人芝居を見せていただいた田山由起さんと、「ふるさと」へ。
自転車なので、久々に、自宅〜高円寺〜下北沢〜自宅のコース。
帰りしな、四半世紀昔、下北沢からの自転車帰りで立ち寄ったことのある酒屋へ。懐かしい。客は誰もいない。立ち話して。ワイン一本買って帰る。
夜桜はまだ花びらが散っていない。気が向いたので川沿いのエクササイズ椅子に寝そべって見上げる夜桜の素晴らしさ。
もちろん、花粉はふんだんに吸っているはず。
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
『ブラインド・タッチ』、公演情報は以下の通りです。
https://www.blind-touch.com
当日パンフレットに掲載している私の文章を、初日ブログに引き続き紹介いたします。
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
『ブラインド・タッチ』は、2002年が舞台である。
2002年の夏に脱稿し、秋に上演された。
2002年の物語であることは重要なので、今回の上演にあたって、冒頭に「2002年」という字幕を出そうかとさえ思った。
2002年は、アメリカ同時多発テロの翌年。
世界が新たに不穏な領域に入っていく「前夜」である。
第二次世界大戦の記憶を持つ人たちがまだ社会の中心にいて、戦後の貧困から日本経済が発展していった過程の記憶を多くの人たちが共有していた最後の時代、インターネットの発達等によって「個人」のありようが変貌していく過渡期、と言ってもいい。
百年後の研究者にはその時代背景の推移にこだわっていただきたいものだが、もちろん、そうした背景を背負いながら、人間は、ただ、その人として、裸で、そこにいる。
演劇は、そのことを示すための仕組みを持っている。
2002年、岸田今日子さん・塩見三省さんのコンビに、書いた。
その後、韓国では、盟友キム・カンボの演出により上演。日本公演もあった。出演者は、ユン・ソジョンさんとイ・ナミさんだった。
岸田今日子さん、ユン・ソジョンさん、お二人とも亡くなられた。
いま、高橋和也さん・都築香弥子さんの出演であらためて上演できることは、感慨深い。
『ブラインド・タッチ』は、イギリスの劇作家デヴィッド・ヘア に触発されて書いた戯曲である。デヴィッドは、社会の出来事について批評的なドキュメンタリー演劇を発表すると同時に、ドラマティックなストレート・プレイも書く。共感するところの多い作家だ。
二十年以上前、ロンドンで彼の『スカイライト』初演を観て、私もしっかりとしたストレートプレイを書こうと思った。『エイミーズ・ビュー』を観てそれが決意に変わった。
私はデヴィッドの「バーベイタム・シアター(報告劇)」の新作三部作(『パーマネント・ウェイ』『スタッフ・ハプンズ』『ザ・パワー・オブ・イエス』)を日本で演出している。
8年前、東日本大震災直後のイギリスでの『ブラインド・タッチ』リーディグ初日に、そのデヴィッドから御祝いのFAXをいただいた。ここに一つの円環が成立した、と思った。
『ブラインド・タッチ』は、1971年の「渋谷事件」を背景としている。今も獄中にある星野文昭さんは、明らかに冤罪である。文昭さんと暁子さんの獄中結婚に設定をお借りしているこの劇に携わりながら、私の申し出を承諾してくださったお二人に心から感謝すると共に、文昭さんの一刻も早い解放を願っている。
残すところ、あと5ステージ。
タイムテーブルがけっこうややこしいのでご確認ください。
終わりに近づくほど混雑が予想されます。
29(木)14:00
30(金)19:00
31(土)14:00. 19:00
4/1 (日)14:00
徹夜で息も絶え絶えに会報の原稿をあげ、そのため十分遅刻して午前から劇作家協会の新会長、副会長、理事、運営委員・事業委員、結集の会議。
二十人以上だからもう長机は外して椅子だけの会議。
残って劇作家大会の会議。
皆が帰っても会報のための原稿書き直し。
それからスズナリで久しぶりに『ブラインド・タッチ』本番を観る。
円での初演も評価してくれた妹尾河童さんが来てくださり、絶賛してくださる。何度か組んだ照明家・竹林功とも久しぶりのはず。
いろいろな方がいる中で、こんにゃく座コンビ、細野辰興監督、最近一人芝居を見せていただいた田山由起さんと、「ふるさと」へ。
自転車なので、久々に、自宅〜高円寺〜下北沢〜自宅のコース。
帰りしな、四半世紀昔、下北沢からの自転車帰りで立ち寄ったことのある酒屋へ。懐かしい。客は誰もいない。立ち話して。ワイン一本買って帰る。
夜桜はまだ花びらが散っていない。気が向いたので川沿いのエクササイズ椅子に寝そべって見上げる夜桜の素晴らしさ。
もちろん、花粉はふんだんに吸っているはず。
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『ブラインド・タッチ』、公演情報は以下の通りです。
https://www.blind-touch.com
当日パンフレットに掲載している私の文章を、初日ブログに引き続き紹介いたします。
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『ブラインド・タッチ』は、2002年が舞台である。
2002年の夏に脱稿し、秋に上演された。
2002年の物語であることは重要なので、今回の上演にあたって、冒頭に「2002年」という字幕を出そうかとさえ思った。
2002年は、アメリカ同時多発テロの翌年。
世界が新たに不穏な領域に入っていく「前夜」である。
第二次世界大戦の記憶を持つ人たちがまだ社会の中心にいて、戦後の貧困から日本経済が発展していった過程の記憶を多くの人たちが共有していた最後の時代、インターネットの発達等によって「個人」のありようが変貌していく過渡期、と言ってもいい。
百年後の研究者にはその時代背景の推移にこだわっていただきたいものだが、もちろん、そうした背景を背負いながら、人間は、ただ、その人として、裸で、そこにいる。
演劇は、そのことを示すための仕組みを持っている。
2002年、岸田今日子さん・塩見三省さんのコンビに、書いた。
その後、韓国では、盟友キム・カンボの演出により上演。日本公演もあった。出演者は、ユン・ソジョンさんとイ・ナミさんだった。
岸田今日子さん、ユン・ソジョンさん、お二人とも亡くなられた。
いま、高橋和也さん・都築香弥子さんの出演であらためて上演できることは、感慨深い。
『ブラインド・タッチ』は、イギリスの劇作家デヴィッド・ヘア に触発されて書いた戯曲である。デヴィッドは、社会の出来事について批評的なドキュメンタリー演劇を発表すると同時に、ドラマティックなストレート・プレイも書く。共感するところの多い作家だ。
二十年以上前、ロンドンで彼の『スカイライト』初演を観て、私もしっかりとしたストレートプレイを書こうと思った。『エイミーズ・ビュー』を観てそれが決意に変わった。
私はデヴィッドの「バーベイタム・シアター(報告劇)」の新作三部作(『パーマネント・ウェイ』『スタッフ・ハプンズ』『ザ・パワー・オブ・イエス』)を日本で演出している。
8年前、東日本大震災直後のイギリスでの『ブラインド・タッチ』リーディグ初日に、そのデヴィッドから御祝いのFAXをいただいた。ここに一つの円環が成立した、と思った。
『ブラインド・タッチ』は、1971年の「渋谷事件」を背景としている。今も獄中にある星野文昭さんは、明らかに冤罪である。文昭さんと暁子さんの獄中結婚に設定をお借りしているこの劇に携わりながら、私の申し出を承諾してくださったお二人に心から感謝すると共に、文昭さんの一刻も早い解放を願っている。