新年の陽が昇ったが、この国の前途は暗澹としている。
総理大臣ガースー氏の「年頭所感」は、まったくこのコロナ禍を他人事と考えているとしか思われない脳天気なものだ。
「まずはこれ以上の感染拡大を食い止めるべく」って、これまでだって本気でそう思ってやって来ていないでしょうに。「この未曾有の国難」は、人災でもあるはず。
で、どうするかって、相変わらず「感染拡大防止と経済回復」と並べるだけだし。
「ポストコロナの新しい社会」の新たな成長の源泉となるのは、「グリーン」と「デジタル」だそうだ。
「イノベーションを目指す」っていうけど、目指すものでなく実践するもののはずだろうし、「大胆な投資」「政策資源」「経済社会」って、カネの話ばかりに聞こえる。
「デジタル化が地方への人の流れを生み出す」というが、「農業改革」が地方の経済を活性化させるって、種苗法をとどめにこれまで農業を破壊してきた者が、何を言っているのか。他に「観光しか政策がない」という状況は、国力の衰退を裏付けるし、そもそもコロナ禍の今は人が流れていってはならないはずだ。
「我が国の確固たる外交方針は揺らぎません」と言われても、日米同盟を基軸とし、「自由で開かれたインド太平洋」を実現するためと称して「敵地攻撃」への取組を戦略的に進められてしまっては、この国は「安全」から遠ざかるばかりだ。
そして、「今年の夏、世界の団結の象徴となる東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催いたします。安全・安心な大会を実現すべく、しっかりと準備を進めてまいります」だそうだ。傷口を広げるだけだと思うが、まだあきらめないそうだ。
「国民の皆様にとって何が「当たり前のこと」なのかをしっかりと見極め」ているつもりらしいが、まったくその見立ては当たっていないことがこれだけ証明されているのだから、一刻も早く退陣なさるがいい。