1都3県への緊急事態宣言発令。飲食店は午後8時までの時短営業を「要請」されるが、応じた飲食店には1店舗あたり1日最大6万円の協力金がでるという。8日から2月7日までだから、総額186万円になる。
劇場にも「要請」「措置」が出ている。やはり午後8時までにしろという。
午後8時までに終演を決めた劇場にも、同様の協力金が出て、当然ではないか。休演、延期、時間変更などで、多大な損害を受けている。劇場も、借り手も、収入の減少という被害を被るのは、事実だ。なのにそちらには協力金が出ないとしたら、なぜか。
というか、最低限、飲食と同様の協力金が出るのは当然で、その上で、「そんな額じゃ劇場はやっていけないんだよ」と反発し、協力に見合う額に上げて支給することを求める、という状況でなければ、おかしいのではないかと思う。一つ一つの劇場が状況は違うのだ。
民間劇場に補助があれば、休演、延期、時間変更の負担を負ったカンパニーも、劇場費の負担を軽減されることになる。それが自然であるはずだ。
なぜそうならないのか。
というのは、だいぶ遠慮した書き方である。
そもそもが、劇場に対する、補償の提案・相談もない「要請」は、「強制」に等しい。現に「罰則」という言葉が出てきている。「自粛」が嵐のように広がっている。
何種類もの「GoTo」が、感染拡大の引き金になっていることは、ごまかしようのない事実だ。移動や飲食の拡大を金銭をつけてまで煽った者が、今さら飲食のせいにしたり移動を禁じたりするということなら、自分が責任をとる必要があると自覚すべきだろう。というか、その責任をごまかすために、緊急事態宣言が解除されたらまた「GoTo」をやると言い出しているように思われる。
「若者」「飲食」のせいにするのは、事実でさえない。本日の政府のコロナ対策分科会でも、昨年12月に発生した807件のクラスターを分析した結果、医療機関や福祉施設での発生が45%を占めていることが報告されている。飲食に関連したものは約2割で、このうち約半数は接待を伴う飲食店だったという。「若者」ではないのだ。もちろん医療機関や福祉施設、教育施設から地域に流行が広がることは少ないというのもわかるが、それでも、専門家までもが「飲食の場が重要で、そこを抑えていかないといけない」と言い続けるのが、腑に落ちない。
そして、観客席からクラスターが発生したことは、まだないのである。
写真は、某店の「山芋のとろとろ焼き」。一年近く前。