稽古場では、間宮啓行氏の役名が「浩次」であり、その弟・靖役を演じる俳優「さとうこうじ」氏もいることから、稽古中に「浩次が……」と言うと、さとうこうじ氏が振り向いてしまうこともあり、「ここで(さとう)こうじが……」というと、今度は間宮氏が「うん?」と振り向くということになる。
なので、「靖」「浩次」と、役名で呼ぶことが多いが、話が細かくなって紛らわしいと思うと「浩次」のことを「間宮さんがここで、」とか、言ったほうがいいと思って、そうするときもある。
そんな混乱というか、ややこしさも、楽しめる現場であればと思っている。
稽古の日々。
燐光群新作『草の家』 稽古場写真公開 第三弾。
左より、間宮啓行・さとうこうじ・猪熊恒和
三兄弟の場面の楽しさは、格別。
燐光群『草の家』
作:守安久二子 演出:坂手洋二
2月5 日(金)〜18日(木) 下北沢ザ・スズナリ
本作『草の家』は、愛媛県東温市の文化芸術によるまちづくり活動の一端として、次代を担う劇作家を地域から発掘するために設けられた「アートヴィレッジTOON戯曲賞」において、2018年に大賞と観客賞を受賞した戯曲です。執筆時58歳の作者による初の長編作品でありながら、高い評価を得ています。
私は、舞台となる岡山の出身。岡山弁を多く使う芝居で、俳優たちも奮闘しています。
以下、「アートヴィレッジTOON戯曲賞」のさいの、私の「草の家」選評です。
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TOON戯曲賞で審査員として『草の家』を推したことには、理由がある。古い商家の営みと家族制度の変遷をリアルに描きつつ、「不在の人物を思う」という仕組みを手に入れ、人間関係が密度濃く絡み合い、緊迫度を保った。読み進めながら、この役をあの俳優にやらせてみたいな、などと思うことは、滅多にないのだが、家族たちの生き生きとしたやり取りが、それだけ魅力的だった。岡山から頼もしい作家が誕生したことを、心から喜んでいる。
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旧商家の門構えのまま残る「藤井計機商店」、通称「はかりや」。
店を継いだ四人兄弟の長男・悟志の三回忌を迎える、初夏。
家を支えていた悟志の妻・陽(ハル)が病に倒れ、老いた母・芳を残し、入院する。
集まった兄弟たち、家族たち。
家の処分、跡継ぎのこと、陽への思い、そしてそれぞれの過去、現在、未来が、錯綜する。
囲まれて生きるしあわせ ふしあわせ いずれ一人の草の家にて
ふるさとの川土手の柿たわわにて 草の家には人影のなし
間宮啓行 円城寺あや さとうこうじ
鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 大西孝洋
樋尾麻衣子 山村茉梨乃 町田敬介
【STAFF】 照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所) / 音響○島猛(ステージオフィス) / 舞台監督○青木規雄 森下紀彦 / 美術○加藤ちか+じょん万次郎 / 衣裳○小林巨和 / ウィッグ◯高橋幸子 擬闘◯山村秀勝 / 演出助手○村野玲子 / 文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ / 音響操作◯中山美里 / 舞台収録・写真撮影○姫田蘭 / 宣伝意匠○高崎勝也 / 協力○浅井企画 劇団印象-indian elephant- / 制作○古元道広 近藤順子 / 制作インターン○加藤七穂 / 主催○有限会社グッドフェローズ
詳細はこちらを御覧ください
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http://rinkogun.com/Kusa_no_Ie.html
【ご予約・お問合せ】
燐光群/(有)グッドフェローズ 03-3426-6294
http://rinkogun.com/