いろいろと問題を指摘されていた、福島県のアーカイブ拠点施設「東日本大震災・原子力災害伝承館」。
原発事故後、双葉町に残された、原発時代のシンボルというべき「原子力 明るい未来のエネルギー」というPR標語の看板アーチが、そこに展示されるべきだと私は考えていた。
この看板アーチは事故後に「老朽化」のため解体され、90センチ四方の文字パネルが県立博物館に保管されていた。写真の展示にとどまっていたのは、この看板の、全長16メートルという大きさが理由とされていた。
双葉町が、看板の伝承館への設置を要望し、展示物の選定に向けた委員会でも有識者から展示すべきだとの声が上がっていた。県は展示方法を検討し、実物の文字パネルを新たにつくる土台に設置することを決めたという。
昨年9月20日の「伝承館」開館に立ち会った私も、朝日新聞デジタルに記事を書いた。
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https://www.asahi.com/and_M/20201013/17290165/
小学生のころ標語の募集に応募し採用されたのは、同町出身の大沼勇治さん。私の演劇作品『バートルビーズ』には、このアーチをモデルとした場面が登場する。
双葉町が大沼さんの思いを裏切らなかったことが、嬉しい。
伝承館の展示の内容全体についても、見直されるべきである。なぜこの原発事故が起きたか、が、記録されるべきだと思うからだ。