Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

Zoomの画面内で「頭を掻く」ということ

2022-09-11 | Weblog

あくまで一般論としてである。Zoomの画面に写っている状態で話者が「頭を掻いている」という行為に対して、時として視聴している人から、その「頭を掻いている」人が、「相手を否定しているように見える」「尊大に見える」「神経質に見える」という指摘が、為されることがある。私の知っている限りでも一度や二度ではない。その後、時折り、そのことをどう考えたものかと思っていた。

で、つい最近、とあるZoom会議の画面内で、「ずっと頭を掻いている」というか、「両手で頭を触り続けている」人に遭遇し、ああ、これはこの人の癖なんだ、と、理解し、ああ、本人はこのように見えているという自覚がないのだろうな、とも思い、この人がこうすることをまあ他の参加者もそんなに違和感なく受け止めているのだろうな、という状態であるとも感じられた。ただ、その人の人柄をよく知らない未知の、初見の人が見たときには、どうなんだろう、とも思ったのは、確かである。なにしろ両手なので、片手の時よりも盛大である。倍である以上に、頭の上が両の腕で埋まっている、ということになってしまう。

Zoomの画面では、たいてい、人物の胸から上のバストサイズか、人によっては鎖骨から上の首から上だけ、という感じで姿が写る。顔というか頭中心で、全身ではないのである。その頭に対して、上やら横やらで盛大に手を動かして「頭を触り続けている」状態だと、たいへんなアピールになっているというか、目立つし、万が一にそれが意図的かどうかは明確にではないにせよ「ある種のメッセージ」として捉えられたとき、誤解を受けることもあるのだろうなと思った。

だが、「頭を掻いている」という行為じたいは、たんに「頭を掻いている」だけである。それでも頭に触れられることがたいへんな侮辱恥辱であると受け止める慣習の独自の社会文化世界というものがあるとしたら、そこで育った人は、また感じ方が違うだろうし、語られている内容と相手に対する態度によってコンテキストは変わってくるのかもしれない。

まあ私は、とりあえず両手は避けたいと肝に銘じるが、きっとこれからも無意識に頭は掻いてしまうのだろうな。だって自分ではそうしていないつもりだが、私もきっとZoomの画面内で頭を掻いたことがあるはずだからだ。

 

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