金子修介監督の最新作 『ゴールド・ボーイ』 は、予備知識なしで見た方が、いいです。観る予定の人は、以下の情報さえも、読まないでね。
とにかく、素晴らしかった。傑作である。
といって、終わりでいいのだが、金子さんに「なぜ沖縄を舞台にしたのですか」という問いをして、返ってきた答が、ものすごく納得できた。原作があるときの脚色の腕力、である。設定を沖縄にしたのは、脚色に当たっての金子監督とシナリオライター・港岳彦氏の判断であり、それが、申し分なく、見事なのだ。そして、原作にあるかどうかは知らないが、いいセリフが、随所にある。
沖縄にほぼ二週間の取材に行って帰ってきた直後に観たのだが、沖縄の風景が「沖縄らしさ」ではなく、「この映画のために」ということで撮られたであろう説得力が、あるのだと、思った。ごく普通の風景のはずの映画で、こんなに画面に深みがあることも、珍しいのではないか。撮影は、北野武監督の作品を多く手掛けている、柳島克己氏。
もちろん、いろいろ突っ込みたくなるところがある、という方も、いるだろう。そりゃあね。あの場面であの音楽なのか!とか。私はいいと思った。あの音楽を使った映画は多々あるが、これはいいと思うのだ。
偶然の重なり方についても、いろいろ意見のある人もいるだろう。私は許せるのだ。
主要人物のほとんどに感情移入できる。こんな映画は滅多にない。
俳優について言及するとネタバレになるから、できない。
ミステリーであり、ファンタジーであり、だからこそリアルであるという、倒錯を味方につけている。
公式サイト
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