ルネ・ポレシュの訃報に茫然とする。
ドイツで、タールハイマー、マルターラーと並んで、大好きな演出家だ。私と同い年なのだ。死因はまだわからない。
ルネ・ポレシュは、2000年ハンブルク、シャウシュピールハウスのレジデントとなり、現在シャウシュピールハウス専属の原サチコさんとの共働作品も多い。
01年からはベルリン・フォルクスビューネ(直訳すれば「民衆舞台」の国立劇場)の付属施設で別な場所にある「プラーター劇場」(「プラーター」は遊園地だから遊園地の中にあるという意味、当時の栗山民也芸術監督が新国立劇場で「The Pit」の企画を出した際はこの「プラーター」をイメージしていたというのは有名な話だ)の芸術監督を務め、次々に話題作を提供。私もベルリンに行けば必ず彼の作品を観ていた。06年ミュールハイム劇作家賞を受賞した『CAPUCETTO ROSSO』は傑作だった。
06年には来日して、tptで「皆に伝えよ!ソイレント・グリーンは人肉だと」を上演。木内みどり、中川安奈、池田有希子、長谷川博己の四人の出演者のうち、木内みどりさん、中川安奈さんのお二人も亡くなられている。そのこともとても寂しい。
写真は一年前にフォルクスビューネで観たルネの作品『Und jetzt ?』 終演後。マルティン・ブトケが大活躍する好舞台で、得意とする小劇場プラータから大劇場を自由に操る方向が成功をおさめた作品だった。