故あって、今晩、やったーうーまんとやーままを招いてシュニッツェルパーティーを我が家で開くことになった。平日の晩に急遽お招きをしたこともあって、都合が合うかどうか心配だったが、なんとか二人が都合をつけて駆けつけてくれた。そこで8時前から宴が始まり、みんなよく飲みかつ食った。オカブの手料理もみな喜んでくれた。そこで、ウィーン風トンカツであるシュニッツェルのレシピをまたまたお知らせ申し上げようという次第。
肉は豚肉を使う。本格的なヴィーナー・シュニッツェルは仔牛の肉を使うが、侘びしいオカブ家では予算の関係で特売の豚肉しか買えない。ウィーンの高級レストランではほぼ100%仔牛の肉、バイスルというべき大衆食堂では仔牛のシュニッツェルと豚肉のものがあり、値段が違う。もちろん仔牛のものの方が高い。その他、鶏肉、七面鳥のシュニッツェルなんかもある。
肉を肉叩きで薄く薄く叩いて延ばす。肉叩きがなければビール瓶などで代用してもよい。とにかくできるだけ薄くするのが本格的だが、あまり叩くと、肉が崩れてしまうので、お客さんをした本日はほどほどに厚めに・・・・
叩いて薄く延ばした肉に、軽く塩・胡椒をする。お好みでしなくてもよい。ウィーンのレストランでは下味をつけているところと、まったく下味をつけていないところとまちまちであった。塩・胡椒をしないでレモン味だけで食したほうが、肉の旨みを堪能できるかもしれない。
延ばして下味をつけた肉に、ベーキング・パウダーを混ぜた小麦粉をまぶす。
次に卵をからめる。ここまでは肉を延ばす以外、まったく、トンカツと同じ要領。
次に当然、パン粉をまぶすのだが、ここが日本のトンカツとの最大の違い。パン粉そのものが違う。シュニッツェルにまぶすのはカイザー・センメルという、オーストリア・ドイツに特有の固パンから作ったセンメル・ブレーセル(センメル粉)という特有のパン粉である。このパン粉を使う、使わないは大違い。センメル粉を使わないで普通のパン粉で作ったシュニッツェル?はただの薄っぺらいトンカツと化す。
センメル・ブレーセルのパッケージ。何種類か試してみたが、オーストリアのアンカー社製のものが一番、質がいいようだ。ウィーンに行くとこのパックを何箱も仕入れてくる。
センメル・ブレーセルの粒。普通のパン粉よりもはるかに粒が細かく、乾燥度も高い。日本ではなかなか手に入りにくいので、フランスパンをすり鉢で細かくすって使うように指示しているレシピもある。最近では、日本のネット通販でも入手できるようだが、サイトを探し当てることは出来なかった。
家庭料理のフライやトンカツの要領で、普通にサラダ油で揚げる。本場ものは、薄く引いたラードで揚げ焼きにして作ると聞いているが、いまだに試したことはない。一度、失敗してもいいときにトライしてみるか?
出来上がり。揚げたてにレモンをきゅっと絞って食べると美味。みんなに好評だった。
ちなみに今日の献立。アミューズ。生ハム。
アントレ。スモークト・サーモン。
皆、話しが盛り上がって、お開きになったのは11時半過ぎ。明日も仕事があるのにタフな人々だ。こちらはダイニングと厨房を片付け終わって寝たのは2時過ぎ。さすがに平日にお客さんをするのは疲れる。
春寒の宵のうたげやあかあかと 素閑