昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

世田谷巡り

2015-10-06 17:12:36 | お出かけ

秋晴れで、涼風流れ、暑くもなく寒くもなくの上々の天候。
こんな日に家にじっとしている手はない。区役所と登記所へ行く用事を思いつき、カメラと書類を持って出かける。
若林から、烏山緑道沿いにまず区役所へ。要件を済ませ、豪徳寺に足を向ける。
豪徳寺は山号「大谿山」。曹洞宗の禅寺だ。
豪徳寺の招き猫にまつわるエピソードはあまりにも有名で、以前にも書いたが、重複を畏れず再掲する。
江戸の昔、この寺は、赤貧洗うが如く、住職をはじめ、寺僧ことごとく爪に火を点す様な暮らしをしていた。ある時、この辺りを領していた彦根藩主、井伊直孝が巻き狩りか何かの途中、この寺の前を通りかかった。 すると山門の前に猫が一匹いて、おいでおいでをして直孝を招いている。不思議に思った直孝一行が寺に入りかけると、一天にわかに掻き曇り、大雷雨となり、直孝の居たあたりに雷が落ちた。直孝はこれを奇として、住職の法話を聞き、寺に寄進すること少なからず、豪徳寺の大檀越になり、寺は大いに潤った。住職は、これをもたらした猫を尊び、招き猫の由来となった。
豪徳寺の境内は広い。参詣の人、観光の人、近所の人などが、境内で思い思いに過ごしている。
本堂の前のベンチに腰を下ろしていると、前のベンチで、幼い女の子を連れたお母さんが、一緒に弁当を食べて戯れている。こんな親を持った子は幸せだ。エルさんならきっと「あの子はいい人になるよ」と言っているだろう。
墓域に入り井伊直弼の墓を見た。きれいに整えられていた。
オカブのいつも気になっている地蔵尊の墓標には楓が覆いかぶさっていた。
豪徳寺を出て、オカブの好きな勝光院に行く。ここも曹洞宗の禅寺だ。 竹林が美しい。
都会には寺が好ましい。緑と静寂がある。どちらも都会の住人には必要なものだ。オカブも仏教に関しては、上座仏教しか信じず、葬式仏教は唾棄するべきものだと思っているが、寺の存在は大いに尊び、寺巡りは大好きだ。人間臭く俗的なキリスト教会にはないものがある。
団体の観光の人たちの喧騒に追われて、勝光院を出る。
世田谷線に沿って、上町に出、実相院を見る。ここも曹洞宗。
しかし、庭が美しい。初めて訪れるが来てよかった。梵妻さんらしき人が庭の掃除をしていたので、「お世話になります」と声をかける。
ボロ市通りの大場代官屋敷跡に行く。何回か訪れているが、素通りできない気がした。郷土資料館にも行ったが、展示物は内容が薄い。郷土史家の興味をそそることは無いようだ。
世田谷通りに沿って歩き、浄土宗大吉寺に行く。作家の寺内大吉氏が住職を務めていた寺であり、昨年急逝した、旧友の菩提寺でもある。墓に参り、線香を手向けてきた。
三軒茶屋に出、西友で夕飯のおかずを買い、帰宅した。

仲秋の鳩人恋しさや豪徳寺   素閑