今日、先月、中目黒で会った幼馴染のKちゃんが家に遊びに来た。
Kちゃんは亡きお母様がうちの母と職場の同僚という関係で、オカブと生まれた日もほぼ一か月違いという不思議なご縁。
家も多少離れていたし、男の子と女の子ということもあり、そんなに頻繁に会って遊んだという記憶はないが、とにかく一番幼い時からの友達だ。
それにしてもオカブの母(ばーたん)にとっては我が娘のようなものなので、母のたっての願いで来ていただいた次第。
母は前日から、バタバタと掃除をしたり、お茶を差し上げるのだと懐石の仕込に張り切って忙しく立ち働いていた。
正午のご案内でバスで来られたKちゃんを代沢十字路のサミットでお出迎え。
拙宅にご案内して、かーたんをご紹介し、皆でひとしきり思い出話に花が咲いた後、早速、懐石。略式で弁当だが、母手ずからのお手製だ。
懐石は、蟹と胡瓜のマヨネーズ和え、物相御飯ゆかり、豆腐と茄子の味噌汁、鰆一塩、椎茸、小芋、叩き牛蒡、蓮根、お多福豆、卵焼き、鶉鴈、オクラ、漬物といった献立。
懐石の食事が済んで、濃茶、お薄と一通りのお茶事の真似事が続く。
母も大分歳で、主菓子と干菓子を出すのを間違えたり、茶入れと棗を取り違えたりと、粗相はあったが、歳だから仕方がない。
そういうオカブもKちゃんももう58だ。思えば長い年月である。
お茶事が済んで、地下の音楽室に移動。コーヒーとケーキでアルバムなどを見てもらいながら、互いの家族のことなどを語り合う。
母も来て、今は亡きKちゃんのご両親の思い出や、昔の友達の話題などに夢中になる。
あっという間に時間が経ち、気付いたころにはすっかり暗くなっていた。
Kちゃんをバス停まで見送って別れた。
「幼馴染の思い出は♬青いレモンの味がする♪」ではないが昔の思い出というものはいいものである。
還暦になるかと君に秋時雨 素閑