昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

シスレーが好きだ。

2015-04-22 10:03:17 | アート

オカブは絵画に関しては、ロマン派ではドイツロマン派を、印象派はもちろんフランス印象派を好む。
絵画でフランスロマン派が好きになれないのはそれが、表面的な「ドラマティック」を描くだけで、内面性の深い、魂のロマンとは程遠いからだ。 
それはC.Dフリードリヒとドラクロワの対比を見れば明らかだ。
その点、フランス印象派は、外面的な風景の光や、面やマッスに落ちる明るさ、人物や生物、風景の立体的公正に心を砕き、明るい近代的な、ペダンティックな表出とは全く縁がない一団のように見える。 
しかし印象派の中にも、外面的な視覚の認識の裏に、深遠な内面性をたたえた画家がいることを忘れてはならないだろう。これらの画家の範疇に入ると思われるピサロ、シスレー、サージェント、モネ、マネの中で、オカブが最も好きなのはアルフレッド・シスレーだ。シスレーは英国生まれの英国人で、画家としてパリで活躍したが晩年は恵まれず、装飾画などを描いて生活を支えたという。
ピサロは友人に送った手紙の中でシスレーに触れている。
「シスレーは病床に伏しているということです。彼は私の知る限り最も偉大な画家です。特に『洪水』は傑作です。」
ピサロの言うように『ポール・マルリーの洪水』の連作をはじめ数々の名作を残した画家はひっそりとこの世を去った。
シスレーは現代でも過小評価されている。惜しいことだと思う。

学校の娘勤めの鞦韆や   素閑 

          

 



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