かーたんと、6月12日、東京文化会館へメトロポリタンオペラ『ランメルモールのルチア』を見に行ってきた。かーたんはここ数年、ルチア役のディアナ・ダムラウの大ファンで、来日が決まって以来、この日を心待ちにしていた。しかし、東日本大震災の原発事故の影響で、ネトレプコが公演をキャンセルするなど、主役級の歌手のキャンセルが相次ぐ中で、ダムラウの来日も危ぶまれていた。なにせ、去年、男の赤ちゃんを生んだばかりで、しかも環境問題に敏感なヨーロッパ人。公演自体がキャンセルになるなら、まだ許せるが、ダムラウが来なくて代役で公演となったら、最悪だとかーたんと話していた。しかし、蓋を開けてみたら、彼女は、赤ちゃんと母親同伴で来日。これを知ったとき思わず万歳を叫んだ。
舞台は当たり前だがやはりルチアの狂乱の場が山。消え入るようなピアニシッシモの歌唱が、しーんと静まり返った客席と舞台の間にとてつもない臨場感を与える。前半の狂乱の場があまりにも素晴らしいので、これも狂乱の見せ場のエドガルドの亡霊を呼ぶシーンもかすんでしまった。
ダムラウが事前に記していたが、一音一音に曲の解釈を込めて、歌唱と演技が一体となった、名演。一つの音も聞き逃せない緊迫の舞台だった。ただ、客席に空席が目立ったのはちょっと気になった。
舞台がはねて、サイン会があった。かーたんは、もうダムラウの追っかけ状態。渋谷で買った日本手工芸の錦の物入れにメッセージを添えて、ダムラウに渾身の挨拶。見てるほうも疲れた。
いやー、凄い一日だった。ブラーヴァ!ダムラウ!
歌劇場妖しの美妓や梅雨の晴れ 素閑
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます