昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

2012年ニューイヤー・オペラ・コンサート

2012-01-03 04:48:00 | 日記・エッセイ・コラム

今年もやってきました1月3日のニューイヤー・オペラ・コンサート。日本の歌劇界の一年を占う上では重要な番組であろう。トップ・バッターは日本テノール界の重鎮であり第一人者でもある福井敬さん。歌うは「トゥーラン・ドット」からカラフのアリア「誰も寝てはならぬ」。無難な歌唱だったが、ちょっと世界と日本の歌手の実力差を感じざるを得ない演奏だった。森麻季ちゃんは進境著しいが、重なる出産で、ちょっと肉体的なハンディを負っているような気がする。林美っちゃんのカルメンはいつも色気不足。もっと重厚・妖艶な歌手が演じるべきであろう。幸田浩子は高音の輝きが増して結構結構。10年前にウィーンのフォルクスオパーで夜の女王を聞いたときには、アリアのF音が出せなくて冷や冷やした思い出がある。木下美穂子の蝶々さんは、これはもう堂々たるもの、日本ソプラノを代表するプリマ・ドンナの実力を見せ付けた。今後、真に世界的な歌手が日本からでるとすれば、木下美穂子をおいて他にはいないだろう。だいぶ痩せたようなのが気になるが。ただ、今年のニュー・イヤーを通じて、一番、安定した歌唱を見せ付けたのは、藤村実穂子だったのではないか?非常に安心して聞いていられるメゾの名演だった。ただ、表現力、解釈と言う点では、平板であったと言う印象は免れない。日本のオペラも日進月歩であるが、そろそろ実力のある新人の登場が待たれるところでもある。

なにはせんなにもやらずと三日かな     素閑

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2012年正月元旦一月一日

2012-01-01 23:34:38 | 日記・エッセイ・コラム

昨晩というか当夜はなんだかんだで3時過ぎまで起きていた。それから床に入り今朝7時起床。いささか眠い。まあ仕方がない。正月の朝なのになんでこんなに早く起きたのかと言うと、今年は一月一日と日曜日が重なっているため、元旦に教会に行かなければならないからだ。尤も、日本の教会では「元旦礼拝」と称して、一月一日に毎年礼拝を守っている教会も数少なからずある。しかし、これは旧時代の信徒を初詣に行かせない為の姑息な手段であって、本来、キリスト教には正月元旦を慶賀する風習も、そこで礼拝を守らなければないいわく因縁もない。しかし、歳時記には「初ミサ」なる季語が掲げられているので、カトリックにはそれなりのいわく因縁があるのかもしれない。さて、いわく因縁に疎いわが教会も、さすがに一月一日が日曜日と言うことになれば信徒に招集をかけて礼拝を守らなければならない。そこで温い信徒のオカブも礼拝に間に合わせて床を出たと言うわけ。さて、本来の宗旨ある聖日礼拝に出るために、早起きしたが、日本古来の伝統である、年酒を交わしおせち料理で新年を祝うという行事は欠かせない。これは我が家にとっても、日本一国民にとっても重要な催しである。冷酒を酌み交わし、ごまめやたずな蒟蒻、叩き牛蒡をいただくというのは、まさに日本の根幹に根ざした風習だ。こういうオーソドックスなおせち料理は、まさに日本古来の生産者階級の最上級のご馳走であっただろう。これを一月元旦にいただくというのはまさに日本国民としての美風であり、義務であると言っても過言でないだろう。だから、おせち料理はすべからく各家庭で手作りするべきであり、出来合いの御節を買ってくるなど言語道断、ましてや昨年、話題になった、ネットで多数の購買客を募り、ディスカウント価格を提供するなどというWEBサイトなどは笑止千万、地獄に落ちればよいと思っている。さあらずや、かの辻嘉一翁も懐石傳書で御節は家庭で作るべしと言っているではないか。そこでかーたん、エルさん、ばーたんを交えた我が家一家四人が仲睦まじく、新年の賀を述べ合っているのなどは微笑ましい光景ではないか。さて、御節が終わり10時過ぎより教会の礼拝。わが教会は歩いて15分ほどの距離にあるので助かる。礼拝は白船夜船。帰ってきて一眠りした後、またお屠蘇の続き。夜の7時からウィーンフィル・ニューイヤー・コンサート。解説者が、今年のテーマは「新曲」といっていたが、同じようなシュトラウスのワルツやポルカを聞かされてもどれが新曲か分からん。まあ、今年の特徴といえば、チャイコフスキーがプログラムに加わったことと、トリッチ・トラッチ・ポルカ他でウィーン少年合唱団が演奏に加わったことぐらいだろう。指揮のマリス・ヤンソンスはウィーン・フィルとは相性がよいと思っていたが、5年前の印象がまさに的中。楽しそうに振っていた。ニューイヤーを聞き終えビールを一本飲み、半覚半睡の態でブログを更新してお休みなさい。

ヴィオロンの巧みに酔える屠蘇の杯     素閑

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