昔、歩き疲れた旅人が道ばたの木の実を食べたら、たちまち疲労回復して、また旅が続けられたということからその木の実にまたたびの名がついたと伝えられています。いままさに葉っぱが白くなって、花が咲いたようになっています。
またたびは、サルナシ科に属する多年性落葉灌木で、初夏のころ梅に似た芳香のある可愛らしい白い花を咲かせます。そして少し辛みのある、どんぐりのような形の実をつけます。この実にまたたびあぶら虫と呼ぶ寄生虫が巣食うのですが、漢方薬で珍重されるのは、なんとこの虫食いのまたたびの実なのです。木天蓼(もくてんりょう)と呼ぶのがそれで、熱湯を注いでから乾燥させたものなのです。
またたびの主成分は揮発性のマタタビ酸を主としたもので、麻酔作用が認められています。ネコにまたたびというほどネコの大好物ですが、病気のネコを元気にする力は驚くほどで、ネコにとっては万病薬といえるでしょう。人間にとっても疲労回復のほか、強心、利尿作用が認められ、さらに鎮痛、強壮、精力増進、体を温める効果が認められています。
〈用い方〉
つぼみや実は塩漬けにしてびん詰めにされ、精力増強の酒のさかなとして市販されています。
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