人生は空、空しいものでしょうか?
チェーホフが言った老人のペシミズム。
今日の老健での認知症のお年寄りたちのミーティングで
質問してみることにしました。
「ちょっと難しいことをお聞きしますが、人生は空しいもの、
と言う方がいらっしゃいますが、みなさんはどう思われますか?」
「空しいと思うときもあるけど、楽しまなきゃだめだと思っているわ。」
「過去なんか考えてはだめ。今を考えやることをやるの」
「前向きに考えると言うことですか?」
「そうよ!」 空しいなど考えるのは過去を思い煩うからだと。
時間がなかったので突っ込んだ話は出来ませんでしたが、
どうやらミーティングに出席しているようなお年寄りは、
と言うより私もですが、
この世では満足が得られず人生に積極的価値が認められない
というペシミズムとは正反対のオプチミズム楽観主義者でありました。
一人悩み苦悩しているお年寄りもいらっしゃいました。
個人バリデーションの会話です。
私はほんとにだめな人間よ。 どこがダメなんですか?
何でも忘れてしまう、自分のものをみんななくしてしまうの。
何をなくされたんですか? 洋服もお金も。
誰かに取られたんですか? 分からないの。もうどうしていいかわからない。(涙)
どうしていいかわからない。不安ですよね~。
頼る方はいらっしゃいませんか?
誰も頼る人なんかいない・・・・母だけ。
お母様は頼りになる存在なんですね。どんな方ですか?
優しい人よ。 今はどこにいらっしゃるかしら?
仕事しているの。 お忙しいんですね。
時々来て下さいますか? ええ。
いいお母様ですね。大好きなんですね。
そう・・・しかたない・・・待つしかないわね。
ありがとうございました。聞いてくれて。
いいえ、またお話しに来ますね。
ぽつぽつと会話しながらご自分で解決を探されるのです。
認知症の方の現実は私たちの現実とは違うので、私たちは
お年寄りの現実の中でお話ししなければなりません。
お年寄りは100人100様です。 いろんな会話がなされます。
その中には私が学ぶこともいっぱいです!