”さわらの羽”

さわらのステッチ日記

読書の秋

2007年09月18日 | Weblog

久々に読書三昧してました。
その中から面白かった3冊の感想などを。

特に面白かったのは「対岸の彼女
角田光代さんって昔数冊読んだのですが、
なんとなく文章がよく言えば柔らかいけど、悪く言えばキレがないというか
シャープさに欠ける気がしてあまり好きになれず‥。
通販生活のCMに出てる「ぽよよん」とした可愛らしい感じに、
あぁ、なるほどこういう感じの人か‥と思った位でした。

図書館に行ったら「このタイトルはよく目にしたなぁ‥」と
目にとまり借りて帰りました。
(直木賞受賞作だったんですね(^_^;。

文体はやはり好きとは言い切れませんが、
この作品についてはさほど気にはならず、
それよりも内容のおもしろさに惹かれてぐんぐん読み進んでしまいました。
「いじめ」や「おつきあい」という人との距離感の難しさ。
「仕事」や「公園デビュー」という人間関係を面倒に思ってしまう気持ち。
年齢を重ねさえすれば上手く越えられるのかというと、
決してそうではないジレンマに同年代の女性達は逃げてしまうのか、
それとも立ち向かっていくのか‥。
考えさせられる所も多かったです。
時間があったらぜひお勧めの一冊です。

桐野夏生さんの「魂萌え
この人の文体は好きなので無条件に読んでいます。
実はこれを読む前にNHKでドラマ化されたのを先に見てしまいました。
内容は多少違っているところもあるし、
ドラマはやはりはしょってある部分があるので、
本は本でそれなり面白しろいです。
ただ、ドラマの主人公役の高畑淳子が
個人的に好きな女優さんで記憶に強く残った為、
そちらの方が印象深く残ってしまいました。

ネグレクト」育児放棄に関して実際に起きた1つの事件を詳しく調べた本です。
罪を犯してしまった両親の育った環境、虐待に至った過程、
行政がなぜ虐待を把握しきれなかったのかという問題点。
とても良く調べてあり読み応えがありました。

尚、同名の小説を海野真凛と言う方が書かれていて、
こちらも試しに読んでみました。読み物としては面白かったですが、
やはりフィクションという感じがぬぐい切れないので、
堅くても杉山春さんのネグレクトの方がお勧めです。