しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「歌われなかった海賊へ」 逢坂冬馬

2024年07月26日 | 読書
「歌われなかった海賊へ」 逢坂冬馬  早川書房  1944年、ナチ体制下のドイツ。父を処刑されて居場所をなくした少年ヴェルナーは、エーデルヴァイス海賊団を名乗るエルフリーデとレオンハルトと出会う。彼らは、愛国心を煽り自由を奪う体制に反抗し、ヒトラー・ユーゲントにたびたび戦いを挑んでいた少年少女だった。ヴェルナーらはやがて、市内に敷設されたレールに不審を抱き、線路を辿る。その果てで「究極の悪」を目撃 . . . 本文を読む
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「暗殺者たちに口紅を」 ディアナ・レイバーン

2024年07月25日 | 読書
「暗殺者たちに口紅を」 ディアナ・レイバーン  創元推理文庫   KILLERS OF A CERTAIN AGE   西谷かおり・訳かつてはナチの残党を、現在は犯罪者を標的としてきた暗殺組織〈美術館〉。社会に害をなす人物の抹殺に40年を捧げてきた60歳のビリーたち女性暗殺者4人は、引退の日を迎えた。それを記念するカリブ海クルーズに出かけたが、彼女たちを殺すため、組織から刺客が送り込まれたと判明す . . . 本文を読む
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「修道女の薔薇」 キャロル・オコンネル

2024年07月23日 | 読書
「修道女の薔薇」 キャロル・オコンネル  創元推理文庫  BLIND SIGHT     務台夏子・訳消えた修道女を捜してほしい―マロリーのもとに一件の訴えが持ち込まれる。驚いたことに、同じころ、彼女の甥と思われる盲目の少年が姿を消していた。そして数日後、修道女は意外なところで発見される。元投資ブローカーである市長の官邸の正面階段下に置かれた四体の死体、その中に彼女もいたのだ。市長に恨みをもつ者の . . . 本文を読む
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「正義の弧」 マイクル・コナリー

2024年07月20日 | 読書
「正義の弧」 マイクル・コナリー  講談社文庫  上・下巻DESERT STAR                 古沢嘉通・訳レネイ・バトラーは1度抹消されたロス市警未解決班の担当責任者になる。再編成となった理由から、優先するのは市議会議員のジェイク・パールマンの妹サラが1994年に自宅で刺されて殺害された事件だった。ボッシュはボランティアとしての参加となるが、ある思惑があった。それはボッシュが気 . . . 本文を読む
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「墓から蘇った男」 ラーシュ・ケプレル

2024年07月19日 | 読書
「墓から蘇った男」 ラーシュ・ケプレル 扶桑社ミステリー 上・下巻  Lazarus    品川亮・訳オスロの集合住宅の住民から悪臭の苦情が寄せられ、警官が向かった先には、腐敗が進行し、腹部を膨張させ両足の開いた男の死体があった。一地方警察官として勤務し、数週間後に警察庁の警部に復職することになっているヨーナのもとに、色を失った監察医ノーレンが訪れる。死んだ男の冷凍庫には多数の切断された人体のパー . . . 本文を読む
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「悪童たち」 紫金陳(ズージンチェン)

2024年07月17日 | 読書
「悪童たち」 紫金陳(ズージンチェン) ハヤワカ・ミステリ文庫 上・下巻       坏小孩             稲村文吾・訳優等生の中学二年生、朱朝陽(ジュー・チャオヤン)のもとに、孤児院から脱走してきた昔馴染みの少年丁浩(ディン・ハオ)とその〝妹分″の普普(プープー)が訪ねてくる。行く当てのない二人をかくまうことになり、当初は怯えていた朝陽だったが、しだいに心を開いていく。山に . . . 本文を読む
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「特捜部Q カールの罪状」 ユッシ・エーズラ・オールスン

2024年07月16日 | 読書
「特捜部Q カールの罪状」 ユッシ・エーズラ・オールスン    ハヤカワ・ミステリ  NATRIUM CHLORID        吉田奈保子・訳2020年11月30日。コペンハーゲン警察の殺人捜査課課長のマークス・ヤコプスンが、新聞の死亡広告をカール・マーク警部補に見せる。死んだのはマイア・ピーダンス、60歳の誕生日に自殺したのだった。マイアは32年前に起こった自動車修理店の爆発事故に . . . 本文を読む
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「厳冬之棺」  孫沁文

2024年07月03日 | 読書
「厳冬之棺」  孫沁文  ハヤカワ・ミステリ文庫                         阿井幸作・訳湖のほとりに建つ陸家の半地下の貯蔵室で、当主陸仁(ルー・レン)の遺体が発見された。この地下小屋は大雨により数日間水没していたにもかかわらず、その床は乾いており、誰かが外から侵入した形跡はない。まさに完全な密室状態だった。そして殺害現場には、なぜか嬰児のへその緒が。梁良(リャン・リャン)刑事 . . . 本文を読む
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「三年間の陥穽」 アンデシュ・ルースルンド

2024年06月18日 | 読書
「三年間の陥穽」 アンデシュ・ルースルンド  ハヤカワ・ミステリ文庫  上・下巻 Sovsagott             清水由貴子 下倉亮一・訳子どもの人身売買を防止する団体に届いたのは、全裸で犬のリードを巻かれた少女の写真だった。グレーンス警部は、写真の手がかりを元にデンマークへ向かう。そこで明らかになったのは、ダークネットを通じた世界8カ国21人にのぼる小児性愛者の存在だった。一斉逮捕の . . . 本文を読む
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「三日間の隔絶」 アンデシュ・ルースルンド

2024年06月14日 | 読書
「三日間の隔絶」 アンデシュ・ルースルンド ハヤカワ・ミステリ文庫  上・下巻17年前、一家4人が殺され、5歳の幼女だけが生き残る。その現場に1番に駆け付け幼女を保護したのがエーヴェルト・グレーンスだった。この事件の容疑者として4人の男が取り調べを受けるが逮捕には至らなかった。その同じ住宅に不法侵入があったとグレーンスに連絡が入る。何も盗られていなかったが、床の一角がわずかに削られその下に小さな空 . . . 本文を読む
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