「正義の弧」 マイクル・コナリー 講談社文庫 上・下巻
DESERT STAR 古沢嘉通・訳
レネイ・バトラーは1度抹消されたロス市警未解決班の担当責任者になる。
再編成となった理由から、優先するのは市議会議員のジェイク・パールマンの妹サラが1994年に自宅で刺されて殺害された事件だった。
ボッシュはボランティアとしての参加となるが、ある思惑があった。
それはボッシュが気掛けているギャラガー一家4人が殺害された事件の調査が出来ると言う事だった。
ボッシュが犯人だと確信した容疑者・フィンバー・マクシェーンはいたが、それを証明出来なかった。そして、マクシェーンは姿を消していた。
パールマン事件を優先と言うバトラーの指示よりもギャラガー事件が心を占めているボッシュで、両方の捜査を同時にこなす。
そしてボッシュの提案で、パールマンの証拠物から新たなDNAが見つかる。
そのDNAは2005年に殺害された女優志願のローラ・ウィルスンの現場にも残されていた。
しかし、その事件の犯人は捕まって服役していた。
ボッシュをバラードが呼び戻す。
政治絡みの事件だが、ボッシュには関係ない。
これを機に、ずっと心にある事件の捜査を再開する。
2つの事件が同時進行の様に進んで行く。
過去の事件だから幸運に恵まれなければ解決出来ないのは当然。
ただ、科学捜査が発達しているので、新しい発見があってもなるほどと納得が出来る。
少しずつ、真相が分かるかと思ったら、突然に閃いたり、ちょっと強引なやり取りがあったり、山あり谷ありな展開で進んで行く。
ボッシュが1人で、マクシェーンに向かうラストは、ボッシュらしいけど危ないなーと思ってしまう。
事件の他に警察と言う組織でのやり取りや、それぞれの心情などが丁寧に書かれるので、その場にいるような感じになれる。
長く付き合っているシリーズ。
『正義の弧』とは正義は弧を描いて向かって行くというような意味。
DESERT STAR は砂漠に咲く花の名前。
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