「天井裏の散歩者 ―幸福荘殺人日記」 折原一

東京都練馬区のはずれにあるアパート、幸福荘。 木造の安アパートには推理小説家の大家、小宮山泰三が住む。 幸福荘はその小宮山泰三を慕い、多くの作家志望の若者が押し寄せ、さながら手塚治虫のトキワ荘のようになった。 その幸福荘に越して来た私は、案内された部屋に置かれてあったワープロにフロッピーが差し込んであることに気が付く。 早速スイッチを入れると、ワープロには〈文書１〉から〈文書６〉まで、小説のような . . . 本文を読む