「ドリームバスター３」 宮部みゆき

「ドリームバスター」１と２から続いている物語。

「赤いドレスの女」
理恵子の続き。
幻覚を見たり他人の考えている事はふっと心の中に聞こえたりして怯える恵理子。
恵理子の事を気にする同僚の男性も現われるが、それが新たな展開にもなりそう。
恵理子が見た赤いドレスの女は何者なのか。

「モズミの決算」
新キャラクター、カーリン登場。シェンより１歳上の女の子。
Ｄ．Ｂだった、パーカーの姪だが、パーカーの行方が分らず、マエストロ達と一緒に住むことになる。
モズミはタカシの場に潜んでいる、逃亡犯。
現実の世界で虐待にあっているタカシを救う為、頭を悩ませていた、シェンとマエストロだったが、最終的にはモズミがタカシを救う行動に出る。

「時間鉱山Ｐａｒｔ１」
Ｄ．Ｂのマッキーが行方不明になった。
その情報をもたらした、レイモンは二重人格のようだったが、実は時間鉱山の行った為の自己の分裂だった。
短期間で治る者が多いなか、レイモンはそれが長く続いている。
それは、時間鉱山と呼ばれるところ。ドレクスラー博士から情報を得て、シェンとマエストロはマッキー救出に時間鉱山に向かう。
シェンはこの時間鉱山で、母親の血まみれローズの姿を見る。


完璧な続編。それなのに１も２も色々忘れていて、読みながら、ああ、そうだったと思い出していく。
今回で解決した話もあれば、新たに始まった話もある。
逃亡犯はまだ１５人残ったままで、これから、シェンの母親の話がメインになってくる感じがする。
時間の不思議な法則も出る。
時間を何に表すのか。どう料理していくのか。見えないものだから自由で面白い。
エンデの「モモ」の時間の話も結構好きだ。
まだまだ続いていく、ドリームバスターシリーズ。また振り返って１や２も読んでいきたいと思える面白さ。
シェンのキャラクターが好き。何となく、十二国記の雁国の麒麟、延麒を思い出す。シェンは金髪ではないけれど。