しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「交渉人・籠城」 五十嵐貴久

2010年08月18日 | 読書
「交渉人・籠城」 五十嵐貴久     幻冬舎

警察に事件の通報が入る。
喫茶店“アリサ”の経営者、福沢基之からで、自分が客を店内に監禁していると言う。
“アリサ”は3ヶ月前に改装工事がなされていた。
それは今回の事件に向けた用意の為もので、計画的犯行と考えられた。
警視庁特殊犯捜査係の岡部浩警視、遠野麻衣子警部、戸井田啓一巡査部長の3人が前線に派遣される。
福沢の要求は、まだ分からなかった。
しかし3年前、福沢の娘、亜理紗が6歳で殺害されていたことが分かる。

遠野麻衣子の交渉人シリーズ、第3弾。



今回のテーマは少年法。
それ1本に絞った感じで、他の動きはあまりない。
事件そのものも、静かに進んで行く。
交渉のノウハウはじっくりと伝えてくれる。
しかし、物語としては少々物足りなさを感じた。
交渉人によって、事件が大きく変わるとか、そういうこともない。
今回、遠野麻衣子は活躍したのだろうか。
交渉で、起こしてしまった事件も、終らなくてはならいと言う事で犯人を説得するのは、なるほどと思った。
しかし、そんなことが関係ない犯罪者も増えている。
ただ事件を起こしたいだけという。
そんな人物相手では、交渉も出来ないということなのか。
しかし、そんな心神喪失でも、何年後かには社会復帰する。
そして少年法も、確かに納得が出来ないところがある。
加害者は守られ被害者は晒し者にされることも。
プライバシーは、被害者の家族も守られるべきだ。
法律は結構片手落ちな事が多い。

小幡聖次の登場を不思議がるマスコミだが、真相に気が付かない方が不思議。
1番可能性のありそうなことなのに。
しかし、姿よりも名前が公開された方が本人にはダメージがあるのか。
本人の心理は一切分からないのも、物語としては物足りない部分かもしれない。
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