しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「死のオブジェ」 キャロル・オコンネル  

2006年06月07日 | 読書
マロリーシリーズ第3弾。
画廊で殺されたアーティスト、ディーン・スターの胸の上には、「死」と書かれた1枚のカードが置かれていた。
ニューヨーク市警には、12年前に同じオーナーの画廊で起きた、猟奇殺人事件との関連を示唆する手紙が届く。
それは、切り刻まれオブジェとして展示された、アーティスト、ピーター・アリエルと、ダンサー、オーブリーの死体。
当時、捜査を担当したルイ・マーコヴィッツは容疑者、オーレン・ワットの自白を信じてはいなかった。
マロリーはルイが残した、膨大なメモを参考に事件に迫っていく。


事件を通して、マロリーの過去が少しずつ見えて来るのだが、今回は事件の興味の方が深い。
スター殺しより重点が置かれているのは、12年前のアリエルとオーブリーの殺人事件。
この事件も少しずつ詳細が分かってくるが、マロリーが事件を再現して想像するところは、かなり惨い。
犯罪はすべて金が絡んでいると言う、ルイの言葉通りの事件だったのだが、だから余計に悲惨だ。
この事件とマロリーの過去とに共通点があり、そんな悲惨な状況や、自分の身に降りかかった事件が、いつも冷静なマロリーに人間的な面を引き出させた感じがする。

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