「最終法廷」 マイケル・マローン ハヤカワ文庫NV 上・下巻
TIME‘S WITNESS 高儀進・訳
ノース・カロライナ州の小都市ヒルストンに衝撃が走った。
警官を射殺、死刑を宣告された黒人青年ジョージ・ホールの刑執行が、執行前夜、突然、延期されたのだ。
人種偏見が色濃く残る州では、この処置をめぐって右翼団体が不穏な動きを開始。
市の安全をあずかる警察署長のマンガムは、厳戒体制を敷く。
だが、その矢先、死刑囚の弟クープが何者かに射殺された!
<文庫本上巻裏カバーより>
弟クープの殺害事件を調査するマンガム署長は、死体から発見された銃弾が、ある右翼団体メンバーを射殺するのに使用されたのと同じ銃から発射されたことを突き止める。
そのメンバーは、死刑囚ジョージに射殺された警官の義弟だった・・・・・・。
一方、ジョージの裁判は、手続きの不備が判明して再審が決定。
敏腕弁護士ローズソーンが弁護を担当して、激しい法廷論争を繰り広げる。
法廷で明らかにされる事件の意外な真相とは?
<文庫本下巻裏カバーより>
ヒルストン警察署長のカディー・マンガムの一人称で書かれた物語。
街のこと、人間関係のこと、事件のことなでが丁寧に話されて周りの様子が分かっていく。
あまり起伏もなく、これが面白いのかよく分からないまま、頁は過ぎて行く。
登場人物も多く、ゆっくり理解して読んで行かないと迷子になりそうな感じ。
その分、この時代の、この地域の事が分かる。
確かに、死刑が取りやめになって、それが政治的な思惑とどう関わっているかとか、その後に殺人もあり、事件は起こっているのだが、淡々とした進み具合は変わらない。
結局この感じは最後まであまり変わらないのだが。
タイトルから裁判が始まると面白くなるのかと思ったが。
裁判もマンガムが行っていないとその時の事は分からない。
後から誰かに聞いた様子だけ。
群像劇と言った感じがあるかも。
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