しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ある子供」2005ベルギー・フランス

2007年02月16日 | 映画
舞台はベルギーの現代。
ソニアが赤ちゃんを産んで自分のアパートに戻ると、見知らぬ男女が居て1週間借りたという。
ソニアは赤ちゃんの父親のブリュノを捜す。
ブリュノは定職に付かず、引ったくりなどして、その場暮らしをしていた。ソニアに赤ちゃんを見せられても、戸惑うばかり。
そしてブリュノはお金をもらう為、赤ちゃんを養子として売ってしまう。
その事実を知ったソニアは気を失って倒れる。
ソニアの様子を見て、ブリュノは自分のしたことに罪悪感を覚え、赤ちゃんを取り戻そうとする。


タイトルの「ある子ども」とは、ブリュノのことだった。
若いカップルでソニアもまだ子どもだが、やはり女性、子どもを産んで母親としての自覚をしっかり持ったようだった。
しかし、父親のブリュノには全くなかった。
そんなブリュノは悪いことをして生活しているが、根っからの悪ではなく、これが平均的な若者かも知れないと思える。
赤ちゃんを売ってしまった後で、ソニアの激しい怒りにやっと自分のしたことに気が付く。
警察には誘拐されたと言えばいいと言いつつ、ソニアには嘘をつかなかったのは、ソニアも賛成してくれると思ったのか。
どこまでも小心者で、その場限りの行動をしてしまうブリュノを哀れにも思える。
ラストはソニアを通して、少しずつ責任ある大人になり、そして父親らしくなっていくのかとも思えるが、それを手助けしてくれる社会環境があるのだろうか。
ソニアだってまだ若いのだから、一人で全責任は負えないだろう。
そして、人間が変わることの大変さを思うと、前途多難かも。しっかりしなさいよ、と激励したくなる。
しかし、ベルギーだけでなく、これは今全世界であることなのだろう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「ラスト・ヴァンパイア」 ... | トップ | 「黄昏の百合の骨」 恩田陸... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事