しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「逆さの骨」  ジム・ケリー 

2019年03月26日 | 読書
「逆さの骨」  ジム・ケリー   創元推理文庫      
 Moon Tunnel        玉木亨・訳

イーリーの遺跡発掘現場で男の骸骨が発見された。
第二次世界大戦中に捕虜収容所だった場所で、人骨は脱出用トンネルにあったことから脱走兵だとおもわれたが、奇妙な点が見つかる。
その男はトンネルを収容所のなかにむかって這い進んでいたうえ、額を拳銃で打ち抜かれていたのだ。
さらに銀の燭台や高価な装飾品を携えていたことがわかり、謎めいた殺害状況が気になった新聞記者ドライデンは調査を開始する。
だが数日後、同じ現場で新たな死体を発見してしまい―。
過去と現在を繋ぐ謎の連鎖と緻密に張られた伏線が魅せる、英国本格ミステリの精華。
    <文庫本1頁目より>







謎がどうのこうのと言うより、月明かりや夜の静寂が目に見える。
その場所の雰囲気が感じられる物語。
物語の中心にリチャード・ダッドの絵があるからかも知れない。
『月明かりの幻影』と言う絵のタイトルがその雰囲気とピッタリと合う。
登場人物それぞれに過去と現在の物語がある。
読み終わって、最後に“ああ、そんなことがあったのか”としみじみ思うのだが。
読み進めている時は、あまりそれが伝わって来ない。
謎もあっさりと分かる感じ。
面白い話なのだけれど、盛り上がりがあまりないのが不思議。

同じ捕虜でも、イタリア兵とドイツ兵の違いが面白かった。
兵隊も徴収兵と軍人の違いもあるのだろうが。
国民性みたいなものあるようだ。



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