しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「月の夜は暗く」  アンドレアス・グルーバー 

2017年02月28日 | 読書
「月の夜は暗く」  アンドレアス・グルーバー   創元推理文庫   
 TODESFRIST   酒寄進一・訳

ミュンヘン市刑事警察機動捜査課の捜査官のザビーネ・ネーメス。
ある朝、ケルンに住む父親が突然現れ、母親が2日前に誘拐されたと告げる。
犯人は電話で「48時間以内に別れた妻が誘拐された理由をつきとめれば命はとらないが、つきとめられなければ殺す」と。
そして、玄関に小箱がひとつ置かれ、中には黒インクのボトルが入っていたと言う。
そして、48時間の期限が過ぎていた。
母親の遺体は大聖堂のパイプオルガンの下で見つかる。
死因は黒インクによる溺死だった。
容疑は父親に掛かる。
ザビーネは身内の事件を理由に捜査を外されるが、規則を無視して自分なりの捜査を始める。
そして、ミュンヘンに派遣されて来た、ドイツ連邦刑事局事件分析官のマールテン・S・スナイデルと何故か一緒に犯人を追うことになる。

ウィーンでは、心理療法士のヘレン・ベルガーに電話が掛かる。
「人を誘拐した。どこのどいつでなぜか当ててみな。当てたら殺さない。さもなければ殺す。執行猶予は48時間。
あんたは誘拐された人物を知っている」と。
そして、ヘレンの所に届けられた小箱にはルビーの指輪と指が入っていた。









ミュンヘンとウィーンで誘拐事件を捜査する警察官と心理療法士。
犯人らしき男も最初から登場して全体像は見える。
3つの場面が順番に進んで行くが、それぞれテンポが良い。
見立て殺人が行われ、これがかなり残虐。
残虐だが、見立てと言う事で、それをどう表しているのかも興味深い。
ただ、『もじゃもじゃペーター』は、紙芝居で知っているのだが。
紙芝居は髪もぼさぼさ爪も伸びて真っ黒だが、最後は綺麗になると言う話だった。
調べたら、日本でも絵本として出ていた、知らなかった。結構コワイようだ。
最後に訳を載せてあり、助かった。

登場人物もみんなかなり強い個性。
マールテン・S・スナイデルも今までにない面白さで、自分としては好きだ。
複雑な人物だが、優しさがある。
そして、心が隠して置きたいと思っている事。
きっと自己を守る為にそうなっていることもあるのだろう。
何でも明らかにすればいいと言う事はないのだ。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「ラスト・ウィンター・マー... | トップ | 「ミッドナイト・ジャーナル... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事