goo blog サービス終了のお知らせ 

しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「逃れの森の魔女」 ドナ・ジョー・ナポリ

2009年09月10日 | 読書
「逃れの森の魔女」 ドナ・ジョー・ナポリ    青山出版社  
 The Magic Circle     金原瑞人/久慈美貴・訳

腰が曲がり、知り合いのバーラには「醜い女」と呼ばれる産婆は、一人娘のアーザを愛する母親。
産婆の腕は確かで、バーラから病気を癒す魔術師になることを勧められる。
病気は悪魔が取り付いているのもで、その悪魔を追い払えばいい。
女は魔術師としても成功する。
しかし、魔術師になって9年目、悪魔の策略にひっかかり魔女にされてしまう。
悪魔の囁きから逃れる為に、深い森へと逃げ込む。
そこへやって来たのが、道に迷ったヘンゼルとグレーテル。



童話『ヘンゼルとグレーテル』もモチーフにした物語。
お菓子の家の魔女が主人公で、1人称で書かれている。
まだ魔女になる前の1人の母親だった時から、魔女になってから、そしてヘンゼルとグレーテルとの出会い。
その時々の気持ちが細かく書かれていて、かなり感情移入していた。
ラストに向かって、悲しい結末が待っていると思うと、読み進めるが辛かった。
しかし、同じくらい先を知りたかった。
ラストは悲しく、心揺さぶられ涙が出たが、救いのあるものだった。

しかし、何故魔女にならなければいけなかったのか。
何も悪い事をしなかった。
悪魔と係わりと持つ魔術師になったことで、リスクは負ったのだが。
人生にも理不尽なことは多い。そんな表れなのだろうか。
ほんの僅かな隙を付いて、思いもしない悪い事が起こる。それが悪魔という存在。
それでも負けないで、その時に出来る最良のことをして生きていた。
母親として、人間としての強さに感動した。
とても心に響く物語。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 高見沢俊彦 LIVE  渋谷 | トップ | 「サブウェイ123 激突」... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事