しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「タイムカプセル」 折原一 

2007年10月12日 | 読書
10年前、栗橋町立栗橋北中学校3年A組の有志は、卒業の時に校庭にタイムカプセルを埋めた。
その有志は石原綾香、湯浅孝介、三輪美和、富永ユミ、鶴巻賢太郎、佐々倉文雄。
そして、担任の竹田教諭が声を掛け、その時は不登校だった不破勇と大河原修作も参加していた。
フリーのカメラマンとして独立したばかりの石原綾香は、同級生の10年後を写すという企画を考えたちょうどその時、三輪から連絡があり、久し振りに再会する。
その三輪から、タイムカプセルについて不審な手紙が届いたことを聞く。
それは真夜中に「郵便」と微かな声が聞こえ、切手も差出人もない白い封筒で届けられた。
古びた便箋に強い筆圧で、
「あれから10年後の3月10日に集まりましょう」という内容で、
「告!栗橋北中学校・3年A組卒業生の選ばれ死君たち」と続いていた。
綾香には届いていなかったが、誰のいたずらかを確かめるためと言う理由も出来、
綾香はタイムカプセルのメンバーを訪ね始める。
そして、他のメンバーにも同じ手紙が届いていることを知る。



折原さんの物語は叙述に騙されないように、気を付けて読んでいくのだが。
あまりそういうことに気を付ける必要がなかった所に、秘密のある物語だった。
怖さを煽る内容を作りあげているのだが、余り怖くはなかった。
学園物の雰囲気もあるからなのかも知れない。
しかし、タイムカプセルのメンバーはなんだか友情とは係わりのない集まりなのが可笑しい。
普通はがっちりと絆で結ばれた6人、とかになりそうなのに。
そして、最後の「郵便」と言って手紙を置いて行くという謎解きにはつい笑ってしまった。
なんだか、そこまでの習性が可愛いと思える。
今までの折原さんの怖さとはちょっと違う雰囲気がある物語。
そういえば、本の表紙も可愛い。
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