「検事の信義」 柚月裕子 角川文庫
第一話 裁きを望む
検事・佐方貞人は、亡くなった実業家の書斎から高級腕時計を盗んだ罪で起訴された男の裁判を担当していた。
被告人は実業家の非嫡出子で腕時計は形見に貰ったと主張、それを裏付ける証拠も出てきて、佐方は異例の無罪論告をせざるを得なくなってしまう。
なぜ被告人は決定的な証拠について黙っていたのか、佐方が辿り着いた驚愕の真相とは。
<文庫本裏カバーより>
第二話 恨みを刻む
覚せい剤所持で1人の男が逮捕される。室田公彦34歳で、3度目の逮捕だった。
きっかけは、幼馴染のスナック経営者、武宮美貴が、室田が車の中で使用しているのを見かけ、面識があった生活安全課の鴻城刑事に相談した事だった。
その事件の一件記録を見て、佐方は証言に気になる事があると言う。
やがて、それは思いもよらない方向へと動き出す。
第三話 正義を質す
年末の帰省の予定だった佐方はその前に同期の木浦に誘われて宮島に居た。
木浦は広島地検にいた。
婚約と来るはずだったが破断になったので彼女に変わりにと言う理由だった。
しかし、会った木浦は今広島で起きている暴力団の抗争の話が出る。
木浦には別の思惑があるようだった。
第四話 信義を守る
米崎市の西に位置する小山や林が多い大里町。
そこの山林で85歳の道塚須恵が絞殺体で発見される。
そして2時間後、55歳の息子、昌平が5キロ離れた隣町で道をフラフラ歩いているのを発見される。
須恵は認知症で、昌平は仕事を辞めて介護していたが、その疲れから殺した事を自白する。
昌平は何もかも嫌になったと投げやりな言葉を吐き、逃走しようとしたと言う。
佐方は2時間で5キロの所にいた事に疑問を感じ、調査を始める。
しかし、それは事件の案件を送って来た刑事部に逆らう事でもあった。
刑事部が認定した情状や求刑に公判部が異議を唱えるケースはほとんどなかった。
佐方貞人の信念は「まっとうに罪を裁かせる」こと。
その為には検事の汚点となる「問題判決」になったとしても仕方がないと、思える。
それを表すのが今回の物語。
検察庁も警察庁も、出世や金などの人的な問題を抱え、それが扱う事件にも影響する。
人間はどんな職業であっても、自分の欲はなくならないのか。
権力を持つ人こそ、欲深くなるのか。
佐方の周りは、その欲のある人とない人の2つに綺麗に分かれている感じ。
物分かりの良い上司がいて良かったね、と言う感じ。
今回はそんな話が多く、いまひとつな感じ。
「信義を守る」は、介護の関係した殺人が多くなっている現代の問題。
どんな事情があろうと、選択してはいけない結果がある。
今回は本人が病気だからという事があるのだろうか。
これで良いのだろうかと、不安に思う。
1つ1つ丁寧に罪を見て行けば問題は起こらないのかも知れないが、前例となる事でもある。
それを認めることにならないのだろうか。
そう言えば、この物語で佐方は検事5年目となっている。
「最後の証人」で佐方は5年で検事を辞めて弁護士になったと書かれていた。
簡単に書いてあった気がするが、そのきっかけになった事も書かれるのだろうか。
第一話 裁きを望む
検事・佐方貞人は、亡くなった実業家の書斎から高級腕時計を盗んだ罪で起訴された男の裁判を担当していた。
被告人は実業家の非嫡出子で腕時計は形見に貰ったと主張、それを裏付ける証拠も出てきて、佐方は異例の無罪論告をせざるを得なくなってしまう。
なぜ被告人は決定的な証拠について黙っていたのか、佐方が辿り着いた驚愕の真相とは。
<文庫本裏カバーより>
第二話 恨みを刻む
覚せい剤所持で1人の男が逮捕される。室田公彦34歳で、3度目の逮捕だった。
きっかけは、幼馴染のスナック経営者、武宮美貴が、室田が車の中で使用しているのを見かけ、面識があった生活安全課の鴻城刑事に相談した事だった。
その事件の一件記録を見て、佐方は証言に気になる事があると言う。
やがて、それは思いもよらない方向へと動き出す。
第三話 正義を質す
年末の帰省の予定だった佐方はその前に同期の木浦に誘われて宮島に居た。
木浦は広島地検にいた。
婚約と来るはずだったが破断になったので彼女に変わりにと言う理由だった。
しかし、会った木浦は今広島で起きている暴力団の抗争の話が出る。
木浦には別の思惑があるようだった。
第四話 信義を守る
米崎市の西に位置する小山や林が多い大里町。
そこの山林で85歳の道塚須恵が絞殺体で発見される。
そして2時間後、55歳の息子、昌平が5キロ離れた隣町で道をフラフラ歩いているのを発見される。
須恵は認知症で、昌平は仕事を辞めて介護していたが、その疲れから殺した事を自白する。
昌平は何もかも嫌になったと投げやりな言葉を吐き、逃走しようとしたと言う。
佐方は2時間で5キロの所にいた事に疑問を感じ、調査を始める。
しかし、それは事件の案件を送って来た刑事部に逆らう事でもあった。
刑事部が認定した情状や求刑に公判部が異議を唱えるケースはほとんどなかった。
佐方貞人の信念は「まっとうに罪を裁かせる」こと。
その為には検事の汚点となる「問題判決」になったとしても仕方がないと、思える。
それを表すのが今回の物語。
検察庁も警察庁も、出世や金などの人的な問題を抱え、それが扱う事件にも影響する。
人間はどんな職業であっても、自分の欲はなくならないのか。
権力を持つ人こそ、欲深くなるのか。
佐方の周りは、その欲のある人とない人の2つに綺麗に分かれている感じ。
物分かりの良い上司がいて良かったね、と言う感じ。
今回はそんな話が多く、いまひとつな感じ。
「信義を守る」は、介護の関係した殺人が多くなっている現代の問題。
どんな事情があろうと、選択してはいけない結果がある。
今回は本人が病気だからという事があるのだろうか。
これで良いのだろうかと、不安に思う。
1つ1つ丁寧に罪を見て行けば問題は起こらないのかも知れないが、前例となる事でもある。
それを認めることにならないのだろうか。
そう言えば、この物語で佐方は検事5年目となっている。
「最後の証人」で佐方は5年で検事を辞めて弁護士になったと書かれていた。
簡単に書いてあった気がするが、そのきっかけになった事も書かれるのだろうか。
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