「官僚謀殺シリーズ 知能犯の時空トリック」 紫金陳 行舟文化
阿井幸作・訳
計画停電の夜、県検察院のトップが殺害された。
唯一の目撃証言が指し示した容疑者は、地域の人々から愛されるベテラン警官・葉援朝。
葉には娘を有力政治家の息子に殺されながら、示談に甘んじ隠蔽に協力させられた過去があっり、被害者も事件の関係者だった。
数日後、今度は人民法院の裁判長が、死亡する。
事故死と思われたが、捜査責任者の高棟は力学の知識に長けた人物による計画犯罪を疑う。
葉援朝には、彼を慕う物理教師の甥がいた――
<単行本裏カバーより>
「官僚謀殺シリーズ」と言う通り、前作と同じパターン。
犯人が違うが、捜査主任は高棟。
細かい事に気が付き推理も鋭いが、事件解決よりも、出世を気にして先を考える。
今回も良く考えられた策略で、前回よりももっと精度が上がっている気がする。
前回の犯人は幼馴染という知り合いだったので心理戦でもあったが、今回は知能戦という所か。
必ずミスを犯すと確信して丁寧に見て推理して行く高棟は、顧遠にも手強い相手。
何か見つけるたびに、こちらまでドキドキする。
気持ち的にはすっかり顧遠側だから。
しかし、顧遠がなぜそこまでと思わない訳でもなかったが。
動機が薄い気がしたが、それほどの思いだったのだろう。
ただそれで悲しい結果になってしまったのが残念だが。
しかし、またしても悪い官僚ばかりが登場するのが何だか情けない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます