しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「凍りつく骨」 メアリ・W・ウォーカー 

2007年12月31日 | 読書
テキサス州オースチンから少し離れた牧場で、キャサリン・ドリスコルは犬の訓練士として生計を立てていた。
しかし今は負債がかさみ、キャサリンの財産は競売にかけられようとしていた。
そんな時、母と離婚して31年会っていなかった父親のレスター・レンフロから手紙が届く。
それは、キャサリンの窮地を知り経済援助の申し出と、見返りにはキャサリンにしか出来ないことをして欲しいということだった。
キャサリンはレスターに会う為に、レスターが飼育係りとして勤めるオースチンの動物園に向う。
しかし、キャサリンが着いた時にはレスターは自分が世話をしていた虎に襲われ命を落としていた。
警察はこれを事故ではなく殺人と判断する。
キャサリンは父親の死の真相を探る為に動物園で働くことにする。
与えられた仕事はヘビの飼育だったが、キャサリンはヘビに対して潜在的な恐怖を覚えていることを自覚する。
そしてこれが、父親の死と関連しているのではないかと考え始める。



何も知らなかったキャサリンが父親からの手紙がきっかけで、両親のことや母親の親戚のことなど知っていく。
ゼロから始まるが謎があっと言う間に広がり、過去の興味や動物園の中に殺人犯がいるのではと言う疑心暗鬼な状態。
盛りだくさんになるが、それが尻つぼみに終わる事なく最後まで緊迫感を持って、まとまっていく。
なかなか面白かった。
ただ、ちょっと登場人物が大好きになるという感じではない。
どうしてだろう、ちょっと計算高い感じがするからかな。
なので、面白いけれど、入り込みがいまひとつな感じもある。
ヘビは見ている分にはそんなに嫌いではないので、嫌悪感はなかった。
でも毒蛇は怖いけれど。

メアリ・W・ウォーカーのデビュー作。
原題の「ZERO AT THE BONE」は「骨の髄まで凍りつく」という意味で、「理性ではどうしても克服できない本能的な恐怖を象徴している」そうだ。

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