今回は韓国全羅北道高敞郡の中心、高敞の町の話です。高敞郡は全羅北道西海岸沿いの最南部に位置し、支石墓群(世界遺産)や、禅雲寺という古刹、城跡の高敞邑城といった観光地があります。そのうち高敞邑城は高敞のバスターミナルから近く徒歩で行ける距離にあるので「乗りバス」のついでに見物してきました。(「乗りバス」の話はこちらをご覧下さい。)
まず町はもとより高敞郡の玄関口になる高敞共用ターミナルの様子です。町を東西に流れる高敞川の北岸にこれまた東西に走る中央路があり、ターミナルはこの中央路に面しています。ここは高速バス・市外バスのほか市内バスもターミナル内発着なのでわかりやすく乗りやすい部類のターミナルです。支石墓博物館や禅雲寺に行くバスも含め市内バスの乗り場はターミナルの建物の一番端にあり時刻も掲示されていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/0f/154db024b787e806319abfe4910d3f4c.jpg)
ターミナル内の待合所にはベンチではなく縁台を大きくしたような「平床」だけが並んでいます。腰掛けるのはもちろん上がってくつろいだり、それこそ寝っころがったりもできる優雅なシロモノです。韓国も日本と同様に「腰掛ける」より「座る」ことが主体の文化なのでこういうものがあるわけですが、さすがにバスターミナルだとこう平床ばかりという風景はあまり見られません。ひょっとして今も「座り」たい人が多い地域のかな、と思うとちょっと面白く感じました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/89/2fb9f32faf5725b01bb55eff9ecb8dde.jpg)
真実-秩序-和合、父上母上に孝道をなし年長を恭敬しよう、まっすぐ生きよう運動高敞郡協議会、というスローガンが書いてあります。そういえば昔日本でも「一日一善!」とか「お父さんお母さんを大切にしよう!」と叫んでいたコマーシャルがあったことを思い出しました。こういうのってちょっといかがわしい空気も感じてしまいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/97/205e4e0661f1eadd9a3572c9642ddbf5.jpg)
ところで韓国のバスターミナルといえばたいがい周辺に旅館・モーテルがあるものです。高敞では泊まる必要があるのでターミナル周辺をあたってみたところ林立状態ではなく数軒パラパラとであまり新しいところはなく、4軒ほど入ってみたところ価格は23000~40000w(中心は30000w)、どこも可もなく不可もなくで決め手を欠く感じでした。
ではバスターミナルから高敞邑城に向かいます。ターミナルから南に進むとぶつかる高敞川に沿って東に向かうと、川の南岸にちょっと変わった古そうな建物「朝陽館(朝陽食堂とも)」が目に付きました。植民地時代に作られた日本式建築の旅館を改装したのだそうで、韓国の近代文化遺産に指定されているとあります。
気になったので入って聞いてみたところ、ここは韓定食の店で料理の注文はテーブル単位になってしまい1人で食事をするのは厳しいとのことでした。(1テーブル60000wからとのこと)なので食べられず味はわかりませんが何人かで高敞を訪問されるという場合なら寄ってみるのも悪くなさそうです。ちなみにこの店とは関係のない話ですが高敞郡の名物というとウナギだそうです。ただ焼肉のように目の前で焼きながら食べるそうなのでこれも1人では食べづらいかもしれません。
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朝陽館から高敞邑城の入口まではすぐです。高敞邑城の入口周辺には展示系の施設がかたまっていて、まず美術館が見えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/82/f5507ee6205fff1dae2929e0b0169113.jpg)
次にパンソリ博物館がありました。パンソリは日本音楽で例えるなら「語り物」に相当するような伝統音楽で、太鼓で拍子をとりながら節をつけてストーリーを語りこんでいくものです。博物館の扇子が看板なのは語り手が扇子を持って語るからなのでしょう。
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パンソリ博物館の隣には申在孝という李朝末期にパンソリを体系化した人物の家があります。
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パンソリ博物館のすぐ先が高敞邑城です。料金所があり「高敞郡民は無料(身分証持参のこと)」と書いてあるので当然私は入場料を払うべきところなのでしょうが、夕方だからか料金所に誰もいないので払いようがなくそのまま入ってしまいました。近所の人たちは普通の公園と同じように利用している感じで、身分証をいちいち持ってきている雰囲気もしませんでしたから入場料は厳密ではなくタテマエになっているのかも知れません。その辺りは真っ昼間とか週末や休日を見ていないのでわかりませんけれども。
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高敞邑城はソウル南郊の水原にある有名な水原華城ようにぐるり一周する城壁で、北門(拱北楼)が入口になっています。
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曲がったまま使われている堂々たる木にこれまた堂々たる彩色がほどこされているので韓国らしさを感じました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/b2/cfa9f80d36684e2ea52b38a6d74f0ce6.jpg)
高敞邑城の中にはかつて役所の建物がいくつも建っていたそうですが、今は復元された建物がいくつかあるのみです。北門から入ってすぐのところにあるのがそのうちのひとつ「獄」です。
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城壁の上は歩いて一周することができます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/13/f8bf4a4ab09cd14724164bc0650cdfce.jpg)
なんでも女性は頭に手のひら大の石を載せて1周すると足の病気が治り、2周すると無病息災長寿、3周すると極楽往生できるという言い伝えがあるそうです、と聞くと3周した瞬間にポックリ逝ってしまいそうな気もしてしまいますが、おそらくあくまでも1周・2周の結果があった上で「最終的に」という意味なのでしょう。
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ひょっとすると男性だと大していいこともないのかも知れませんがとりあえず1周しました。城壁から降りてウロウロしていると「斥和碑」という碑が見えます。なんでも李朝末期の大院君が西洋列強が侵略しにきた時代に「西洋人が来たとき戦わずに和睦したらそれは国を売るようなものだ。」という攘夷思想を宣言したものだそうです。
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暗くなってきたので高敞邑城を出てちょっと周りをウロウロしたところ落ち着いた家々が並んでいました。
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自家用とおぼしき庭の菜園が見えうらやましくなります。
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高敞川の南岸には市場があります。工事中の様子で夜となるとどこも閉まっているのであまり足を運んだ意味はありませんでしたけれども。市場から北に川を渡るとバスターミナルです。
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という具合に夕方からのあわただしい見物になりましたが楽しく散歩できました。全般に早仕舞いのようだったので訪問したら早寝早起きが吉と思われます。
まず町はもとより高敞郡の玄関口になる高敞共用ターミナルの様子です。町を東西に流れる高敞川の北岸にこれまた東西に走る中央路があり、ターミナルはこの中央路に面しています。ここは高速バス・市外バスのほか市内バスもターミナル内発着なのでわかりやすく乗りやすい部類のターミナルです。支石墓博物館や禅雲寺に行くバスも含め市内バスの乗り場はターミナルの建物の一番端にあり時刻も掲示されていました。
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ターミナル内の待合所にはベンチではなく縁台を大きくしたような「平床」だけが並んでいます。腰掛けるのはもちろん上がってくつろいだり、それこそ寝っころがったりもできる優雅なシロモノです。韓国も日本と同様に「腰掛ける」より「座る」ことが主体の文化なのでこういうものがあるわけですが、さすがにバスターミナルだとこう平床ばかりという風景はあまり見られません。ひょっとして今も「座り」たい人が多い地域のかな、と思うとちょっと面白く感じました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/89/2fb9f32faf5725b01bb55eff9ecb8dde.jpg)
真実-秩序-和合、父上母上に孝道をなし年長を恭敬しよう、まっすぐ生きよう運動高敞郡協議会、というスローガンが書いてあります。そういえば昔日本でも「一日一善!」とか「お父さんお母さんを大切にしよう!」と叫んでいたコマーシャルがあったことを思い出しました。こういうのってちょっといかがわしい空気も感じてしまいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/97/205e4e0661f1eadd9a3572c9642ddbf5.jpg)
ところで韓国のバスターミナルといえばたいがい周辺に旅館・モーテルがあるものです。高敞では泊まる必要があるのでターミナル周辺をあたってみたところ林立状態ではなく数軒パラパラとであまり新しいところはなく、4軒ほど入ってみたところ価格は23000~40000w(中心は30000w)、どこも可もなく不可もなくで決め手を欠く感じでした。
ではバスターミナルから高敞邑城に向かいます。ターミナルから南に進むとぶつかる高敞川に沿って東に向かうと、川の南岸にちょっと変わった古そうな建物「朝陽館(朝陽食堂とも)」が目に付きました。植民地時代に作られた日本式建築の旅館を改装したのだそうで、韓国の近代文化遺産に指定されているとあります。
気になったので入って聞いてみたところ、ここは韓定食の店で料理の注文はテーブル単位になってしまい1人で食事をするのは厳しいとのことでした。(1テーブル60000wからとのこと)なので食べられず味はわかりませんが何人かで高敞を訪問されるという場合なら寄ってみるのも悪くなさそうです。ちなみにこの店とは関係のない話ですが高敞郡の名物というとウナギだそうです。ただ焼肉のように目の前で焼きながら食べるそうなのでこれも1人では食べづらいかもしれません。
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朝陽館から高敞邑城の入口まではすぐです。高敞邑城の入口周辺には展示系の施設がかたまっていて、まず美術館が見えます。
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次にパンソリ博物館がありました。パンソリは日本音楽で例えるなら「語り物」に相当するような伝統音楽で、太鼓で拍子をとりながら節をつけてストーリーを語りこんでいくものです。博物館の扇子が看板なのは語り手が扇子を持って語るからなのでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/e3/3912433832340cc2dcec506e27434ac1.jpg)
パンソリ博物館の隣には申在孝という李朝末期にパンソリを体系化した人物の家があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/22/e500ee2cf7a9563f9c912642e217c4f5.jpg)
パンソリ博物館のすぐ先が高敞邑城です。料金所があり「高敞郡民は無料(身分証持参のこと)」と書いてあるので当然私は入場料を払うべきところなのでしょうが、夕方だからか料金所に誰もいないので払いようがなくそのまま入ってしまいました。近所の人たちは普通の公園と同じように利用している感じで、身分証をいちいち持ってきている雰囲気もしませんでしたから入場料は厳密ではなくタテマエになっているのかも知れません。その辺りは真っ昼間とか週末や休日を見ていないのでわかりませんけれども。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/58/8cde04abb6b369c71a72f863c7648412.jpg)
高敞邑城はソウル南郊の水原にある有名な水原華城ようにぐるり一周する城壁で、北門(拱北楼)が入口になっています。
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曲がったまま使われている堂々たる木にこれまた堂々たる彩色がほどこされているので韓国らしさを感じました。
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高敞邑城の中にはかつて役所の建物がいくつも建っていたそうですが、今は復元された建物がいくつかあるのみです。北門から入ってすぐのところにあるのがそのうちのひとつ「獄」です。
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城壁の上は歩いて一周することができます。
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なんでも女性は頭に手のひら大の石を載せて1周すると足の病気が治り、2周すると無病息災長寿、3周すると極楽往生できるという言い伝えがあるそうです、と聞くと3周した瞬間にポックリ逝ってしまいそうな気もしてしまいますが、おそらくあくまでも1周・2周の結果があった上で「最終的に」という意味なのでしょう。
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ひょっとすると男性だと大していいこともないのかも知れませんがとりあえず1周しました。城壁から降りてウロウロしていると「斥和碑」という碑が見えます。なんでも李朝末期の大院君が西洋列強が侵略しにきた時代に「西洋人が来たとき戦わずに和睦したらそれは国を売るようなものだ。」という攘夷思想を宣言したものだそうです。
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暗くなってきたので高敞邑城を出てちょっと周りをウロウロしたところ落ち着いた家々が並んでいました。
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自家用とおぼしき庭の菜園が見えうらやましくなります。
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高敞川の南岸には市場があります。工事中の様子で夜となるとどこも閉まっているのであまり足を運んだ意味はありませんでしたけれども。市場から北に川を渡るとバスターミナルです。
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という具合に夕方からのあわただしい見物になりましたが楽しく散歩できました。全般に早仕舞いのようだったので訪問したら早寝早起きが吉と思われます。