乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

韓国~九州乗り継ぎ(1)釜山→対馬

2013-10-19 | 釜山→対馬→壱岐
 日本で外国に一番近いところはどこか、と考え出すと領土問題の解釈まで絡みなかなか厄介ですが、ごく単純に定期の国際航路で行き来できる一番近いところとなると対馬の比田勝です。釜山まで高速船でたった1時間10分(距離は76km)しかかかりません。
 それほど外国に近いところがあるということに魅力を感じ一度はこの航路に乗ろうと考えていたものの、東京から行く場合は対馬より釜山の方が行きやすいくらいで「外国に一番近い」ではなく「外国より遠い」ということになりやや面倒です。またどうせ釜山から対馬に行くなら単純往復ではなく韓国、対馬、壱岐と島伝いに九州まで乗り継いでみたいと思ったのですが成田→釜山の片道航空券は割高でなかなか腰が上がりませんでした。
 その重い腰が上がったきっかけはLCC「エアアジア・ジャパン」の動きで、成田→釜山の片道航空券がキャンペーン運賃だと手数料等を足してもたったの4640円、ただし10月には撤退、ということを知りあわてて行ってみることにした次第です。


 前置きはここまでにしてエアアジアの片道切符で着いた釜山から話を始めます。今回釜山港への足は釜山駅前(東横イン前)から出ているシャトルバスを使いました。専用車両が使われ一般の市内バスとやや雰囲気が違うもののちゃんと交通カードが使えカード利用割引もあります。(運賃:大人1000w・カード利用時910w)


 定刻になっても発車しないのでおかしいと思ったら運転士さんが「列車が遅れてるそうだからちょっと待っててね。」とバスを降り駅の出口の方を見ながら気を揉んでいました。きちんと列車の接続をとるとは予想していなかったのでちょっとびっくりです。やがて遅れた列車が到着しバタバタと走り出てきた2人の乗客がタクシーに向かおうとするのを運転士さんが「旅客船ターミナルに行くなら乗って」と呼び止めて乗せたら発車しました。釜山駅周辺は一方通行の裏道を通っていくのでなかなか悪くない雰囲気です。


 走り出すと釜山駅からわずか5、6分で釜山港国際旅客ターミナルに到着しました。


 まずは比田勝までの切符を買います。サーチャージとターミナル利用料を足して85200w(ざっくり8500円くらい)、成田から釜山まで4640円だったことを思い出すとずいぶん高く感じました。


 荷物検査に出国審査は同じようにあるもののやはり船は飛行機より気楽です。


 乗った便はJR九州のビートルなので船内に入ると一応もう日本という感じですが乗客は見たところみんな韓国人のようでした。となれば船員さんはずっと韓国語で対応することになりますが船内で流されているテレビはNHKなのでなんだか妙な感じがしてきます。


 そんなわけで日本行きではなく韓国国内のどこかに向かう船に乗ったような気分で釜山を出航しました。


 所要1時間10分ですから気がつけば「日本」が見えてきます。これまで乗ったことのある高速船を考えると久里浜~伊豆大島間の所要1時間と大差ないわけで本当に近いんだなあといまさらながら納得しました。こういう感覚は机上で地図や数字を見て想像はできても腑には落ちにくくやはり乗ってみないとピンときません。


 空席が目立っていたことから乗客はそう多くなかったはずですが、比田勝港に到着するとイミグレーションが小さいので結構な行列になります。並んでいたのは荷物が少なく行動的な服装の団体旅行参加者ばかりでした。さながら釜山近郊の登山口のハイカーという感じです。


 行列それもイミグレーション待ちというと退屈な雰囲気になりがちですが、ほとんどが行楽客つまり行楽気分のうえ船員さんが記念撮影用の「ツシマヤマネコになれるボード(?)」を持ってきて大ウケをとり撮影会が始まりと大変楽しい雰囲気の待ち時間でした。

 列が進みイミグレーションの建物に入ると整理の係員の方が日本人優先レーンに先に通してくれます。ただ小さいところなので優先レーンとは言え優先される該当者がいなければ共用されている形です。となると何人か追い抜いて横入りということになりちょっと悪いような気もしてきます。それでも船を降り比田勝の地面に立ってからイミグレーションを通過して「帰国」するまでは30分くらいかかり、乗船時間が短かったせいか随分長く感じました。

(つづきはこちらです。)

(韓国~九州乗り継ぎ話一覧)
■(1)釜山→対馬(比田勝)(このページ)
■(2)比田勝
■(3)韓国展望台
■(4)日本の離島最長路線バス(比田勝→厳原)
■(5)対馬(厳原)→壱岐(郷ノ浦)
■(6)郷ノ浦~勝本
■(7)フェリーみしま
■(8)壱岐(郷ノ浦)→唐津
■(番外)福岡・釜山・対馬の麺もの