乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

大井川鉄道でたそがれ飲み鉄

2014-06-23 | 静岡県
(前回の続きです。)
 新金谷入口バス停から新金谷駅に向かう途中でおでん屋さん「かんとんや」に寄りました。暑い日にくつくつと煮えているおでんを見ているとなんだか台湾で関東煮を見るような気分になりつつ何本か包んでもらいます。


 新金谷駅舎の前に着き左を見るときかんしゃトーマスの看板が出ていました。郷愁に訴える「SL急行」とは違った方向にちょっと面喰らいます。またそもそも連日「ホンモノの」蒸機列車が運行されていること自体凄すぎることなので敢えて海外のお話を持ち出すこともないような気が最初しましたが、考えてみれば私も含め「蒸気機関車は保存された過去」でしかない世代は蒸気機関車に対する郷愁というものがありませんから、蒸機という存在をわかりやすく伝える素材との連携は今後どんどん重要になるはずでイイ作戦だと思いなおしました。
 右を見ると海抜68.1m・浜岡原発から22.0㎞とあり、ここで見るとそういえば原発も蒸気焚いてるんだなあとしみじみ思ったりです。尤も津波に備え海抜を把握するのはいいとして原発事故の時は風次第で長距離でも放射性物質が飛び報道や救援もあまり期待できそうにないのでさてどっちへどうやって逃げればいいのやらですけれども。とは言えまずは危険の存在と発生源の距離を示さないと始まらないので大事な表示ではあります。


 さて大井川鉄道に乗るにあたり「たそがれ終電きっぷ」を使うことにしました。これは2000円で15時以降終電まで乗り放題というものです。遊園地なんかにもこういう趣向の切符があることを考えると観光鉄道の面が強い大井川鉄道らしい切符という気がします。してみると乗り鉄って遊園地に行って乗り物に乗って喜ぶのと同じような趣味ですね。金谷~千頭の片道運賃は1810円なので金額だけ見るとかなりおトクですが、有効時間に乗れる列車は3往復+1便(最後の金谷発は千頭に着いたら戻れません。)だけで名物の蒸機列車にも乗れず、とかなり厳しい条件です。しかし早起きがキライだけど新幹線に乗らず遅く到着するケチでものぐさそして蒸機より電車好きという乗り鉄にはピッタリということになり今回初めて買ってみました。
 というわけでスタフや客車が見られるホームに入ります。


 当たったのは元南海ズームカーです。これに乗りたかったのでホッとしました。柔らかいフォルムに片開き扉、ずらりと並ぶ転換クロスに読書灯、イイ電車だなあと思いつつ買っておいたおでんとお酒を出します。


 日が長い時期の午後3時台は明るい車窓でまだ「たそがれ終電」という気分ではありません。大井川沿いを上がっていくと徐々に景色がよくなってきました。


 蒸機も補機の電機も頑張っているようでなによりです。


 というわけであまりたそがれてないけどだいぶ気持ちよくなって終点の千頭に着きました。「トーマス」の「Hiro」化した蒸気機関車が迎えてくれます。


 まだ明るいとはいえ午後4時台の千頭駅前は閑散としていて特に何をするでもない感じというのか、蒸機列車も井川に上がる列車も終わっていてあとは寸又峡温泉に行くバスがある程度です。とりあえずお茶ソフトクリームを食べてまた駅に戻りました。


 「飲み鉄」の後はかぶりついて乗り鉄です。左手のマスコン逆回しと右手の両方でブレーキ操作する様子を楽しみます。阪急の古めの車両と同様にメーター周りも木目に揃えてあるのはシャレてますね。


 乗り放題の切符で行ったり来たりしているとどこかで降りたくなるものです。今回は神尾で下車しました。ここは不便な位置にあり利用客が少ないことが逆に物好きを集めている駅で、駅ノートなんてのも置いてあります。インターネットの時代にもこういうものが生き残るんだなあと感心しました。またタヌキの置物がたくさんありそれが名物ということになっています。タヌキと言えば酒ですから一度お供えしてから車内に持ち込み、こんどはたそがれを通り越してしっかり暗くなった車窓を見ながら晩酌しつつ金谷に向かいました。


 元近鉄特急はテーブルがあって飲み食いがしやすくこの点助かります。


 金谷に着いたのは8時前です。まだ新幹線に乗らなくても東京に帰れるのでケチって東海道線の鈍行にしたところ延々ロングシートでも飲んだ後なので「睡眠ワープ」でき意外にラクでした。ということはお酒は特急券みたいなものかもしれません。
コメント (2)
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