熊本の「青ガエル」にお名残乗車するついでに軽く九州南部を回りたいと思い何かよさげな切符がないかと考えていて「肥薩線一周ぐるりんきっぷ」が目につきました。八代から隼人までの肥薩線は乗り放題、隼人~鹿児島中央~新八代~八代は片道1回のみ乗車可で新幹線・在来線特急の指定席が利用可能という2日間有効のなかなか面白いものです。
これを使うことにしてまず八代駅から特急「くまがわ」に乗りました。「九州横断特急」なる観光列車用のキハ185系が特急ながらたった2両編成でワンマンというやや頼りない感じの列車です。もっとも乗ってみるとアテンダントの方が案内や車内販売を行ったり記念撮影用の大きなマークを持って回ったりとかなり至れり尽くせり感があって驚かされたのですが。ちなみにこの列車は今年3月のダイヤ改正で消えてしまうので初めて乗るのにお名残乗車になってしまいました。
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「くまがわ」を降りたのは球磨川の谷間にある一勝地です。ここで駅名の字面から特別なデザインの入場券が合格祈願の縁起キップとして売られているのはなるほどというところですが、学生服いわゆる学ランの貸し出しを行っているのはちょっとびっくりしました。てっきり記念撮影用かと思ったら着て付近を散策してもいいとあったので「元」生徒・学生が懐かしい気分を楽しめば良いのでしょう。
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一勝地駅の近くには古風な構えの渕田酒造本店という美味しい球磨焼酎の酒造所があり、その先で芋川という球磨川の支流沿いを上がって行くと「かわせみ」という温泉施設や鬼ノ口棚田とほどよく見どころが続き隣駅には球泉洞も控えているので時間があればそれこそ学ランを借りてゆっくり過ごしたいところです。残念ながら今回は余裕がなく駆け足でざっと見て回っただけで時間切れになってしまいました。
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一勝地駅に戻り今度は「九州横断特急」に乗ります。車両は既に乗った「くまがわ」と同じキハ185系ですが一応この列車に使うのが本来のはずですからこれでちゃんと乗ったというのかさっぱりした感じがしました。と言っても一勝地から終点の人吉までたった14分乗っただけなのですが。
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人吉では駅弁の立売があり駅前に出ると「汽車弁当」という古風な表現が大きく掲げられているのでうれしくなりました。ここからは吉松までの観光列車「いさぶろう」に乗るので観光列車のハシゴということになります。ワンマンながらアテンダントの方も、とこの点は「くまがわ」や「九州横断特急」と同様ですがこちらは普通列車で車両は普通用のキハ40の改造車です。
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人吉の立売に「鮎すし」と「栗めし」がありちょっと迷ったのですが一勝地で買った焼酎をぶら下げていたのでこれに合うのはやはり、と選んだ鮎すしを車内で開けます。
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食べ始めるとすぐにループ線の中にスイッチバックがある大畑に着いてしまいます。停車時間を長めに設けたり眺望の良い場所で停車したりと細かなサービスがあるのが観光列車らしいところで、ループを上がって大畑が見えるところで停車するのは線形がわかりありがたいものです。
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次の矢岳でも停車時間がとられD51が置いてある「人吉市SL展示館」を見物でき、発車すると今度は「日本三大車窓」のひとつというところで停車となると食べたり飲んだり降りたり眺めたりと大忙しになります。
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熊本県から宮崎県に入った次の真幸にもスイッチバックがありしばらく停車時間がとられました。ホームには山津波で流れて来たという大きな石が災害を記念するために置かれています。
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鹿児島県に入ると終点の吉松です。ホームに駅弁の売店があったのでうれしくなり鮎すしを食べたばかりなのについ覗いて1つ買ってしまったのは私の負けと言わざるを得ません。ここで乗り継ぐのは特急「はやとの風」という観光列車で編成は「指宿のたまて箱」用車両もくっついた2両でした。特急と言っても「いさぶろう」同様に普通用のキハ40系を改造した車両なので並んだ両者の同じような顔を見るとやや納得がいかない感じもしますが考えてみれば窓が開けられるのですから実はこの方がありがたかったりもします。
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駅前に出ると保存されているC55のほかに「湧水プリン」「名水コーヒー」の看板が見えこれにも負けてしまい弁当とあわせて両手が食べ物飲み物だらけになってしまいました。
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動き出した「はやとの風」で名前らしきものは「御弁当」というごく明快な定価650円の駅弁を開けるとご飯ずっしりおかずたっぷりの実に安心できる姿があらわれます。もともと「鮎すし」のあとでさらにプリンにコーヒーもとなると当然のことながらかなりの満腹になってしまいました。
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この列車も観光列車らしく肥薩線開業以来の古い駅舎が残る大隅横川と嘉例川でやや長めに停車時間をとります。駅舎はもちろん大隅横川駅前ではC57の動輪、嘉例川駅舎ではネコ、と脈絡のない見物をしました。
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隼人で日豊本線に入ると錦江湾と桜島が見えるようになりいよいよ鹿児島らしくなってきます。今回は西鹿児島→鹿児島中央駅に鹿児島の代表駅をとられてしまったカタチながら今も日豊本線と鹿児島本線の境界のままの鹿児島駅に敬意を表し降りて「はやとの風」を見送ることにしました。先頭に立つ「指宿のたまて箱」用車両の塗色が白黒なのに対し後ろの「はやとの風」用車両は真っ黒なので改めて見るとなんだかカササギとカラスが並んでいるようです。
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という具合にくまがわ・九州横断特急・いさぶろう・はやとの風と4つの観光列車を乗り継ぎ肥薩線経由で八代から鹿児島へ抜け昔の鹿児島へのルートは大変だったんだなあなどと感心したのですが、考えてみれば今は鹿児島本線が肥薩おれんじ鉄道で分断されているので例えば「青春18きっぷ」を使うときのようにJRの在来線だけで抜けようとするとまた肥薩線経由になるのかと気づき妙な気分になりました。因果は巡るというと大げさですが面白いものですね。
これを使うことにしてまず八代駅から特急「くまがわ」に乗りました。「九州横断特急」なる観光列車用のキハ185系が特急ながらたった2両編成でワンマンというやや頼りない感じの列車です。もっとも乗ってみるとアテンダントの方が案内や車内販売を行ったり記念撮影用の大きなマークを持って回ったりとかなり至れり尽くせり感があって驚かされたのですが。ちなみにこの列車は今年3月のダイヤ改正で消えてしまうので初めて乗るのにお名残乗車になってしまいました。
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「くまがわ」を降りたのは球磨川の谷間にある一勝地です。ここで駅名の字面から特別なデザインの入場券が合格祈願の縁起キップとして売られているのはなるほどというところですが、学生服いわゆる学ランの貸し出しを行っているのはちょっとびっくりしました。てっきり記念撮影用かと思ったら着て付近を散策してもいいとあったので「元」生徒・学生が懐かしい気分を楽しめば良いのでしょう。
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一勝地駅の近くには古風な構えの渕田酒造本店という美味しい球磨焼酎の酒造所があり、その先で芋川という球磨川の支流沿いを上がって行くと「かわせみ」という温泉施設や鬼ノ口棚田とほどよく見どころが続き隣駅には球泉洞も控えているので時間があればそれこそ学ランを借りてゆっくり過ごしたいところです。残念ながら今回は余裕がなく駆け足でざっと見て回っただけで時間切れになってしまいました。
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一勝地駅に戻り今度は「九州横断特急」に乗ります。車両は既に乗った「くまがわ」と同じキハ185系ですが一応この列車に使うのが本来のはずですからこれでちゃんと乗ったというのかさっぱりした感じがしました。と言っても一勝地から終点の人吉までたった14分乗っただけなのですが。
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人吉では駅弁の立売があり駅前に出ると「汽車弁当」という古風な表現が大きく掲げられているのでうれしくなりました。ここからは吉松までの観光列車「いさぶろう」に乗るので観光列車のハシゴということになります。ワンマンながらアテンダントの方も、とこの点は「くまがわ」や「九州横断特急」と同様ですがこちらは普通列車で車両は普通用のキハ40の改造車です。
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人吉の立売に「鮎すし」と「栗めし」がありちょっと迷ったのですが一勝地で買った焼酎をぶら下げていたのでこれに合うのはやはり、と選んだ鮎すしを車内で開けます。
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食べ始めるとすぐにループ線の中にスイッチバックがある大畑に着いてしまいます。停車時間を長めに設けたり眺望の良い場所で停車したりと細かなサービスがあるのが観光列車らしいところで、ループを上がって大畑が見えるところで停車するのは線形がわかりありがたいものです。
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次の矢岳でも停車時間がとられD51が置いてある「人吉市SL展示館」を見物でき、発車すると今度は「日本三大車窓」のひとつというところで停車となると食べたり飲んだり降りたり眺めたりと大忙しになります。
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熊本県から宮崎県に入った次の真幸にもスイッチバックがありしばらく停車時間がとられました。ホームには山津波で流れて来たという大きな石が災害を記念するために置かれています。
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鹿児島県に入ると終点の吉松です。ホームに駅弁の売店があったのでうれしくなり鮎すしを食べたばかりなのについ覗いて1つ買ってしまったのは私の負けと言わざるを得ません。ここで乗り継ぐのは特急「はやとの風」という観光列車で編成は「指宿のたまて箱」用車両もくっついた2両でした。特急と言っても「いさぶろう」同様に普通用のキハ40系を改造した車両なので並んだ両者の同じような顔を見るとやや納得がいかない感じもしますが考えてみれば窓が開けられるのですから実はこの方がありがたかったりもします。
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動き出した「はやとの風」で名前らしきものは「御弁当」というごく明快な定価650円の駅弁を開けるとご飯ずっしりおかずたっぷりの実に安心できる姿があらわれます。もともと「鮎すし」のあとでさらにプリンにコーヒーもとなると当然のことながらかなりの満腹になってしまいました。
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この列車も観光列車らしく肥薩線開業以来の古い駅舎が残る大隅横川と嘉例川でやや長めに停車時間をとります。駅舎はもちろん大隅横川駅前ではC57の動輪、嘉例川駅舎ではネコ、と脈絡のない見物をしました。
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隼人で日豊本線に入ると錦江湾と桜島が見えるようになりいよいよ鹿児島らしくなってきます。今回は西鹿児島→鹿児島中央駅に鹿児島の代表駅をとられてしまったカタチながら今も日豊本線と鹿児島本線の境界のままの鹿児島駅に敬意を表し降りて「はやとの風」を見送ることにしました。先頭に立つ「指宿のたまて箱」用車両の塗色が白黒なのに対し後ろの「はやとの風」用車両は真っ黒なので改めて見るとなんだかカササギとカラスが並んでいるようです。
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という具合にくまがわ・九州横断特急・いさぶろう・はやとの風と4つの観光列車を乗り継ぎ肥薩線経由で八代から鹿児島へ抜け昔の鹿児島へのルートは大変だったんだなあなどと感心したのですが、考えてみれば今は鹿児島本線が肥薩おれんじ鉄道で分断されているので例えば「青春18きっぷ」を使うときのようにJRの在来線だけで抜けようとするとまた肥薩線経由になるのかと気づき妙な気分になりました。因果は巡るというと大げさですが面白いものですね。
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