乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

3000番バスで江華島へ

2014-07-18 | 韓国
 先日久しぶりにソウルに泊まりました。わざわざ大都市に行っておいて何ですが普段東京住まいのせいかまずは街中より郊外に行きたくなるものです。そこで江華島事件や世界遺産の支石墓で有名な江華島に行ってみることにしました。

 江華島には鉄道は通じていないのでバスで行くことになります。ソウルから向かう代表的な路線は新村と江華市外バスターミナルを結ぶ直行座席バス3000番で、早朝から深夜まで頻発している使いやすい路線です。今回はこの3000番に弘大入口駅から乗りました。付近は道路中央にバス専用レーンが整備されているので路肩ではなく路面電車のように道の真ん中にバス停があります。乗り込むと見える車内テレビは「GBUSTV」という京畿道のバス専用チャンネルで、内容は広告のほか乗降が頻繁なバスらしく短時間で終わるアニメとか啓蒙広告の類に次の停留所案内が随時挟まるというものでした。


 バス専用レーンを走っていると問題点が見えてきます。それは停留所で詰まるということで、専用道が1車線だと前のバスを追い抜けず便数が多いので詰まってお団子状態になりがちです。さらに「各停」の市内バスと主要停留所のみ停車の広域バスや空港バスが入り混じるため、鉄道だったら急行が鈍行に追い付いてもずっと追い越し駅がないようなものでノロノロ運転になってしまいます。


 これはヤダなあ、と思っていたら各停留所にバス専用レーンに並行して「『バス専用の』追い越しレーン」が設置されている区間が始まりました。3000番のように停まる停留所数が少ないバスは通過する停留所でこの追い越しレーンを走り停車中の(各停の)市内バスを次々に抜いて行きます。つまり鉄道だったら待避線がある駅で急行が鈍行を追い越すのと同じようなことが行われているわけです。ごくシンプルな策ながら威力は絶大で、さすがバス大国の韓国だけありただのバス専用レーンにとどまらないのだなあと感心しました。
 なお画像に写っている顔のついたバスは韓国の人気アニメ「コマバスタヨ」に登場する擬人化されたバスを模したものです。「きかんしゃトーマス」をバスにしたようなもの、と言うととりあえずわかりやすいでしょうか。ということはイギリスの保存鉄道や大井川鉄道が蒸気機関車に顔をくっつけるようなものですが、コマバスタヨは蒸気機関車のように既に過去になったものと違い現在の日常そのものがモデルなので違った面白さを感じます。こんなところにも韓国のバス大国ぶりが表れているのかもしれません。


 さて3000番バスはソウル特別市から金浦市(金浦空港はこの市内ではなくソウル特別市内)へとひたすら北西に走り、江華海峡(「塩河江」という川のような呼び名も)を渡って仁川広域市の江華島に入ります。


 ほどなく江華島の交通の中心江華市外バスターミナルです。ここまで弘大入口から約50㎞、特に渋滞はなくても1時間45分かかりちょっと乗り疲れました。もし新村から乗るなら1時間50分くらい、道路状況によっては2時間超えることもありそうですが途中休憩はないのでもし乗るならトイレ等準備を済ませておきたいところです。


(こちらに続きます。)
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電車で成田空港

2014-07-17 | 千葉県
 京成スカイアクセス線の開業(2010年7月17日)からもう4年も経つことに気づきました。

 近年は900~1000円で乗れる高速バスが便利になってはいるものの、まず間に合うはずと思う一方で万一ひどい渋滞につかまったらどうしようと不安が湧いてくる小心者だとどうも電車を選んでしまいがちです。なので成田空港から飛行機に乗る場合たいていこのスカイアクセス経由のアクセス特急にお世話になります。ただ40分も間隔が空き運賃も船橋経由より高くとあまり素直に便利になったなあという感じでもありません。してみると開業前に定番だった船橋経由の特急は運賃が安いだけでなく20分毎でもっと前は停車駅も少なかったりと結構健闘してる(た)のかもと思い直しました。(スカイライナーはなにせ高いのと日暮里が遠いのとで縁がありません。)
 またアクセス特急には感覚的・体感的なノロさもつきまといます。120㎞/h出せるとなれば決して遅くはないはずでも北総開発鉄道からのだだっ広いところを走る立派な路線だと遅く感じるものです。さらにスカイライナーの通過待ちを食らったりもしますし。おかげでなんだかスカイライナーがキライになってしまいました。早くあっち行け、と思ったところで結局追いかけて同じとこに向かうわけですけれど。同じ160㎞/h出す空港電車でもガトウィック・エクスプレスみたいに釣り掛け第三軌条式だったら面白いのになあと思ったりです。


 単線の悲しさで田んぼを見ながらの交換待ち(新根古屋信号場)もあったりすると、お隣のエアポート成田に笑われているような気分になってきます(って単線同士ですけど)。


 そんなわけで成田空港に着く頃は飛行機に乗る前なのにくたびれてしまいがちです。運よく京急600形の先頭でかぶりつくなら結構楽しめたりもしますがなかなか当たりません。


 車両といえば今浅草線に入る中で乗りたいと思う方の北総7260形(元京成3300形)や京成3500形、割に新しいハコながら昔のAEの機器流用したゲテモノっぽさがある京成3400形といった面々がアクセス特急に入らないことも残念だったりします。片開き扉好きなので3300形など「ハズレの赤電」くらいに思っていたものですが今や浅草線で当たるとうれしくなりますから勝手なものです。


 かぶりついているとNEXが見え帰りはそっちにしようと誘惑されることもあります。でも乗るなら往路からそう決めておいて割引のある「NEX往復きっぷ」を使わないと損した気分になるんですよね。


 NEXは高い上先代はボックスシートに当たることもあったりであまり乗る気がしませんでしたが、車両の世代交代や「NEXクーポン」→「NEX往復きっぷ」の登場もあって徐々に使いやすくなってきてはいます。とは言えそれでも結構高いのと最終便が京成より早いので遅く到着する飛行機に乗る場合「NEX往復きっぷ」を使うことができません。


 ちょうど発車するタイミングだしホリデー料金だし、ということでフラフラと快速エアポート成田のグリーン車に乗ってしまったときは、もういっそ駅弁食べて改めて国内旅行気分と菜の花弁当にビールを開けそのあと乗り換えて自宅に向かうのが億劫になってしまい失敗(?)しました。


 そういえばスカイアクセスが開業した2010年は羽田空港に国際線ターミナルができた年でもありました。なのでそもそも成田空港に行かず近い羽田空港を使えば楽ということにはなるものの羽田の国際線はそうは多くなく同じ行先でも成田発の航空券より高かったりでなかなかそうもいきません。とりあえず神頼みで祈ってみるなら成田が便利になることよりまずは円高や燃料相場の下落辺りがいいのかなと思ったりもします。
 長々ぶつくさと引っ張りましたが、ともあれ成田空港への新たなルートと羽田空港国際線ターミナルのどちらもが開業した2010年は大きな節目だったんだなあと改めて感心しました。
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小湊鉄道の里見駅

2014-07-15 | 千葉県
 有楽町近辺でお昼を食べたあとふとどこかのんびりしたところで乗り鉄したくなりました。しかしいくら日が長い時期とは言え午後からではそう遠くには行けません。どうしようかな、と考えて京葉線の東京駅が歩いて行ける近さなのを思い出しました。じゃ蘇我経由で五井に出て小湊鉄道に乗って来よう、と衝動乗りが決定します。


 京葉線の地下コンコースに下りて見上げるとなんだか懐かしい面々が描かれているのが見えます。いつまで残るでしょうか。


 食後なのでつまむものは買わずビールだけ下げ外房線の特急「わかしお」に乗り込みました。行くのは五井なので本当は内房線の「さざなみ」に乗りたいところですが、アクアラインと高速バスに押され今や東京を出るさざなみは朝晩だけになってしまい昼間は走っていません。


 発車すると京葉線はずーっと埋立地を走るので飽きがきます。だからビールを買ったわけです。ただ30分ちょっとという乗車時間ではやや短すぎ、食後のビールで眠くなった頃蘇我に着き降りるのがおっくうになってしまいました。このまま気持ちよく鴨川まで寝てバスにでも乗って帰ろうか、などとかなり本気で思ったりもしつつなんとか降りることにします。
 そういえば内房線の鈍行って今はこんなヤツなんだよなあ、とわかしおの外房線経由より遠回りで安房鴨川までの長丁場をこなす通勤電車の209系を見ているうちに目が覚めてきました。これで館山や千倉まで乗って行くなんて考えただけで気が遠くなります。ただ一応申し訳程度にはボックスシートと飲み物を置くテーブルがくっついてはいるのでもし駅弁買って乗るなら何としてもここを取りにいかなければなりません。千葉に行ってガチャガチャ揺れる113系で駅弁食べるというごく当たり前にあった身近な幸せも気がつけば過去になってしまいました。


 長丁場の列車にちょっとだけ乗って五井の小湊鉄道ホームに立つと単行の気動車と貨車が見え正調ローカル私鉄ムードにホッとします。


 窓を開けたいと思う一方ものものしい冷房機と扇風機の二刀流がありがたく感じるのも否定できない季節です。のんびりイイ風情の駅名票を見ながら進み上総牛久からは票券閉塞になるため「輪っか」が登場しました。


 昨年交換設備が復活した里見に到着し、ここから末端の上総中野まではスタフ閉塞になります。


 上下線のホームははす向かいなので行き違う列車の先頭がえらく離れることになり限られた停車時間で通票や通券を運ぶのは大変そうです。大忙しで走り回る駅員さんの「危ないよー!」という声が聞こえたので目を向けると「撮り鉄」な人が線路端でカメラを構えてました。何せいまどき珍しいアナログな交換風景ですから人気スポットなのでしょうね。


 小湊鉄道の終点上総中野まで乗って行くとそのままとんぼ返りするかいすみ鉄道に抜けることになりそれもちとつまらないので駅前で発車を待つ路線バスに乗ることにします。渋い交換風景に「ちっこいコミュニティバス」ではない路線バスに、といまどきゼイタクな要素が揃いうれしくなりました。


 乗ったバスは市原鶴舞バスターミナル行きです。途中高滝ダムの周りを走るので結構眺望がききます。「山口屋商店」というバス停近くにはその名の通りのよろず屋が見えました。


 圏央道を走る高速バスが発着する市原鶴舞バスターミナルに着くと周りにゴルフしている人形がいくつも置かれていて不思議なムードです。昨年来たときはなかったので一過性のものなのかずっと置く予定なのかわかりませんが、ともあれこの辺りはゴルフ場が多い地域なので何らかのPRをしたいのでしょう。


 あとは東京に向かうバスに乗るだけです。その前に隣接するコンビニに寄ったらフィッシュ&チップスがあったのでビールにも手が出てしまいました。つまんでいるとアクアラインを通って東京駅までの1時間ちょっとはあっという間です。


 東京駅八重洲口に降り立つとまだ明るく、昼食後に出発しアナログな交換風景を見てローカルバスに乗って来たのがウソのような気がしました。遠足ならぬ中足くらいの距離感というのか、半日あれば楽しめる近さもありがたいものです。
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