乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

片開き扉の銚子電鉄

2016-08-19 | 千葉県
 関東の天気予報を見ると銚子の気温がたいてい低めなのを思い出し小海線のように涼しそうなイメージにつられて銚子に行くことにしました。

 銚子まで成田線経由に決めるとかつて成田駅で売られていた駅弁「とんかつ弁当」を思い出しますが無くなったものは仕方ないので千葉駅の駅弁「トンかつ弁当」を仕入れておきます。成田空港行きで成田に到着したら銚子行きへと急ぎ209系の数少ないボックスシートを確保…とやっておいてなんですが気をもむと食べる前にくたびれてしまいました。もう鈍行で駅弁という時代ではないのかも、と言いながら未練がましく時々例えばいすみ鉄道タダ乗りがてらとかいっそバスでなどと食べているのは東京近辺で駅弁というと千葉駅のものが気に入っているからです。


 銚子に着くと冷房車から降りても一応気温は低めに感じたものの湿気がかなりありました。今回は曇天に当たったということもありますが、そうでなくとも銚子が醤油の名産地になった理由のひとつが湿度が高く醸造に向いているというくらいですからこれは仕方がないもののようです。
 銚子に来ると銚子電鉄となるのは当然(?)として今回は軽く乗るだけのつもりだったのがなんとなく勢いで一日乗車券「弧廻手形」を買ってしまいました。となると早くモトをとらねばととりあえず終点の外川まで乗り通すことになります。車両は今年から走り出した3000形(元京王5000系)です。現役の銚子電鉄の車両はこの他に3000形が来る前から運行されていたやはり元京王の2000形が2編成ありあわせて3編成6両ありますが、これらは全て扉が片開きの車両なので私のような片開き好きにはうれしい陣容になりました。片開きの通勤電車が減るばかりの昨今以前走っていた両開きの1000形(元営団地下鉄2000形)を駆逐しての片開き再統一となると今どきなかなかの珍事という感じです。
 交換設備のある笠上黒生に着くと交換があるかとついキョロキョロしてしまいますが近年は日中の便数が少なくなり交換がないのでちょっとさびしいものがあります。駅名標が目に入ると『髪毛黒生』とあり一瞬見間違えたかと思いましたが駅名の愛称のネーミングライツをヘアケア用品を扱う企業が取得して昨年からこうなったのだそうです。そういえば留萌本線の増毛駅が間もなくなくなりますから偶然にしてもうまいタイミングですね。


 外川駅に着くと801号が迎えてくれます。


 沢口靖子主演のNHK連続テレビ小説『澪つくし』の観光案内も健在でした。放送は1985年といいますから30年くらいここに立っているのでしょうがその割にはあまり古びていない感じです。


 トンかつ弁当から結構経ちもう少し何か食べたくなったので外川駅からそう遠くない「金兵衛食堂」に行って天ぷらラーメンというものを食べました。脂っこくない醤油ラーメンなのでエビ天と食べてもくどくなくなかなかオツなものです。
 食後は外川で乗らず犬吠までひと駅歩きました。弧廻手形には犬吠駅の売店で使える「『ぬれ煎餅』1枚サービス券」がついているのですが便数が少なくなって気軽に乗り降りできないので歩いて途中下車の回数を減らそうというわけです。せっかく乗り放題なのだからひと駅でも余計に乗ってトクしたいという心境には反しますがこれはどっちをとるかになるので仕方がありません。


 ぬれ煎餅をもらったら銚子行きに乗り込み車庫のある仲ノ町まで移動しました。塗色が凝っている片開き車両3編成が勢ぞろいするとなかなか壮観です。


 仲ノ町駅はヤマサ醤油の工場に包囲されているような立地で醤油の香りが漂ってきます。工場を見学するには事前予約が必要なのですが、予約なしでも入れ展示を見たり飲食ができる「しょうゆ味わい体験館」という施設が今年出来たというので行ってみました。醤油ソフトクリームを食べたり隣の建物に保存されている1926年ドイツ製の小さな機関車(日本に現存するディーゼル機関車としては最古のモノだそうです。)を見たりなかなか楽しめました。


 弧廻手形には観音駅の駅名のモトになった円福寺(飯沼観音)の「吉祥縁起守引換券」もついているのでこれまた行かねばなりません。お寺のそばには「さのや」というボリューム感のある今川焼のお店もあるのでどっちが目的かという感じでバチが当たりそうですがお守りを頂いて食べてとまずはありがたい限りです。観音駅と言えば銚子電鉄直営のたい焼き屋もあるのでなんだか甘党向けの駅という感じですね。


 夕方になると運用が増え笠上黒生での交換が行われるようになります。元京王のグリーン車なのに反対は京王5000系風の顔という何度見ても不思議な気にさせられる2000形が出て来たのでこれにも乗ってから帰京しました。弧廻手形のモトは十分とれたので心やすらかです。
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JR最高地点と野辺山SLランド

2016-08-18 | 長野県
 暑い8月ともなれば涼しいところに行きたくなります。涼しいところといえば高いところ、と単純に考えるのは「ナントカと煙は高いところが好き」かもしれませんが、ともあれ高いとこなら小海線とこれまた単純に野辺山に行くことにしました。

 新宿から2階建ての215系を使う「ホリデー快速ビューやまなし号」に乗ったところ停車駅はそこそこ少ないものの時間は結構かかります。小淵沢に着いたら腹が減り改札を出たところにある立ち食いそばでデカい唐揚げが載った「山賊そば」を食べてひと息つきました。デカい唐揚げと言えば我孫子駅の唐揚そばも相当ですが果たしてどっちが大きいでしょうか。


 お腹が落ち着いたところで小海線のキハ110に乗ると勾配をぐんぐん登り頼もしいものがあります。JR最高地点を通ってJR最高駅の野辺山に着くとさすがに東京あるいは小淵沢よりだいぶさわやかでした。


 野辺山駅前にはレンタサイクルがあるので2km強離れたJR最高地点くらいならそう苦も無く移動できます。パッと見るとただの踏切で正直そう絶景という感じでもないのにとりあえず来たなあと納得できてしまうのは不思議です。


 前回ここに来たのがいつだったか思い出せないくらい長く間の空いた再訪になりましたが今回初めて鉄道神社というモノを見ました。「清里ピクニックバス」の停留所を見るとバスで来るのも面白そうと思ったりもします。


 とウロウロ見て回りなんとなく納得したところでおやきとソフトクリームを食べJR最高地点見物はおしまいです。


 続いてそばを通る国道141号を少し走り「野辺山SLランド」に行きました。


 ここでは石炭炊きではないものの蒸気機関車が2両の客車を牽いて回っていてなかなかの迫力です。


 この機関車は1948年にベルギーで作られ台湾で活躍しここに来たというなかなか大変な経歴でご苦労さまと言いたくなります。ニブロク・762mm軌間ではあるもののこれだけ立派なものがJR最高地点より高い所を走っているのですから面白いものですね。


 この蒸機列車に乗るともっと狭いゲージが並走するのが見られます。これはだいぶ小さいもののレーティッシュ鉄道を模した乗れるものです。


 元井笠鉄道の蒸機や工事用の機関車も置かれていました。


 野辺山SLランドの見物を終えたら野辺山駅に戻ります。途中「ポッポ牛乳」や関連製品が飲み食いできるヤツレンの工場直売所があったり野辺山駅前の公園には「高原のポニー」C56が保存されていたりとさらに鉄道モノ(?)が続くのでやはり野辺山は最高地点に最高駅を抱えるだけあるなあとわかったようなわからないような感心をしつつ帰京しました。
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馬山でトンドン酒・刺身・補身湯

2016-08-10 | 韓国
 昌原市に編入されて5年以上経った今も馬山市と言いそうになってしまいます、というのはさておき馬山は金海空港との行き来がリムジンバスで1時間と便利で釜山ほど大きくないほどよい街の規模が気に入っています。名物のアグチムをはじめ魚市場にフグにトンスル通りと食べ物の誘惑もいろいろありますし。

 さて先月その馬山に投宿し飲み食いの画像を貼ります。まずちょっと飲みたくなったので宿をとった馬山駅でバスに乗り山湖洞バス停近くのハルメチプという居酒屋を目指しました。


 ここでの目当ては自家製のトンドン酒です。ウマいのですがデカい器にドーンと出てくるのでとうてい全部は飲めません。ツマミは海鮮パジョン(チヂミ)にしたところこれまたデカいのですが衣が薄く重くないので1人でも食べきれる量でした。ただネギにイカやエビの味がよく効いたウマいパジョンをつまむとトンドン酒がいよいよ進みお腹がだいぶだぶだぶにはなりましたが。ここはなかなかの有名店らしく日本人のお客さんも来るという話です。


 翌日は馬山を代表する市場「魚市場」に行ってみました。魚市場という名前で呼ばれてはいるものの食料品全般や雑貨、各種食堂にロッテ百貨店も集まっていて大抵のものは買えますからさして目的もなくウロウロするのにも向くところです。とは言え魚市場というからには魚を見ないと何だか気が済まず、水槽を並べた刺身屋が集まる一角に足を踏み入れてしまうとやっぱり刺身が食べたくなります。


 ただ韓国の刺身は生きている魚をさばいてもらうスタイルなのでどうしても量が多くなり1人のときは困りものです。1人でも頼みやすいフェトッパプ(刺身丼)とかムルフェ(刺身を生野菜とともに甘辛酸っぱい冷たい汁に入れたもの)という気分でもなく刺身だけさっと食べたかったのでお店の人に何か少な目に食べられるものはないか聞いてみました。じゃ銭魚(コノシロ)はどう、というのはなるほどというところで小さい魚なら少な目にできるというわけです。銭魚は好物なので異存はなく「1万5千ウォン分くらいからだけど」と水槽から数匹掬ったのを見たらかなり多いので1万ウォン分にして下さいそれから背越しでない普通の切り方で、とお願いしました。(銭魚の刺身は背骨ごと切る「背越し」にされることが多いのでそうして欲しくない場合その旨先に頼んでおくと確実です。)すぐに頭を折ってシメさばいていく様子はなんとも頼もしいものがあります。案の定というのか1万ウォン分でも相当の量がありましたがそれだけに十分満足です。


 刺身を食べ買い物を済ませたら盛夏なので補身湯が食べたくなりました。以前馬山駅の近くをうろついていたら陽徳路の北にある合城エッキルという道が広い韓国にしては細めのバス通りで補身湯とか栄養湯という字のある店を複数見たのを思い出しそのうちの1軒『テンジャナムチプ』に入ってみます。


 補身湯は一般にやや辛めで味噌味に仕上げたものが多いのですがメニューにチンコムタンという名前で白い汁のものもあったのでそれを頼みました。(牛の)コムタン同様にあまり味付けをしていないものなのでケモノくささは強めながらその分肉の味がよくわかり私は辛いものがあまり得意でないこともあってこういう方が好みです。食後に出て来たシナモン茶を飲んだらさっぱりしました。


 という具合にシロい濁り酒のトンドン酒を飲みコノシロの刺身にシロい汁の補身湯を食べたので一応話がまとまったということにします。
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韓国の「ソバ」

2016-08-03 | 韓国
 韓国に「ソバ」が名物のところがある、という話が気になり慶尚南道の宜寧に行ってみることにしました。晋州からの市外バスで着いた宜寧バスターミナルは宜寧の町中からやや西に離れています。と言っても町の中心にある市場まで歩いて10分くらいでしたからそう遠くはありません。
(バスの話はこちらをご覧下さい。)


 バスターミナルから市場への途中で説明書きが設置された名所っぽいところが目につきました。寄ってみるとシロウト目にはただの岩という感じなのですが大昔の雨痕が石化して残っている珍しい地層で韓国の天然記念物に指定されているとあります。


 その先では道路の上下線が分かれその真ん中に堂々としたケヤキが立っていました。保護樹の表示もあり大切にされている様子がうかがえます。なんだかんだで飽きないうちに露店が見えるようになり町の中心に着きました。


 市場の内外にはソバ店が複数あり店の外にまで席が出され賑わっていてなるほど名物らしい雰囲気です。


 この「ソバ」というのは日本のそばが変化し定着したものとのことで私が勝手に訳したわけではなく今でもソバという名前で呼ばれています。ただ細かく種類を分けるときは韓国語式で、温かいかけそば風のソバは「オン(温)ソバ」、冷たいぶっかけそば風のソバは「ネン(冷)ソバ」、辛いタレを混ぜて食べる者は「ピビンソバ」となるのが面白いところです。


 店がいくつもあるのでどこにしようか迷いつつ日本にもありそうな店名が面白く感じた『第一ソバ』に入ってオンソバを頼んでみました。キムチ・カクテキと一緒に出て来たり牛肉を細く割いたものが載っている様子を見るとなんだか不思議な感じがします。ともあれすすってみると普段食べているようなかけそばに近いのにマッククスやメミルククスといった韓国在来の蕎麦粉の麺モノをちょっと思い出すようなところがあったりなんとも面白い美味しさでした。


 一般に韓国の食事は量が多い印象ですがさすがにソバは軽いので甘いモノでもつまみたくなります。幸いなことに宜寧にはマンゲトックという名物があるので市場で買い食いしデザートとしました。マンゲトックはアンコを包んだ小ぶりの餅を葉っぱでくるんだものでそう珍しさは感じなかったものの安心できるウマさです。


 という具合にソバと餅を続けて食べるとハングルに囲まれているのにちょっと日本国内を旅行しているような気分になりました。
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