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外国人の着る変な日本のTシャツ (ドイツ・アバンギャルド編) その2

2016年06月18日 | 海外旅行
 前回(→こちら)の続き。

 海外旅行をしていると、ときおり変なTシャツを見ることがある。

 そう、外国人が着ている、日本語のロゴが入った不思議なTシャツだ。

 1990年代、ドイツは日本語(特に漢字)ブームであったらしく、街を歩いているとしょっちゅう日本語のシャツを着ている人に出くわした。

 ミュンヘンのマリエン広場でウィンドウショッピングをしていた若い女の子。なかなかかわいい子だったが、シャツの背中には『ゴジラ対メガロ』。

 それとなく前の方も見てみたが、『ジェットジャガー』の文字はなかった。「正義の力だ……」とかあったらもっとよかったのだが。

 オシャレ女子なのにメガロ。もちろん意味はわかってないんだろうけど(わかってたら、ぜひ友達になりたい)、それにしたってなかなかのインパクトだ。

 ベルリンのスーパーで見た太ったお姉ちゃんのシャツには『阪急電車が発車します』。

 関西在住の私は仕事でちょいちょい利用するので、思わず「ああ、ちょっとドア閉めるのまって!」と声に出そうになった。

 楽しい旅なのに、思わぬところで現実に引き戻されてガッカリである。

 その下に「園田」「塚口」「武庫之荘」と、阪急電車の駅名が耳なし芳一のようにびっしりとプリントされていた。小林一三も感無量であろう。

 ハンブルクのディスコで見たお兄さんなど、白地の肩に『車エビ』と、コメント不可能のシュールさ。ベルリン・ダダもビックリの不条理劇だ。
 
 一番すごかったのが、やはりベルリンのカフェで、斜め前の席に座ったおじいさん。

 その背中にはでっかく『与作』

 ヨーロッパのカフェで、静かにコーヒーを飲む好々爺。

 まるでヴィム・ヴェンダースの映画の1シーンのようで、とても絵になる光景なのだが、そこに『与作』。

 おまけに、阪急電車のおばさんのごとく、そのシャツにも

 「与作は木を切る、ヘイヘイホー」

 と「与作」の歌詞が書かれていた。 

 北島三郎 in 第三帝国。シュールを通り越して、もはや異次元だ。

 かくのごとく、海外で見る日本語のTシャツは、笑いをとろうとしているとしか思えないようなシロモノが多い。

 ということは、逆にいえば我々が普段着ている横文字の入ったシャツは、その言葉を母語としている外国人からすると大爆笑なのであろう。

 昨今、東京オリンピックに向けて、その手の企画がときおりテレビで見られるが、われわれもチャド・マレーンにつっこまれないよう、横文字のシャツには気をつけたいものだ。



 (続く→こちら






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