前回(→こちら)の続き。
「昔はよかったなあ」
錦織圭の活躍に、なぜかそんな時代に逆行したため息をつく私。
なんたって、優勝なんて考えなくてよかったのだから。とりあえずの目標はベスト8。
ランキングも最終戦に向けて8位以内とか計算しなくてもいい。ただ目の前の1番に集中すればいい。
勝てばうれしいし、負けても次がんばればいい。ランキングも上がるときもあれば落ちるときもあるさ。とにかくケガだけ気をつけてくれればと。
つまり、US決勝の前までの彼は負けても失うものはなく、勝てば勝つだけ「得するしかない」状態だったのだ。
だから見ているほうも楽だった。負けても「次」があるから、切り替えが簡単。
どっこい、今の錦織圭はどうだろう。世界のトップ10プレーヤー。グランドスラムでは堂々の優勝候補。
これだと、とても冷静な目では試合を見られない。
デ杯やマスターズはまだ日本でそれほど騒がれていないからいいけど、グランドスラムとなればそうもいかない。
どうしても「優勝」が期待される。しかも、それは「ありえる」話なのだ。
となると負けることが、どうしても悔しくなる。「失う」ものができたのだから。
トップ10だから、大会開幕に胸躍らせるはずの1回戦なんかは「勝って当然負ければマヌケ」の損しかない戦い。
その後も、負けは即「シードダウン」の汚名が付きまとう。ランキング的にはベスト8が「義務」だが、そこまでの道のりが簡単ではないのは、ローラン・ギャロスでのベルダスコやガスケのテニスを見てもわかる通りだ。
あれが「義務」かよ。大変すぎるやろ!
リシャールなんて、格下あつかいだけど、それでも世界12位。しかも、二つ名が「天才ガスケ」なんだぜ!
嗚呼、なまじ優勝が期待されるもんだから、どうしても見るほうも必死だ。負けたら、また1年待たされる。
しかも、仮にリシャールに勝っていたとしても、次はマレー、準決勝で前回優勝のワウリンカ、決勝ではジョコビッチ。えげつない面々が待ちかまえている。
こう見ると、グランドスラムで勝つってホントにすごいよなあ。しかも5セットマッチ。ベスト8でも、道半ばですらない地獄坂。
でも、「もしや」があるのが今の錦織圭だ。これまでの、「ベスト16万歳!」くらいの立場だったら、寝転がって見られたのに、ここ数年はリードされたら思わずチャンネルを替えるくらいのもの。
ガスケ戦も、さすがに次の日があるからもう寝たけど、その前にしたって中断後に攻められまくったときは、とても観戦できなくてネットの動画サイトで『怪奇大作戦』見てた。
だからガスケ戦についてはほとんど語れません。観てないし、録画はしたけど、とても見る気にもなれないし。
いかがであろう。以上の理由で「昔はよかった」というのだ。
失望は期待の二乗に正確に比例する。二階に上げられてハシゴをはずされるのはつらいものだ。特に全仏はひそかに一番勝ってもらいたい大会だから、もう「探さないでください」と書置きして旅に出たい。
まあ、こういうのを「うれしい悲鳴」というのであって、昔と比べれば贅沢極まりない悩みだが、そういうことなのである。
次のウィンブルドンは、たぶん優勝はないだろうから、もうちょっとおだやかに見られそうだ。
目標は未到達のベスト8! 嗚呼、優勝しそうにない大会って、なんて心が楽なんだ。
こんなアンビバレントでややこしいことになっているファン心理、もう「阿呆やねえ」と笑ってやってください、ホントに。
「昔はよかったなあ」
錦織圭の活躍に、なぜかそんな時代に逆行したため息をつく私。
なんたって、優勝なんて考えなくてよかったのだから。とりあえずの目標はベスト8。
ランキングも最終戦に向けて8位以内とか計算しなくてもいい。ただ目の前の1番に集中すればいい。
勝てばうれしいし、負けても次がんばればいい。ランキングも上がるときもあれば落ちるときもあるさ。とにかくケガだけ気をつけてくれればと。
つまり、US決勝の前までの彼は負けても失うものはなく、勝てば勝つだけ「得するしかない」状態だったのだ。
だから見ているほうも楽だった。負けても「次」があるから、切り替えが簡単。
どっこい、今の錦織圭はどうだろう。世界のトップ10プレーヤー。グランドスラムでは堂々の優勝候補。
これだと、とても冷静な目では試合を見られない。
デ杯やマスターズはまだ日本でそれほど騒がれていないからいいけど、グランドスラムとなればそうもいかない。
どうしても「優勝」が期待される。しかも、それは「ありえる」話なのだ。
となると負けることが、どうしても悔しくなる。「失う」ものができたのだから。
トップ10だから、大会開幕に胸躍らせるはずの1回戦なんかは「勝って当然負ければマヌケ」の損しかない戦い。
その後も、負けは即「シードダウン」の汚名が付きまとう。ランキング的にはベスト8が「義務」だが、そこまでの道のりが簡単ではないのは、ローラン・ギャロスでのベルダスコやガスケのテニスを見てもわかる通りだ。
あれが「義務」かよ。大変すぎるやろ!
リシャールなんて、格下あつかいだけど、それでも世界12位。しかも、二つ名が「天才ガスケ」なんだぜ!
嗚呼、なまじ優勝が期待されるもんだから、どうしても見るほうも必死だ。負けたら、また1年待たされる。
しかも、仮にリシャールに勝っていたとしても、次はマレー、準決勝で前回優勝のワウリンカ、決勝ではジョコビッチ。えげつない面々が待ちかまえている。
こう見ると、グランドスラムで勝つってホントにすごいよなあ。しかも5セットマッチ。ベスト8でも、道半ばですらない地獄坂。
でも、「もしや」があるのが今の錦織圭だ。これまでの、「ベスト16万歳!」くらいの立場だったら、寝転がって見られたのに、ここ数年はリードされたら思わずチャンネルを替えるくらいのもの。
ガスケ戦も、さすがに次の日があるからもう寝たけど、その前にしたって中断後に攻められまくったときは、とても観戦できなくてネットの動画サイトで『怪奇大作戦』見てた。
だからガスケ戦についてはほとんど語れません。観てないし、録画はしたけど、とても見る気にもなれないし。
いかがであろう。以上の理由で「昔はよかった」というのだ。
失望は期待の二乗に正確に比例する。二階に上げられてハシゴをはずされるのはつらいものだ。特に全仏はひそかに一番勝ってもらいたい大会だから、もう「探さないでください」と書置きして旅に出たい。
まあ、こういうのを「うれしい悲鳴」というのであって、昔と比べれば贅沢極まりない悩みだが、そういうことなのである。
次のウィンブルドンは、たぶん優勝はないだろうから、もうちょっとおだやかに見られそうだ。
目標は未到達のベスト8! 嗚呼、優勝しそうにない大会って、なんて心が楽なんだ。
こんなアンビバレントでややこしいことになっているファン心理、もう「阿呆やねえ」と笑ってやってください、ホントに。