山﨑おしるこ渾身の『仰げば尊し』に卒業式も震える

2025年01月31日 | 時事ネタ

 山﨑おしるこさんの『仰げば尊し』に心震えた。
 
 冬といえば、そろそろ卒業シーズンが近い。
 
 数年前、まだコロナで大変だったころのこの時期に
 
 


 「コロナで卒業式がなくなって悲しい」



 
 みたいなニュースをよく見たものだったが、これに全然ピンとこなかったことをおぼえている。

 別にそこでイジめられたとか、バカにされたとか、そういうつらい思い出があるわけでない。
 
 多少、生徒が荒れてな時期もあったが(特に中学校)ふつうに友達もいて、部活もやって、なんかもしたりと、まあ割とありがちな学校生活だったとは思う。
 
 なのに卒業と言うと
 
 


 「もう、学校なんかに通わんでええんやな。最高やな」



 
 
 という解放感しかなかったから、よほど「学校」「教師」「生徒」という存在と相性が悪かったのだろう。
 
 なんかもう「強制収容所」感がすごいというか。
 
 映画『桐島部活やめるってよ』とか本当に「うわ」な気持ちになるもんねえ(原作はヌルくて残念だった)。
 
 そんなこんなでユーミンの『卒業写真』とか武田鉄矢の『贈る言葉』とか、定番の『仰げば尊し』『蛍の光』とか聴いても、なんの反応もない卒業式ED
 
 そこをはじめてにしみたのが、お笑い芸人山崎おしるこさんの『仰げば尊し』だった。
 
 ダンスもすばらしいが、概要欄にあるこの動画を上げた原動力にまた感動。
 
 一部を引用するので、ぜひセットでご鑑賞ください。
 
 私同様、心震えた人はぜひ動画に飛んで全文を。
 
 


 卒業といえば、中学の時の卒業式でヤンキーが合唱の練習などを全然真面目にしてなかったのに、本番当日になって急に大声で歌い出し、しまいにはホームルームで「先生にサプライズしようぜ」などとほざき、最後の最後にヤンキーに仕切られて感謝の言葉を言う時間があってとてつもなく耐え難いものとなり、なにが気持ち悪いって先生も嬉しそうに「あんたらはほんと手のかかる生徒だったんだからもう(涙)」みたいな????は????????



 
 以下はこちらからどうぞ。
 
 

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「東の天才」の詰み 増田康宏vs石田直裕 2016年 第47期新人王戦 決勝第2局 その2

2025年01月28日 | 詰将棋・実戦詰将棋

 前回の続き。

 2016年の第47期新人王戦決勝に勝ち上がってきたのは、石田直裕四段増田康宏四段だった。
 
 三番勝負の第1局は、角換わり腰掛け銀の熱戦から増田が辛勝。
 
 初優勝に王手をかけたが、第2局も初戦と同じく石田も簡単には勝たせない。
 
 石田の四間飛車に増田が銀冠で対抗するも、中盤の斥候で誤算があり振り飛車が優勢に。

 終盤戦で一度は明快な決め手を逃した石田だったが、まだ形勢はハッキリ勝ち
 
 このまま最終戦にもつれこむかというところだったが、そこで事件は起きた。
 

 
 
 
 図は△28飛の王手に▲58歩と受けたところ。
 
 先手玉はまだ詰まないが、後手玉も▲26がいなくなると相当に詰みにくい形。
 
 ならここで、シンプルに△26飛成を取ってしまえばいいのではと、まずは思うわけだが、実際それで正解だった。
 
 自陣の憂いを消しながら先手玉は必至で、さしもの増田も投げるしかなかったのだ。
 
 だが、石田は念には念を入れて、もう一工夫することにした。

 △57銀と王手して、▲同玉△47香成▲同玉△26飛成
 
 


 
 
 
 

 銀を捨てて、先手玉を危険地帯におびき寄せてからを取る。
 
 単に△26飛成よりも、こっちのほうが受けにくくなっているという判断だ。
 
 たしかにそう見えるが、これはを渡すので怖い選択だった。
 
 そしてその通り、この局面で後手玉には詰みが生じている。
 
 実戦詰将棋。腕自慢の方は、ぜひチャレンジしてみてください。
 
 
 
 

 
 
 
 
 

 ▲72馬△同銀▲83香

 を切るのはこれしかないが、ここで▲83香と打てるのが香捨ての罪。
 
 △同玉なら、▲75桂△同歩▲74金と、無理くり穴ぼこを開けてせまる。

 

 

 △同玉▲75歩から、駒台にあふれる物量で押して行けば詰み
 
 とはいえ△83同銀とこっちで取ってしまえば、自然な▲71銀△同玉なら詰むが、そこで△93玉とかわすのが手筋。
 
 
 
 
 いわゆる「銀冠小部屋」というやつで、典型的な「王手なし」の形になり、これはハッキリ詰まない。
 
 石田もこの筋に期待したのかもしれず、解説の渡辺正和五段も「詰まない気はします」と言っており、プロレベルのカンでは後手が勝ちに見えるのだろう。
 
 ▲71銀はわかりやすくダメなので、増田は▲81金から入る。
 
 △同玉▲93桂


 
 
 


 
 △同香▲61飛と打って、▲91金から詰む。

 


 
 なので△92玉しかないが、さらに▲82金と追撃。

 

 


 

 

 このあたり控室では、
 
 


 「ここは、△93玉じゃないと詰みますよ」
 
 「でも、これは取っちゃうよね。トン死しそうですよ」



 
 
 千田翔太五段鈴木大介八段が、そんな検討していた。
 
 なので石田が△同玉と取ったのには騒然となったそうだが、ここは増田が深く読んでいて、実は△93玉でもアウト
 
 ▲85桂打△同歩▲83金△同玉▲81飛の筋でつかまっている。

 


 

 桂馬を捨てて▲84の地点を開けておくのがアイデアだ。

 ちなみに増田は▲93桂と打って、詰みを確信したそうだ。
 
 石田は観念したか、△82同玉と取る。
 
 以下、▲81飛△72玉▲61銀△63玉▲52銀不成と、すぐに捨ててしまうのがカッコイイ決め手。


 
 
 


 
 △同玉▲41飛成△63玉▲53金まで石田が投了

 

 

 

 

  あざやかな詰みによって、増田が新人王戦初優勝を飾ったのだった。

 後から見れば、堅く勝つために選んだ△57銀と△47香成が利敵行為で、

 


 「本譜はいろいろある中で、いちばん悪いくみ合わせを選んでしまいました」



 
 
 石田は反省したが、1分将棋でこの詰みを仕上げた増田の強さも光り、

 

 「増田強し」

 

 という評価を生んだことも大きかった。

 この周囲から「強いと思われる」ことが勝負の世界ではメチャクチャ大事で、目立つ舞台でそのことを見せつけたという意味では増田はここで完全にスター街道に乗った。

 はずだった。
 
 このときはタイトル戦に出るまで、こんなに時間がかかるとは思わなかったが、それは本人が一番思っていることだろう。
 
 そのモヤモヤを吹き払うためにも、五番勝負では勢いのある将棋と、いい結果を観たいものである。
 
 
 


 (実戦詰将棋はこちらもどうぞ)

 (その他の将棋記事はこちらから)

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かくも長き不在 増田康宏vs石田直裕 2016年 第47期新人王戦 決勝第2局

2025年01月27日 | 詰将棋・実戦詰将棋

 増田康宏棋王戦の挑戦者になった。
 
 増田といえば16歳四段になって、いやさ中学生三段になってこのかた、将来のA級タイトルどころか「棋界制覇」を期待されていた。
 
 要するに、「今の藤井聡太の位置」にいるはずだった男。
 
 実際、なにかと折り合いの悪いことで有名な師匠の森下卓九段も、
 
 


 「増田がもし順当に中学生棋士になっていたら、《フィーバー》を起こしていたのはだったはず」



 
 
 そう惜しむほどのきらめきを持っていたのだ。 
 
 それがモタモタしている間に、佐々木勇気と同様、光の速さで追い抜かれてしまい、あっという間に、背中も見えないほど引き離されてしまった。
 
 それどころか、その後から来た伊藤匠にすら置いていかれ、いよいよ危機感もマシマシ。
 
 A級にこそなったものの、むこうは八冠王でこっちは棋戦優勝やタイトル挑戦もままならない。
 
 なまじ期待されていただけに、これはちょっとめげそうなところで、正直このまま
 
 
 のA級棋士」
 

 として、そこそこの活躍で終わるのかなーとか思ったりもしたけど(いや、それでも全然スゴイんですが……)、ここにようやっと存在感を再アピール。
 
 
 「なにやってたんだよ! 遅いよ!」
 
 
 つい口調がきびしくなるのは、それだけ「お待ちかねだった」ということで、ゆるしてほしい。
 
 ファンに待ちぼうけを喰らわせたこと、あとクリスマスに女とデートしたことを謝罪したくば、これはもう「増田棋王」実現しかない。

 私は「八冠王」実現まで、はっきりと藤井推しであった。

 そりゃまあ、将棋ファンとして大記録は見てみたいし、

 

 「記録なんて塗り替えてナンボ」

 

 と思っているので、世代的になじむのは「羽生善治七冠王」でも、それを超えることに何の抵抗もなかったわけだ。

 で、そうなると今度はその「不死の王」をだれが倒すのかに興味津々で、完全に藤井聡太を「ヒール」にして楽しむ方向にシフト。

 イメージとしては、こんな感じになっていたのだ。


 

 

 

 そう、「いよいよ一つとなって決起」だぜ!

 次々におそいかかるライバルたちが、いかにここに肉薄していくかが見どころに。

 これはもう少年ジャンプ的バトルに、ワクワクできるかというところだけど、

 

 

 

 

 こうなってしまっては困るわけだ。

 叡王戦こそ伊藤匠ががんばったものの、今年も防衛できるかという保証はなく、あっという間の「八冠ふたたび」の可能性はある。

 もちろん、藤井聡太がトップに君臨することに文句はないが、もう少しダメージをあたえていてもいい気もする。

 「強すぎる一強」時代が長く続くことは、興行的に良くないのではという危惧が、どうしても生まれてしまうのだ。

  その意味でも、次の刺客になった増田康宏には大きな期待がかかるというわけで、今回は勢いに乗る挑戦者の将棋を紹介したい。

 


 

 「大物新人」増田が、まず大きな結果を出したのは若手の登竜門ともいえる新人王戦でのことだった。

 2016年の第47期新人王戦で決勝に勝ち上がり、石田直裕四段と三番勝負を戦うことに。
 
 第1局は、角換わり腰掛け銀の熱戦になり、増田が苦戦しながらも勝利。
 
 初優勝に王手をかけたが、「増田有利」の下馬評を考えれば、ちょっと不安の残る内容ではあった。

 続いて第2局は、後手の石田が四間飛車

 増田は銀冠で受けて立つが、調子があがらないのか、またしても不利におちいってしまう。

 これはフルセットかというところで、一回は石田が勝ちを逃したが、それでもまだ逆転には至らず、最終盤のこの局面。

 

 
 


 
 △28飛の王手に▲58歩と受けたところだが、先手玉は受けがない。

 後手玉は2枚にニラまれて危なそうだが、▲26はいつでも取られてしまう形だから実はそんなに怖くないのだ。

 あらー、これはどう見ても、振り飛車必勝ですわ。

 「第3局」行きが決まったようで、まっすーモタついてるなーとヤキモキするが、ここから彼の強運剛腕が炸裂してドラマが起こるのだから、将棋はわからないものである。

 

 (続く

 

 

 

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バックパッカー今昔 「日本人がいなくていい所」と日本人旅行者が言ってた時代

2025年01月24日 | 海外旅行

 前回に続いて、丸山ゴンザレスさんのクラウドファンディングに参加してみたおはなし。

 『バックパッカーシンドローム』というノスタルジー系「同人誌」の制作。

 蔵前仁一さんや高野秀行さんという「レジェンド」も参加なするとあっては、「バックパッカー」としては注目せざるを得ないではないか。

 とここで気になったのが、マルちゃんがこの本を作ろうと思ったきっかけというのが、

 


 「今は失われた《日本人バックパッカー》という文化を活字で残しておく」


 

 私はボーッとした人間なので「日本人バックパッカー」が「失われた」ことにピンとこなかったが、これがどうも本当らしい。

 たしかに一昔前は海外旅行といえばドイツ人日本人がやたらと多くて、続いて個人的体感ではカナダ人スウェーデン人イスラエル人とかそんな感じだった。

 街を歩くとアヤシイ客引きなんかが定番のように、

 


 「コンニチワー、アリガト、オミヤゲ、ノータカイネ」


 

 なんて日本語で声をかけてきていたのが、ある時期くらいから世界には韓国人中国人旅行者が増え、「ニーハオ」「カムサハムニダ」が混じるようになってきて、しまいには、

 


 「ウェアユーフロム? コリア? チャイナ?」


 

 となって「ノー、ジャパン」と答えるとか、日本が「ランク外」になっているという現実におどろいたり。

 先日、5年ぶりくらいに海外に行ったけど、ネパール人も、

 


 「昔は日本人が星の数ほどおったけど、今は全然おらんねえ。どこ行ってもうたんやろ。また来てほしいわ」


 

 なんて残念がっていた。とにかく「few japaneseという言葉を何度も聞いたものだった。

 たしかに、昔は「石を投げれば日本人に当たる」というくらいだったのが、今ではほとんど見かけない。

 旅好きな人や、旅系YouTuberもよく

 


 「日本人が全然いない」

 「インドとか、昔は日本の学生だらけだったのに」


 

 とか言ってるけど、どうもガチなようなのだ。

 

 

 

 こんな感じ。

 


 「○○ってすごくいいところだよ、日本人がいなくて


 

 なんて日本人から言われたりして苦笑いするのは(アンタは何サマやねん)、わりと旅行者「あるある」でした。

 私も仲良くなった日本人旅行者とイタリア電車に乗ってたら、同じ車両に乗った日本のおばさまが、

 


 「なんでヨーロッパにまで来て、日本人なんか見なくちゃいけないわけ? ホント下品でやんなっちゃう!」


 

 なんて聞こえよがしに言っていて、笑ってしまったことも。

 最近では経済的に恵まれない人を「底辺」なんてヤな呼び方をするらしいけど、本当の底辺って、きっとこのおばさんみたいな人だよなーと思ったり。

 「下品」という言葉の定義について、わりと真剣に考えさせられたりしたものでした。

 でも、今はそんな心配(?)もないと。

 うーん、そうなんやー。それはそれで、ちょっとさみしいなあ。

 こういうとき定番として出てくるのが、
 
 
 「旅行なんて、ただの趣味なんだから無理していかなくていい」
 
 
 それはその通りで、ストレスを感じるなら行く必要はないし、
 
 
 「旅は人を賢人にしない」
 
 
 という言葉もある通り、一時期流行って当時でも失笑されていた「自分探しの旅」とかも、期待するほどの変化は見られないものだ。
 
 旅によって人が劇的に変わったり、成長したりしないことは、だれよりも私自身が証明するところ。
 
 だから、そもそも興味のない人は全然いいけど、ただ今の時代でもいるであろう
 
 
 「興味あるけど、なかなか踏ん切りがつかない」
 
 「外国を見てみたいけど、時代の空気的にテンションが上がってこない」
 
 
 くらいの熱量の人が、「ま、もういいか」となってしまうのは、なんとももったいない気もする。
 
 こういう人はきっと、「ブーム」のときだったら、結構フットワーク軽く出かけていたのではないか。
 
 旅は人を賢人にしないが、出てみれば、それなりの「なにか」はつかめたりするものだ。
 
 そしてそれは、
 
 
 「今の人生がつまらない
 
 「先が見えなくて不安
 
 
 という人に強烈な「特効薬」になることもある。
 
 具体的に言うと、
 
 
 「今まで自分が信じてきた価値観幸福の定義が、かならずしも絶対的なものでない
 
 
 という感覚。
 
 「視野が広がる」といえば聞こえはいいが、要するに、いい意味でいい加減になれる。
 
 今でも多くの人を、特に若者を苦しめる

 

 「言葉にできない《なにか》に囚われて息苦しい」

 

 というのが、少しばかりになるのだ。
 
 その意味では、「こんな時代」だからこそ、に海外に出るというはアリだと思う。
 
 休みとったり、お金のこととかいろいろと大変なことも多いけど、きっとそれだけの価値はある。

 だから「迷ってる」人は、ぜひ一歩を踏み出してみてほしい。
 
 しかし、円安だけはどうにかならんかね、ホント。

 

 

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少女たちの羅針盤 西山朋佳vs里見香奈 2019年 第12期マイナビ女子オープン 第1局

2025年01月21日 | 女流棋士

 いよいよ西山朋佳女流三冠の大一番がせまってきた。
 
 史上初の「女性棋士」なるかということで注目を集める棋士編入試験は、2勝2敗のタイスコアでいよいよ最終戦に突入。
 
 相手は過去に対西山戦を全勝している柵木幹太四段ということで、いろいろと因縁めいているところなどドラマ性も充分である。
 
 とにかくこういうのは、一度「前例」を作っておくのが大事ということで、ぜひとも西山さんには勝ってもらいたい。
 
 かつてテニスの世界では、日本男子選手が松岡修造さん以外、どうしてもトップ100の壁を破れずに苦しんでいた時期が長かった。
 
 正直、「これもう、無理なんでね?」とすら思ったほどだが、「錦織圭」という男が一瞬で駆け抜けると、その後はあっという間の壁の崩壊が待っていた。
 
 西岡良仁ダニエル太郎杉田祐一添田豪伊藤竜馬など、続々とトップ100に入り、グランドスラム大会にも出場やツアー優勝など新しい時代を作っていた。
 
 これは明らかに「錦織効果」であろう。
 
 その意味ではその前の世代で100位台に乗せていた、鈴木貴男本村剛一金子英樹といった面々も、もしの時代に現役ならば、おそらく100位の壁を突破できていたのではないか。
 
 元『テニスジャーナル』編集長である井山夏生さんも、実力が拮抗するプロの世界で抜け出す(あるいは「くすぶる」のも)「ちょっとしたきっかけ」だとおっしゃっていた。
 
 そう見れば、ここで「西山四段」が誕生するかどうかは、大げさでなく西山さんの人生以上の大きなものを生み出していく可能性が高い。
 
 一度は試験に失敗した里見さんや、やはり奨励会三段まで行った中七海女流三段も、めげずにリトライするかもしれない。
 
 その後には竹内優月6級が続き、まだ名もなき「女性棋士」のたちが、どこかでスタンバっているはずなのだから。
 
 なんだか西山さんにプレッシャーをかけているようだが、「剛腕」の力をもってすれば、それも乗り越えてくれるだろうという期待もこめてのことである。
 
 
 


 2019年の第12期マイナビ女子オープン
 
 西山朋佳女王里見香奈女流四冠との対決は、両者得意の相振り飛車で開幕。
 
 先手西山が動いたところを里見がうまく押さえこみ優位を築く。
 
 西山も負けじと上部を開拓し、あわよくば入玉もというかまえを見せ勝負。
 
 むかえた、この局面。
 
 


 
 
 
 先手は飛車を手持ちにしているのは大きいが、自陣の飛車角に両取りがかかっており、あせらされている。
 
 飛車を逃げるようでは、角を取られるくらいで駒損がヒドイ。
 
 気持ちは▲65飛と切り飛ばして大暴れしたいところだが、果たしてそれで攻めがつながるかは微妙だ。
 
 やはり先手が苦しそうに見えるが、ここで「剛腕」西山がひねり出すパワーがすごかった。
 
 

 


 
 
 

 

 ▲93桂と打つのが、ビックリする手。
 
 ここにでも打ちこんで、バラして最後△93同玉▲91飛とかならわかるが、こんな王手にならない打ちこみなど見たことがない。
 
 もっさりと肩にもたれかかるような不思議な手だが、一応▲81飛までの詰めろではある。
 
 だが、あまりに単調なねらいすぎて、とても効果があるようには思えず、実際里見も△83玉と軽くかわしにかかる。

 

 


 
 そこで後続はあるのか。
 
 この桂打ちも一瞬は詰めろだけど攻めに厚みがなく、次に△74歩とか空気穴を開けられるくらいでも攻め切れない。
 
 いよいよ手がないところだが、西山の底力はハンパではなかった。

 

 

 

 


 
 


 
 
 
 ▲66飛と浮くのが、ジーパン刑事も血まみれで「なんじゃこりゃあ!」と叫ぶ一着。
 
 意味不明というか、まあ飛車を逃げながら角取りに当ててるのはわかるけど、こんな敵のの頭に飛車をぶつけるなど、見たこともない手である。
 
 いい手かどうかはわからないが、西山が「根性」を見せたことは、これでもかと伝わってくる。
 
 里見もビックリしたろうが、△同銀▲同角で取りになっていた飛車角をさばかせたうえに、これが▲84歩からの詰めろ

 それは怖いと判断したか、無視して△59角成
 
 ただ、これが結果的にはよくなかったか、西山はこのタイミングで▲65飛と切る。
 
 この時間差の意味は、すぐにわかる。
 
 里見は玉のフトコロを広げる意図でか△65同桂と取ったが、そこで▲64銀がしぶといからみつき。
 
 


 
 
 
 これで、後手玉が一気にせまくなった。
 
 西山が一拍おいてから飛車を切ったのは、角筋をそらして、敵陣に空間を作るためだった。
 
 △86にいると、守備に利いていてこの手はなかったのだ。
 
 このあたり、里見も意表の勝負手連発にペースを乱されたのかもしれない。
 
 △75歩と逃げ道を開けるが、▲66角の活用がピッタリ。

 

 


 
 取られそうだった飛車角が、こうもきれいにさばけては、まさに「勝ち将棋、のごとし」。
  
 以下、△58馬▲81飛から攻めて、先手の勝ちが決まった。
 
 この逆転で勢いに乗った西山は、3勝1敗で見事に初防衛を飾るのであった。
 
 


(西山の大逆転と言えばこの将棋

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日本人バックパッカー 90年代から2000年代の過ごし方

2025年01月18日 | 海外旅行

 「かつて、われわれバックパッカーには、確実に《あの時代》と呼ばれるころがあったんですよね」


 

 

 『バックパッカーシンドローム』という本を作るにおいて、そんなことを言ったのは丸山ゴンザレスさんだった。
 
 マルちゃんとは年代が近く、「バックパッカー」だったという共通点がある私は本制作のクラウドファンディングに参加しわけだが、ではその「あの時代」とはどんなものなのか。
 
 今では世界を旅行するアジア人と言えば、中国人韓国人だが、一昔前はほとんどくらいで日本人だった。
 
 マルちゃんのあつかう時代(80年代から2000年初頭くらい)というのは、今思うと若者をする条件がそろっていた。
 
 格安航空券が出だして、が強く、バブルがはじけたとはいえ日本はまだ豊かな方の国で、アジアアフリカなどはビックリするほど物価が安かった。
 
 たとえば、世界中のバックパッカーに愛されるタイなんかは、ベッドしかない3畳ほどの部屋でよければ1泊500円以下で泊まれた。
 
 食事も屋台で済ませれば1食100円程度で、インドネパールヴェトナムカンボジアなども同様。
 
 つまりは、日本でちょっと割のいいバイトをして航空券代さえ貯めれば、数か月ダラダラとアジアで過ごせたのだ。
 
 観光してもいいし、日本人たまり場宿に行けば、地元ではなかなか会えない個性的旅行者とも会えて、それはそれで楽しいもの。
 
 1日中、なにするでもなく安宿のロビーカフェで、ダラダラとおしゃべりしたりするのは、夏休みの友達の家か、大学のサークルのボックスのよう。
 
 そのユルイ感じも、また旅の醍醐味だったりするのだ。
 
 2000年代になってからは、
 
 
 「タイは若いうちに行け」
 
 
 とかいう意味不明なキャッチコピーとともに、タイ航空がCM打ったりと、ハッキリ「ブーム」な流れが来たこともあった。
 
 特に旅行好きでもない若い子が「バックパッカーの聖地」ことカオサンロードに集まって安宿ですごすというのが、オシャレというかイケてるというか、そんな時期があったそうだ。
 
 「ガチ勢」にはあまり歓迎されなかったというか、そもそも濃いめのバックパッカーと学生など若い子は相性は悪いところもあり、それは今の将棋界で言う
 
 
 「古参ファン」vs「ライトな観る将
 
 
 の牽制感のようなものかもしれないが、ともかく、そういうこともあったらしい。
 
 そこからも、まだ景気のいい名残があったか「ヴェトナム・ブーム」なんてのもあり、若い女の子ハノイホーチミンを訪れた時期もあった。
 
 これは明確に旅行業界が仕掛けた流れで、
 
 
 アジアの熱気に、フランスのハイソが混在した魅惑のヴェトナム!」
 
 
 みたいに売っており、ヴェトナムに「パリエスプリ」など、カケラも存在しないことを知っていたわれわれは、苦笑いを禁じ得なかったが、まだこのあたりは日本も元気だったということであろう。
 
 その後は長引く不景気と、円安のダブルパンチで旅行自体がやや行きにくくなり、しまいには「失われた30年」(長すぎや!)に飲みこまれて、いつの間にかヤングすら海外に出て行かない時代に。

 そっかー、知らんかったけど、それも時代の流れなんやろなー。

 けど、ひとつ思うことは事情があって行けない人や、そもそも興味のない人はしょうがないとして、

 

 「海外に興味はあるけど、めんどくさそうだし、そんなにおもしろいのかなー、コスパ悪そう」

 

 と迷っている人がいれば、それに関しては、ちょっと老婆心ながら、

 

 「選択肢があるんなら絶対に行った方がいいよ。コスパなんて気にならないくらい楽しいし、下手すると、あなたの人生を変えるかもしれないから!」

 

 とかアドバイスくらいはしてみたい。

 そんな、思わず熱く振りかぶってしまうくらいには「バックパッカー魂」が、まだ残っている私なのでした。
 

 

 (続く

 
 

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イージスの盾 三浦弘行vs飯塚祐紀 2005年 棋聖戦 森内俊之vs羽生善治 2005年度 第63期名人戦 第2局

2025年01月15日 | 将棋・好手 妙手

 見事な「受けの決め手」は楽しい。
 
 将棋の棋風というのはザックリ2つに分けられて「攻め将棋」と「受け将棋」。
 
 どちらを選ぶかは特技好みで分けられるが、私は「受け将棋萌え」である。
 
 あざやかな詰み必至もいいけど、どう見ても寄っているようにしか見えない玉が、最後ピッタリしのげている図などを見ると、もうウットリしてしまうのだ。
 
 
 


 2005年の棋聖戦
 
 三浦弘行八段飯塚祐紀六段の一戦。
 
 相横歩取りの激しい戦いから最終盤、先手の飯塚▲24歩とタラしたところ。
 
 
 

 

 後手玉は次に▲32竜から簡単な詰み
 
 一方、先手玉にはまだ詰みはなく、後手陣にこれといった受けも見当たらない。
 
 かといって△12銀とか受けるようでは、先手玉への攻めなくなり苦しそうだが、ここは三浦が読み切っていた。
 

 


 
 
 
 

 △12香と上がるのが受けの決め手
 
 と言われても、見ている方にはなんのこっちゃだが、これで後手はを渡さずに必至をかける手段がない。
 
 たとえば、さっきのように▲32竜とするのは△同銀▲23金△11玉(!)。

 

 

 ▲32金必至をかけても飛車を渡してしまったから、△58竜▲同玉△38飛から詰まされる。
 
 ▲23歩成△同金▲同金△同玉▲31竜とこちらからせまるのも、今度はを渡すから△56桂から詰む。

 


 
 身動きの取れなくなった飯塚は▲42金とするが、そこでもやはり△11玉ともぐるのが決め手。
 
 
 
 

 ▲23歩成は詰めろでないし、▲32金と取っても△同銀で、これが自動的に先手玉への詰めろになるから▲同竜と取れない仕組みだ。

 

 


 
 ここで飯塚は投了
 
 早逃げで、

 

 を渡さずに詰めろや必至をかけられない」

 

 という局面に誘導する「ゼット」の応用編のような高等手筋だった。
 
 


 もうひとつは大舞台での受けの妙手を。
 
 2005年度の第63期名人戦七番勝負。
 
 森内俊之名人羽生善治三冠(王位・王座・王将)との第2局
 
 一手損角換わりから、大駒が乱舞する展開で終盤戦へ。
 
 
 
 
 後手が優勢の戦いだったようだが、羽生が△45歩角道を遮断したのが良くなかった。
 
 △67成銀をねらっているが、次の手がピッタリの受けだったからだ。
 
 
 
 
 
 ▲48金と寄るのが、森内の力を見せたしのぎの技。
 
 △39竜と取るのは▲57金で受け切り。
 
 
 
 
 かといって本譜の△48同成銀では、攻め駒がソッポに行かされて、スピード勝負で明らかに負ける。
 
 以下、▲66香と設置して、△39竜▲63香成△83玉▲75桂と殺到して先手が勝ち。
 
 
 
 
 成銀僻地へ飛ばされ、先手玉にまったく寄り付きがないから、後手はどうしようもない。
  
 こんな手を3筋で遊んでいたはずの金銀で食らわせるなど、森内からすればガッツポーズでもしたくなったことだろう。
 
 これで1勝1敗のタイに持ちこんだ森内は勢いに乗って、4勝3敗のフルセットの末に名人を防衛
 


(三浦の終盤力を見せた大熱戦と言えばこれ) 

(その他の将棋記事はこちらから)
 

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丸山ゴンザレスのクラウドファンディング『バックパッカー・シンドローム』に参加してみた

2025年01月12日 | 海外旅行

 初めて、クラウドファンディングなるものに参加してみた。
 
 クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集め、プロジェクトを実現させる仕組みのこと。
 
 吝嗇貧乏な自分には無縁なシステムだと思っていたが、この度ここにデビューとなったのだから、人生とはわからないものである。
 
 支援することになったのは、丸山ゴンザレスさんのプロジェクト。
 
 『バックパッカーシンドローム』という同人誌で、今は滅びかけているらしい、

 

 「日本人バックパッカー」

 

 という文化を文字として残すというものだ。
 
 テレビ番組『クレイジージャーニー』や、元受刑者から薬物の専門家など、幅広いゲストをあつかうYouTubeの『裏社会ジャーニー』などで有名だが、そんな丸山さんには、実はもうひとつの顔がある。
 
 それが「バックパッカー」だったということ。
 
 1990年代半ばから、2000年代前半にあった「海外(アジア)旅行ブーム」のど真ん中に青春を過ごし、
 
 


 『地球の歩き方』
 
 『深夜特急』
 
 『旅行人』
 
 『バックパッカーズ読本』
 
 『12万円で世界を歩く』
 
 『Gダイアリー』



 
 
 なんてワードを耳にすると、「なつかしい!」という声と同時に、
 
 
 「このせいで、人生を狂わされましたよ」
 
 
 苦笑するという、因果なオジサンたちのひとりであるわけだ。
 
 実際にマルちゃんが今のような仕事をするようになったのも、この「バックパッカー体験」の延長であるのだという。
 
 今回、このクラファンにお金を出したのは、まさに自分も同世代の「バックパッカー」だったから。
 
 自分の場合、当時の王道であった、
 
 


 沢木耕太郎深夜特急』か、蔵前仁一ゴーゴーインド』『ゴーゴーアジア』を読む。
 
  ↓
 
 タイインドをぶらついているうちに旅中毒にかかる。
 
  ↓
  
 地球の歩き方』や『旅行人ノート』片手にユーラシア横断



 
 
 というパターンからは、ややハズれていて、

 


 テニスグランドスラム大会目的で海外へ。

  ↓

 そこで「外国って、こんなオモロイんや!」と開眼

  ↓

 ヨーロッパを主戦場に、マグレブエジプトモロッコなど北アフリカ)にトルコというイスラム圏。

  ↓

 アジアはブームが終わってから。


 

 みたいな感じだけど、同時期に旅にハマり、ザックかついで世界を経めぐっていたのは共通するところ。

 ちなみに、アジアを後回しにしたのは近くいつでも行けるから、将来長い休みが取れなくなったときに行こうと思っていたこと。

 モロッコとか、遠いところを体力あるうちに行っておこうとか、あと強かったから、

 

 「今のウチに物価の高いヨーロッパを押さえておこう」

 

 という思惑もあったりとか。

 今のエグい物価高を考えると、結果的には成功だったかなーって感じだけど、当時は収入のほとんどを旅に突っこんて、いつもしてましたねえ。
 
 きっかけや場所、旅のスタイルは違えど、そこにはやはり「同志」という感覚はあるわけで、ノスタルジックな気分になり小口(最低金額の5000円)ながら参加してみることにしたのだ。
 
 スタッフも豪華で、まず編集長を担当するのが『バックパッカーズ読本』『Gダイヤリー』でおなじみの室橋裕和さん。
 
 執筆陣には、日本唯一のバックパッカー専門誌『旅行人』の編集長だった蔵前仁一さん。
 
 『12万円で世界を歩く』の下川裕治さんに、『グレートジャーニー 人類400万年の旅関野吉晴さん。
 
 さらには私も大ファンで、本をほぼコンプリートしている辺境作家高野秀行さんなど、レジェンド級の旅人がズラリと並ぶ。
 
 これは野球で言えばブライアントリベラデービスオグリビー藤井寺球場に集結するようなものである(←なんで例えが急に関西ローカルなのか?)。
 
 1冊5000円の本となれば、なかなかの値段だが、このラインアップを見れば、それだけの価値はあると見る。
 
 届いたら、またここで紹介します。楽しみ。

 

 (続く
 
 

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一歩千金 中原誠vs大山康晴 1981年 第22期王位戦 第7局

2025年01月09日 | 将棋・好手 妙手

 「一歩千金

 とは、よく言ったものである。

 将棋において、というのは最弱の駒だが、持ってないと困るケースというのは枚挙に暇がない、という不思議な存在でもある。

 序盤仕掛けをはじめ、中盤で敵陣にアヤをつけたり、攻めとか、その用途は無限

 終盤だと玉頭戦などで、がないと選択肢がグンと狭まってしまうのだ。そう、

 

 「歩のない将棋は負け将棋」

 

 なので、プロのみならず、われわれレベルのアマチュアでも「歩切れ」というのは本当にイヤなもの。

 今回はそんな一枚が、勝負を決めた将棋を紹介したい。

 


 

 1981年の第22期王位戦

 中原誠王位と、大山康晴王将との七番勝負。

 シリーズ前半は中原がペースをつかみ、3勝1敗防衛に王手をかけるが、大山もそこからねばり腰を見せ、2番返して3勝3敗のタイに追いつく。

 決戦となった最終局

 先手の大山が三間に振ると、中原は天守閣美濃で対抗。

 タイトルの行方を決めるにふさわしい大熱戦となり、ものすごいねじり合いが展開される。

 大山有利で展開し、中原も苦戦を自覚しながらも、懸命の食いつきを見せる。

 

 

 △59角の王手に▲48銀打の受けなど、すごい形。

 △同歩成とボロっと取れるが、▲同銀引で強引に先手を取る。

 が逃げれば▲31竜で勝ちだから、後手も見捨てて△42金上と手を戻すしかなく、▲59銀に(▲21竜△22金ではじかれてしまう)△32銀と受ける。

 以下、▲75角△53桂▲31竜△22銀▲91竜△99と▲93角成でこの場面。

 

 

 


 先手も急場は脱したが、後手もその間にペタペタと自陣に駒を埋め、容易には手がつかない形に。

 中原の談話によると、先の▲48銀打では、▲48銀上のほうが良かったようだが、かなり怖い手でもある。

 なんにしろ激戦であって、先手がまとめるのも大変そうだが、後手もとにかく歩切れが痛い。

 大駒がないこともあって、よほどうまく攻めないと、切れてしまいそう。

 そうなれば、「受けの大山」が力を発揮しそうだが、ここで中原が見せたのが、ちょっと思いつかない一手だった。

 

 

 

 

 

 △98と、と引くのが、驚愕の一手。

 ねらいはもちろん、次に△97と、で歩切れを解消しようとするものだが、それにしたって、こんな橋の向こうに転がっているような、と金を使うという発想が信じられない。

 だが、この牛歩より遅そうなの歩みが、先手陣を攻略するのに、もっとも速い攻めだというのだから恐れ入る。

 次に歩を取って△36歩激痛で、こうなると後手の攻めが切れない。

 先手は▲96歩みたいな手で逃げようにも、しつこく△97と、とひっつかれて無効

 ▲93がいるから、この鬼ごっこは▲94の地点で、あわれ捕まってしまうのだ。

 

 

 

 

 まさか、弾切れ寸前の戦線の、こんなところに補給物資が埋まっていたとは、だれも思いつくまい。

 大山は▲64歩と攻め合いに活路を見出そうとするが、△33桂▲47香△97と▲63歩成

 そこで△36歩と、ノド元にチョップが入って後手勝ち

 

 

 

 以下、▲同桂△同桂▲同玉△44桂と王手で押さえる。

 ▲37玉に、△55香と退路を塞いで、▲57歩△45桂右で、あざやかに決めた。

 

 

 これが大山のディフェンス網を突破するために磨き上げた、

 

 「中原の桂」

 

 ▲45同歩△同桂▲同香と取らせると▲47の地点が開くのがポイント。

 単に△36金と打つと、▲48玉△37金打▲58玉から左辺に逃げられるが、△36金打△47金打と追えばそれができない。

 そのまま寄せ切って、中原が王位防衛を果たすのである。

 


(中原の軽やかな桂使いと言えばこれ

(その他の将棋記事はこちらから)

 

 

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ありがとうサタディ・バチョンで思い出は全部語る映画とともにロシアの『フライト・クルー』 その2

2025年01月06日 | 映画

 前回の続き。

 深夜ラジオで、年始に見たロシア映画の『フライト・クルーについて、アシスタントのアコちゃんに熱く語るシャロ村ジュン先生。

 人命救助に飛び立ったエリートパイロットのアレクセイだったのですが、洪水のように流れる灼熱の溶岩に道をふさがれ立往生。

 このまま、なにもできずに終わるのか。

 しかしそこに、かすかな希望の光が……。

 

 

 

絶望にくずれ落ちそうになるところ、どこからか声が聞こえてきた、
 

 


 「アホ、ここであきらめてどないすんねん、天才パイロット!」



 

 「え?」と振り向くと、そこにはCAのアンドレイの姿が。


 


 「アンドレイ、おまえここで、なにしてるんや!」

 「なにって、救助活動に決まってるやないか」

 「でも、おまえの仕事は……」



 

 そこでアンドレイはニヤッと白い歯を見せて、

 

 


 「オレもおまえも、仕事は同じ。乗客の命を守ることやないか」



 

 そう言うと、なんとアンドレイはシャツを脱ぎすて、やおら溶岩の海に飛びこむ

 なんてことをするんや! 死ぬ気か! 

 思わずさけぶアレクセイやが、しばらくするとアンドレイは向こう岸から疲れ切った人々を、大量に乗せた輸送車を運転して帰ってくる。

 

 

すごい、カッコイイやん。


 

 

そこにおる全員が「よっしゃ!」とガッツポーズを決める。

 

 


 「大丈夫、全員無事や!」

 「それはええけど、アンドレイ、おまえは平気なんか?」



 

 そこでアンドレイは鼻をこすると、


 


 「ああ、実はオレ、昔は素潜りのオリンピック選手やったんや」

 「ポセイドン号みたいな奇蹟やな。でも、熱くないんか?」

 「なーに、コーヒーを煎れるんで、なれてるんや」



 

 それを聞いて、思わず笑いあう二人。男の友情が生まれた瞬間です。

 だがしかし、その熱い場面は轟音によってかき消される。
 
 がけ崩れが起こって、巨大なが2人の上に転がってくる。

 危ない! 間一髪でよけたが、一難去ってまた一難。そこに、狂ったライオンのような吠え声が響き渡るんや。

 

 

えー。もうやめたげてー。

 

 

なんや、なんなんや! パニックになりそうな中、くずれた山肌を見上げると、なんとそこには巨大怪獣が!

 体長1キロメートルはあろうかという、でっかいでっかいアザラシの怪獣マグマラーがはい出てくる。


 


 「こいつや、こいつが噴火の原因やったんや!」

 「なんてことや、この科学島は旧ソ連極秘施設やったが、まさかこんなもんを開発してたとは……」



 

 さすがの勇気ある2人も、これにはどうしようもない。絶体絶命かと思われたとき、なんと空から1機の航空機が飛んでくる。

 あれはなんや! アレクセイが空を見上げる。ジェンチェンコさんの飛行機や! アンドレイが応える。

 そこに無線が入る。声の主は、もちろんジェンチェンコや。
 

 「ワシや。これから当機は怪獣に特攻をかける!」
 

 なんやて! そんな無茶な。そんなことをしたら、アンタも死んでまうんやで!

 

いやー、そんなんイヤやわー。

 

 

 

しばらく間があったあと、
 

 


 「ええんや。こんな事故を起こしていしまったのも、元はと言えばワシらの責任や」



 

 ジェンチェンコによると、冷戦時代、彼もまたこの科学島で働いていたスタッフだった。

 そして、西側諸国への軍事的対抗策として、この悪魔のような怪獣を開発していたと。

 

 


 「まさか、コイツがまだ生きとったとは……。この責任は、ワシらの世代が清算せなアカンのや。若いおまえらは生きろ。そして、新しい平和なロシアを作っていくんや」

 「機長!」

 「あとはまかせた。死ね、怪獣!」



 

 ドカーン! ボーンドーン

 機長の体当たりで、怪獣は大きなダメージを受けた。やったで!

 ジェンチェンコの最後の言葉に、泣き崩れるアレクセイ。
 
 


 「ドアホ、機長の死をムダにするつもりか、このぼけなす!」



 
 
 彼を強引に立たせるアンドレイ。

 大きな犠牲は払ったが、なんとか住民を助けることには成功した。あとは飛行機を発進させて、安全な場所へ帰るのみ。

 アレクサンドラと分けて、2機の飛行機で飛ぶことになったが、不運なことに燃料が少ない。

 飛ぶにはギリギリや、もし失敗してもやり直しはきかん。まさに気合発進気合着陸

 

 

 

へー、どうなんの?

 

 

なんとかもってくれ。飛べ、飛んでくれ、フェニックス! なんとかワシらと乗客の命を救ってくれ!

 祈るようにハンドルを握るアレクセイ。それが通じたか、機体は見事に浮かび上がった

 

 

やったー、すごーい。

 

 

飛んだ! こうなったら冷静になるアレクセイは、ゆっくりとクラッチを切ってアクセルを踏みこむ。あとは自動操縦にまかせたらええ。
 
 これでついに、すべてのミッションをクリア。飛行機は救助者を乗せて、とうとうモスクワの空港に到着。

 大きな犠牲は払ってしまったが、それでも救われた命も多かった。ようやってくれた。

 プーチン大統領の言葉に、敬礼で答えるアレクセイらクルーたち。

 

 

 

 わー、空手八段の人やー。

 

 

 

 その後、災害の後処理をするため、またも飛ばなければならない国際救助隊やが、その前に束の間の休息があたえられる。

 そこでアレクセイは言うんや、


 


 「オレはこの事件から、自分が本当に大事に思っているものを見つけたんや……」



 

 その先にいるのは、恋人やったアレクサンドラ……やなくて、CAのアンドレイ

 彼もまた、無言でうなずく。

 2人はを取り合うと、
 

 


 「今夜は俺たちが大噴火だな」

 「へへ、救助を呼ぶほど激しいのは勘弁してくれよ」



 

 アッハッハとこだまする、男たちの笑い声。ふんどし姿でビーチを走る2人。
 
 『戦国自衛隊』と『ヒーローインタビュー』リスペクトの美しいラストシーン。聞こえてくるエンディングテーマ、流れるスタッフロール

 

 

感動やわー。 

 

 

 

 さて、ここから話はどうなるのか。

 

 

 

どうなるの?

 

 

 

 続きは映画館でお楽しみください。


 

 


 注1・シャロ村さんは「レビューのために、もう1回見直す」のがめんどくさいので、記憶をもとにだいたいで再現する「黒岩涙香スタイル」を採用しています。

 

 注2・読んだ方の中には「ネタバレだ!」と怒る人もいるかもしれませんが、たぶん3割くらいしか正確な情報がないので、安心してご鑑賞ください。
 


 注3・『ありがとう浜村淳』が、いつの間にか週1放送に。
 
 中学生時代、通学路に停まっている軽トラのラジオから流れてくる、浜村さんの極右トークを聴くのが朝の楽しみでした。 


 
 注4・『サタディバチョン』は北村安湖さんのファンでした。

 この世代の関西人にとって映画レビューは「全部語るがデフォですよね。
 

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ありがとうサタディ・バチョンで思い出は全部語る映画とともにロシアの『フライト・クルー』

2025年01月05日 | 映画

はい、今夜もはじまりました、ラジオ大坂で土曜の夜は「バントでバント 馬超といこう!」。こんばんは、パーソナリティのシャロ村ジュンです。

 

こんばんは、アシスタントの吉竹アコでーす

 

 

年も明けて2025年。

 

 

開けましたねー。

 

 

実にめでたいけど、アコちゃんは年末年始はなにしっとたんかな?

 

 

わたしはねー、家で映画を観てたんですよ。

 

 

 

えーやないですか。寝正月とは贅沢なもんや。で、どんな映画を観てたんかな?

 

 

えーと、ベルイマン第七の封印』と『スターリングラード』のドイツ制作版と『ブルージャスミン』。

 

 

なんか、景気悪い映画ばっかりやがな。てかそれ、ここの著者がホンマに年始に見たやつやん。

 

 

新年早々、めっちゃ微妙な気分になりましたねー。

 

 

 

なにをやっとんやかキミは。じゃあ、さっそくコーナーに行こうか《カムイ伝は映画とともに》のコーナー。

 

 

シャロ村さんが、おもしろかった映画を語るお時間。このコーナーは星川航空の提供でお送りします。

 

 

今日はロシアからやってきた、血沸き肉躍るアクション大作『フライトクルー』という映画を紹介いたします。

 

 

ロシア映画。ちょっと、あんまりなじみがないかも。シベリアで働かされそう。

 


この映画、タイトルからわかる通り、いわゆる「航空サスペンス」というやつなんですが、まず、主人公がアレクセイという男。

 この青年はロシア軍のスゴ腕パイロット。ところが上官とのトラブルで軍をクビになってしまう。

 傷心のアレクセイは、友人のアドバイスで民間の航空会社に再就職するんですが、なんせそこは若くて血気盛んな若者のこと。

 コンビを組む、真面目な上司ジェンチェンコとソリが合わんかったり、恋人である、これもパイロットののアレクサンドラとケンカしたり、なにかとトラブルが絶えない。

 

 

 

はー、問題児さんなんやねー。

 

 

 

中でも、CAアンドレイとの確執が問題やった。

 マッチョな軍隊の世界を生きてきたアレクセイにとって、CAなんぞのやる仕事と決めつけて、ジェンチェンコに、
 


 「もっと仲間に敬意を持て」



 

 なんて、しかられる始末。

 でも、このアレクセイ、パイロットとしては一級品なんですな。

 何度目かのフライトでは、着陸時に曇天で管制塔との連携がうまくいかず、あわや他の飛行機とニアミスというピンチを、見事な判断で回避している。

 

 

へー、メッチャすごいやん。

 

 

 

 その差はわずか数ミリ! あと、小指の爪ほどにもインド人……やなかったハンドルを右に切ってたら、それで正面衝突のオジャンや。

 これにはジェンチェンコも、
 
 


 「やるやないか、問題児」



 
 
 おどろきを隠せへん。

 で、話が動き出すのが、ある事件からで、なんと旧ソ連時代から使われてるロシアの科学島で、火山の噴火が起こった。

 鳴り響く警告音
 
 


 「大変や!」
 
 「どないなってるんや!」
 
 「救助を送らな!」



  
  
 大パニックになるロシア政府。

 そこで白羽の矢が立ったのが、アレクセイの勤めるアエロフロート・ロシア航空のスタッフ。

 政府は彼らを派遣して、空路で島の住民を逃がそうと計画する。

 ところがこれが、そんな簡単な作業やない。

 

 

 

そうやんねー。

 

 

 

 

 なんと言うても、噴火の規模がハンパやない。到着したアレクセイたちが茫然と立ち尽くすほどに、火山は大暴れ

 ドカン! ボカン! ガシン

 うなる轟く噴火音、怒り狂ったように鳴り響く雷鳴豪雨強風ドーン! ドーン! ガガーン

 ここは地獄か、まさに黙示録高さ1000メートル大津波も襲いかかってくる!

 

 

 

えー、メッチャこわいー。

 

 

 

助けを求める住人たちやが、まだ飛行機は飛び立つわけにはいかん。

 そらそうや、まだ科学島の奥には研究所で働くスタッフと、その家族が閉じ込められてる。

 なんとか助けんと! アレクセイが腕まくりするのにはワケがある。

 というのも、彼はその前のフライトで某国に着陸したんやが、なんとそこでクーデターに巻きこまれてしまったんや。

 幸いというか、外国人であるアレクセイとジェンチェンコらは出国をゆるされたが、コックピットの窓から見える阿鼻叫喚が彼らにショックをあたえる。

 改造バイクに乗ってで武装したモヒカン愚連隊が、「ヒャッハー!」とばかりに、罪のない者たちを襲いまくる。

 拉致され、子供皆殺し

 も全員、でつながれて、新たなになった男のため、巨大観音像建造の奴隷労働を強いられる。

 

コワイわぁ。それからどうなるの?

 

 

 

それを見ても、なにもできないアレクセイたち。
 
 なんやこれは。オレはなんて無力なんや。こんなヒドイことがあってもええんか!

 このときのトラウマが、アレクセイを縛っている。それを解放するためにも、オレはやらなあかん!

 立ち上がったアレクセイやが、その道は苦難に満ちている。

 ジープを駆って山の上にむかうけど、その行く手をはばむ溶岩の洪水。なんとその温度は1兆度

 ふれるどころか、近寄っただけでもケシズミになるという、まさに灼熱地獄の中、アレクセイのジープは立ち往生。

 アカン、このままでは救助どころか、オレまでやられてまう!

 

 

 

うわー、大ピンチ。

 

 

絶望に打ちひしがれるアレクセイ。でもそこに、思いもかけないことが起こる!

 


えー? なにが起こったん?

 

 

それは次回に続きますのんや。

 

 

(続く)

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新年日記2025 ペトゥラ・クラーク/大西泰斗/うさみ/ノージョブフドウ/桂米朝/衿沢世衣子 登場

2025年01月02日 | 日記

 1月 某日 
 
 ある年始の日記。
 
 11時半起床。寒い。もうずっと寝ていたい。
 
 とりあえず、最新休日の習慣になっている起き抜けの散歩
 
 本当は「朝活」として早朝とかにやるべきなんだろうけど、夜型ダメ人間はランチタイムに行う。
 
 1時間ほど歩いて帰宅。朝風呂。このところ首が痛いので、しっかり湯につかって血行を良くする。
 
 シャワーを浴びて朝食。キウイアーモンド、トーストにブルーベリージャム
 
 ジャムはドイツのちょっといいやつ。こういうささやかな贅沢が、ひとり暮らし独身貴族を楽しむコツ。

 BGMにオリビアニュートンジョンカントリーロード』。ペトゥラクラーク他人の芝はいつも青い』。『ひらけ!ポンキッキ』で流れてた『功夫淑女』など。

 午前中は映画を見る。韓国の『隣人』。おもしろい。
 
 陰惨な話なのに、それを感じさせない、妙なおかしみもあったり。
 
 うまく言葉にできないけど、韓国映画っぽい「なんか」な違和感がありつつも、「ちゃんと作ってる」感があるというか。

 なんとなく天井をクイックルワイパーで拭いて、昼食
 
 塩コショウニンニクだけで炒めたチャーハン。阿呆でも作れて美味。てか、ニンニク入れれば、なんでもうまくなるのよな。
 
 午後からはコーヒーを飲みながら、ひたすら読書ウィリアムアイリッシュ妄執の影』。
 
 私はこの人の大ファンだが、パルプマガジン出身で作品数も多いということで、結構というかかなり駄作も多い人。
 
 ハズレを引くと、ふつうは怒るところだが、もう山ほど読んでいるので、こうなると逆にそれが「アタリ」に感じてしまうのはマニアックなファン心理か。
 
 少し昼寝して、『ラジオ英会話』聴いて、ラテン語の本をパラパラと読むというよりは眺める。うーん、なに書いてあるのかわからん。

 休みなので生産的なことをする気も起こらず、こういうときはボーッと見られるものがいいということでゲーム実況。「うさみは、今日も世界を救う

 ファミコン版『ドラゴンクエスト2』を初見プレイのノーヒントで挑むとか、勇者が過ぎる行動に。

 いやまあ、ワシらもキッズのころは、こうやってたんですが。攻略サイトどころか攻略本もないし。

 よくレトロゲームの話題で「太陽の紋章が」「ラゴスが」「金の鍵が」言うてますが、ウチらは全部「自力」発見やったんやー!

 特に太陽の紋章を見つけたときは、友人連中に「ようやった!」「大ファインプレーや!」と称賛の嵐。

 

 「は全調べ」

 「黒いところは全タックル」

 「外周は一周する」

 「あらゆるところで全部の道具を使う」

 

 をやれば、なんとかなります。これでラゴスとか、わりとアッサリ見つかったもの。

 要するに「ローラー作戦」。メチャ大変。ヒマだったんだなあ。

 それにしても、かわいらしい女性がロンダルキアへの洞窟で悲鳴を上げている姿は萌えですなあ。

 夕食はちょっと胃が重いのでおかゆ
 
 といっても、ふつうのだと物足りないので中華スープの元にザーサイメンマなど入れて中華風に。
 
 台湾旅行を思い出しながらいただく。台湾は2回言ったけど、また行きたいなあ。
 
 寝正月なので引き続きYouTubeラジオなど。

 旅動画でノージョブフドウとかゆっくりトラベルとか。

 私は自分と他人をくらべて優越感とか劣等感を感じる趣味はないので、周りが出世しようがで儲けようが恋人ができようが、あまり気にしないが、なぜか海外旅行だけは別。
 
 だれかがどこかに出かけたという話を聞くと、途端に不機嫌になり、


 
 「さわやかな感じでやっとるけど、絶対コイツ裏でパワハラしてるわ。バイトのスタッフとか蹴ってるで。にも汚いにちがいない」

 女ひとり旅とかいうてるけど、だいたいこういうのはと来てるねん。色恋営業か? オレはだまされへんぞ! なめるな!」
 


 などと、楽しい旅動画に対して誹謗中傷をたれ流しはじめる。

 SNSやってたら、きっとゴールデンウィークか夏休みごとに炎上してることだろう。いそがしいことだ。
 
 でもまあ、外国の風景を動画にしてくれるのはありがたいことで、家で旅気分を味わう。モンテネグロが楽しそう。
 
 寝る前に少し読書。桂米朝米朝ばなし 上方落語地図』。
 
 衿沢世衣子さんの『ちづかマップ』の影響で、大阪の古地図に興味が出てきたのだ。
 
 学生のころ落語をやってたけど、米朝師匠がおとろえてからは、すっかりご無沙汰だった。
 
 久しぶりに聞いてみようかなあ。でもって、そのゆかりの地を今、あらためて歩いてみるのもでいいかも。

 『住吉駕籠』聴きながら住吉さんにお参りするとかね、なんて考えながら眠りに落ちる。

 

 

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