1月 某日
ある年始の日記。
11時半起床。寒い。もうずっと寝ていたい。
とりあえず、最新休日の習慣になっている起き抜けの散歩。
本当は「朝活」として早朝とかにやるべきなんだろうけど、夜型ダメ人間はランチタイムに行う。
1時間ほど歩いて帰宅。朝風呂。このところ首が痛いので、しっかり湯につかって血行を良くする。
シャワーを浴びて朝食。キウイ、アーモンド、トーストにブルーベリージャム。
ジャムはドイツのちょっといいやつ。こういうささやかな贅沢が、ひとり暮らし独身貴族を楽しむコツ。
BGMにオリビア・ニュートン・ジョン『カントリーロード』。ペトゥラ・クラーク『他人の芝はいつも青い』。『ひらけ!ポンキッキ』で流れてた『功夫淑女』など。
午前中は映画を見る。韓国の『隣人』。おもしろい。
陰惨な話なのに、それを感じさせない、妙なおかしみもあったり。
うまく言葉にできないけど、韓国映画っぽい「なんか変」な違和感がありつつも、「ちゃんと作ってる」感があるというか。
なんとなく天井をクイックルワイパーで拭いて、昼食。
塩コショウとニンニク、卵だけで炒めたチャーハン。阿呆でも作れて美味。てか、ニンニク入れれば、なんでもうまくなるのよな。
午後からはコーヒーを飲みながら、ひたすら読書。ウィリアム・アイリッシュ『妄執の影』。
私はこの人の大ファンだが、パルプマガジン出身で作品数も多いということで、結構というかかなり駄作も多い人。
ハズレを引くと、ふつうは怒るところだが、もう山ほど読んでいるので、こうなると逆にそれが「アタリ」に感じてしまうのはマニアックなファン心理か。
少し昼寝して、『ラジオ英会話』聴いて、ラテン語の本をパラパラと読むというよりは眺める。うーん、なに書いてあるのかわからん。
休みなので生産的なことをする気も起こらず、こういうときはボーッと見られるものがいいということでゲーム実況。「うさみは、今日も世界を救う」
ファミコン版『ドラゴンクエスト2』を初見プレイのノーヒントで挑むとか、勇者が過ぎる行動に。
いやまあ、ワシらもキッズのころは、こうやってたんですが。攻略サイトどころか攻略本もないし。
よくレトロゲームの話題で「太陽の紋章が」「ラゴスが」「金の鍵が」言うてますが、ウチらは全部「自力」発見やったんやー!
特に太陽の紋章を見つけたときは、友人連中に「ようやった!」「大ファインプレーや!」と称賛の嵐。
「床は全調べ」
「黒いところは全タックル」
「外周は一周する」
「あらゆるところで全部の道具を使う」
をやれば、なんとかなります。これでラゴスとか、わりとアッサリ見つかったもの。
要するに「ローラー作戦」。メチャ大変。ヒマだったんだなあ。
それにしても、かわいらしい女性がロンダルキアへの洞窟で悲鳴を上げている姿は萌えですなあ。
夕食はちょっと胃が重いのでおかゆ。
といっても、ふつうのだと物足りないので中華スープの元にザーサイ、鶏肉、メンマなど入れて中華風に。
台湾旅行を思い出しながらいただく。台湾は2回言ったけど、また行きたいなあ。
寝正月なので引き続きYouTubeやラジオなど。
私は自分と他人をくらべて優越感とか劣等感を感じる趣味はないので、周りが出世しようが株で儲けようが恋人ができようが、あまり気にしないが、なぜか海外旅行だけは別。
だれかがどこかに出かけたという話を聞くと、途端に不機嫌になり、
「さわやかな感じでやっとるけど、絶対コイツ裏でパワハラしてるわ。バイトのスタッフとか蹴ってるで。金にも汚いにちがいない」
「女ひとり旅とかいうてるけど、だいたいこういうのは男と来てるねん。色恋営業か? オレはだまされへんぞ! なめるな!」
などと、楽しい旅動画に対して誹謗中傷をたれ流しはじめる。
SNSやってたら、きっとゴールデンウィークか夏休みごとに炎上してることだろう。いそがしいことだ。
でもまあ、外国の風景を動画にしてくれるのはありがたいことで、家で旅気分を味わう。モンテネグロが楽しそう。
寝る前に少し読書。桂米朝『米朝ばなし 上方落語地図』。
衿沢世衣子さんの『ちづかマップ』の影響で、大阪の古地図に興味が出てきたのだ。
学生のころ落語をやってたけど、米朝師匠がおとろえてからは、すっかりご無沙汰だった。
久しぶりに聞いてみようかなあ。でもって、そのゆかりの地を今、あらためて歩いてみるのも粋でいいかも。
『住吉駕籠』聴きながら住吉さんにお参りするとかね、なんて考えながら眠りに落ちる。