四川航空の無料トランジットホテルは「ロンダルキアへの洞窟」並みに苦戦した。
前回はホテルにたどり着く「模範解答」だけサックリお届けしたが、それはあくまで「ダイジェスト版」で実はチェックインできるまで、迷いに迷い大変であった。
マジでそこまでのトライアル&エラーがハンパではなく、実際にくわしくレポートしたら、ちょっとした「サーガ」になるほどなのだ。
なので、解答編をお届けできてホッとしてるのだが、もうひとつだけ補足情報を。
四川航空のカトマンズ行き便の特徴に、行きではしつこいほど
「成都で荷物を受け取ってください。カトマンズまで持って行ってはくれません」
と念を押される。
よくはわからないが、カトマンズまでダイレクトでは運んでくれないのだ。
これにはネットでも「ありえない!」「不便すぎる!」と怒っている方もおられたが、まあ安いチケットとはこういうものである。
ところが、ややこしいことにこれが、帰りの便では成都で1泊しても、カトマンズから関空までダイレクトに送ってくれる。
なんで? チェックイン時に「関空までダイレクト」って言われて、そのタグをバックパックにつけられたときは、これまたあせった。
「行きは成都で絶対に荷物を受け取れって言われたけど、帰りはいいの?」
というのを英語で質問するのが大変で、これまた大汗をかくことに。
もし、荷物を受け取らなかったことによって、成都でのトランジットでゴチャゴチャ言われないか?
実際、乗り継ぎの滞在許可を取るとき、いかにも警察か軍隊かという雰囲気のスタッフに、えらいこと高圧的な態度を取られたのだ。
「なに? 荷物は持ってない? それで1泊するっておかしくないのか? であえい曲者め!」
なんてことになって、
「スパイ容疑で邦人拘束」
なんてことにならないのか。もうビビりまくりである。
しかも、むこうは「問題ない」ことを知ってるから、こっちの英語の下手さに加えて、
「関空に直接運べるのに、その当たり前のことを、なんで質問してるのか?」
そこをわかってもらうのも時間がかかった。
四川航空、めんどいことせんといてよ! それか「帰りは荷物受け取らなくていいです」って、あらかじめ言うといて!
まあ、問題なかったのはよかったけど、こっちは帰りも荷物は成都で受け取るつもりだったから、着替えとかはバックパックに入れたまま。
おかげで、ホテルでパンツを履き替えられなかったのは痛恨であった。夏でなくてよかった。
こんなてこずるのは、私が抜け作なのもあるのだろうが、中国がまだ「観光国」として不慣れなところもあるのではないか。
成都天府空港のインフォメーションセンターでは英語が通じないし(翻訳アプリで会話はできる)、「よくわからない」ことが多い。
その証拠に、成都天府空港での乗り継ぎカウンターや滞在許可書を取る事務所とか、ホテルの送迎バスの中とかで、白人旅行者がみな一様に不安そうだったことがあげられる。
ヨーロピアンたちは英語が得意な人も多いし、そのせいで情報量も豊富。
また、事前にかなり現地のことを調べているので、基本的には旅先であわてたりパニックになったりしているのを見ないのだが、中国では本当にバタバタしていた。
そこは日本人とちがって「文字が読めない」というディスアドバンテージがあるわけだが、とにかくバタバタ走り回ったり、迷子の子どもみたいにキョロキョロしたり、めずらしいなーと思ったものだった。
その意味では、日本人の私の苦戦など存外にたいしたことはなかったのかもしれないが、かくのごとく、なかなかに罠の多い中華系航空会社。
安いし、飛行機自体もなんの問題もないけど、「はじめての海外」にはオススメできないかも。
ただ、成都の中国人はみんな親切で、もう寄ってたかって助けてくれたので
「人情で限界突破」
という手もありそうで、「悲しそうな顔」とかが得意な人にはオススメかもしれない。