スペイン語やフランス語をやってからイタリア語をやると、すごい楽に感じる。
というのは前回述べたことだが、これらの例はあげていくとキリがないほど。
例えば数字。
フランス語だと
un (アン)
deux (ドゥ)
trois (トロワ)
quatre (キャトル)
cinq (サンク)
スペイン語だと
uno (ウノ)
dos (ドス)
tres (トレス)
cuatro (クアトロ)
cinco (シンコ)
イタリア語だと、
uno (ウーノ)
due (ドゥエ)
tre (トレ)
quattro (クワットロ)
cinque (チンケ)
似ているというか、初心者のスペルミスみたいな微妙な違い程度しかない。
曜日もフランス語では、
月曜日=lundi(ランディ)
火曜日=mardi(マルディ)
水曜日=mercredi(メルクレディ)
木曜日=jeudi(ジュディ)
金曜日=vendredi(ヴァンドルディ)
土曜日=samedi(サムディ)
日曜日=dimanche(ディマンシュ)
スペイン語
月曜日=lunes(ルネス)
火曜日=martes(マルテス)
水曜日=miércoles(ミエルコレス)
木曜日=jueves(フエベス)
金曜日=viernes(ヴィエルネス)
土曜日=sábado(サバド)
日曜日=domingo(ドミンゴ)
イタリア語
月曜日=lunedì(ルネディ)
火曜日=martedì(マルテディ)
水曜日=mercoledì (メルコレディ)
木曜日=giovedì(ジョヴェディ)
金曜日=venerdì (ヴェネルディ)
土曜日=sabato(サーバト)
日曜日=domenica(ドメーニカ)
文章にしても、たとえば「猫がお肉を食べます」だと、
フランス語=Le chat mange la viande.
スペイン語=El gato come la carne.
イタリア語=Il gatto mangia la carne.
ポルトガル語=O gato come carne.
なんか言語ごとに「てれこ」になってる感じで、どんなに上手にかくれても「身内」であることはバレバレなのだ。
これがねえ、ムチャクチャにハードルを低くしてくれる。
もちろん、全部が同じなわけではないし、
「grend-mère」
「abuela」
「nonna」
のように予測不能なものもあるけと(それぞれ仏・西・伊で「おばあさん」)、それでもとっつきが全然違う。
極端に言えば、「われわれ」(英語のwe)がどれも「n」の音ではじまる、みたいな程度でも、記憶へのフックが全然変わってくる。
それこそ、トルコ語とくらべてみよう。
1=bir (ビル)
2=iki (イキ)
3=üç (ユチュ)
4=dört (ドルト)
5=beş (ベシュ)
月曜日: Pazartesi (パザルテシ)
火曜日: Salı (サル)
水曜日: Çarşamba (チャルシャンバ)
木曜日: Perşembe (ペルシェンベ)
金曜日: Cuma (ジュマ)
土曜日: Cumartesi (ジュマルテシ)
日曜日: Pazar (パザル)
Kedi et yer. 「猫が肉を食べる」
当然だけど、まるで別物。
こうなると、おぼえられないのよ。
こうして私はロマンス語群どころか、インド・ヨーロッパ語族とも無縁なフィンランド語にビビり、イタリア語への道を邁進するのだった。
もうこうなったら、いっそラテン語もやったろかしらん。どこで使うねん。