前回の続き。
かつてドイツ文学科で学び、ドイツ語をやっていた流れでオランダ語をやってみることになった私。
この「ハーリング作戦」のベースになるのが、語学好きの間ではよく聞くこれ、
「オランダ語は、ドイツ語と英語を混ぜたような言葉」
なら私のようなもとドイツ語野郎が参入すれば、もう余裕っちのへっぽこぷーでマスターできるのではないかという算段だ。
ということで、基礎オランダ語をあれこれ調べてみて、すぐにわかったのである。
「あ、オランダ語、メッチャ楽ですやん」
前回も言ったが、言語には「距離」があって、それが近ければ学びやすいし、離れているとむずかしく感じる。
イタリア語とフランス語は同じ「ロマンス語群」だから近いけど、日本語と英語はまるで違う。
なので、イタリア人にフランス語は敷居が低く、日本人に英語は大変で、それぞれ逆もまたしかりなのだ。
で、オランダ語は英語や、ドイツ語と同じゲルマン語派で「西ゲルマン語」という共通の祖先をもっている。
かなり近いというか、ほとんど兄弟なのである。
たとえば「猫」は英語で「cat」だが、オランダ語では「kat」(カツ)。
ドイツ語では「katze」(カッツェ)と、それぞれなかなか似ている。
「thank you」はオランダ語で「dank je」(「ダンクイエ」くらいの発音)。ドイツ語で「danke」(ダンケ)。
色とか「赤」は「red-rood-rot」(レッド・ロート・ロート)。「青」は「blue-blauw-blau」(ブルー・ブラウ・ブラウ)。
緑は「green-groen-grün」(グリーン・グローエン・グリューン)と、なんだか同じ単語の不規則変化かと勘違いするくらいに、おなじような響きを持っているのだ。
まあ、もとは同じ言語みたいなもんだから当然なんだけど、この3つは「伝言ゲーム」みたいな関係になっている。
「father」「vader」「Vater」。
読み方も「ファーザー」「ヴァーダー」「ファーター」。
ちょっとずつズレていく感じ。
I eat an apple.
Ik eet een appel.
Ich esse einen Apfel.
なんとなーく、わかっちゃう。
他にも「名詞に3つ性がある」とかもある。
ドイツ語とオランダ語は、ともに「男性名詞」「女性名詞」「中性名詞」の区別があって、それぞれ憶えていかないといけない、とか。
思わず、「ルパンめ、変装したつもりかしらんが、そうはいかんぞ!」と銭形さんの声で言ってしまいそうになるではないか。
(続く)