オランダ語をはじめてみた。
ここ数年、
「世界のあらゆる語学をちょっとだけやる」
ということにハマっている。
ここまでフランス語とドイツ語(学生時代の復習)、スペイン語、ポルトガル語、トルコ語、イタリア語をクリア。
数だけ並べればなかなかだが、クリアしてるのは中1程度で、
Il capoclasse a volte gli piace uscire.
(ハンチョウはときどき外出を楽しみます)
Quel interprete ha perso 62 miliardi di yen al gioco d'azzardo.
(その通訳はギャンブルで62億円負けました)
Sono molto vergine
(ボク、バキバキ童貞ですね)
くらいなら辞書アリなら意味を取れるのだから、これがバカにならない。
少なくとも、海外旅行で道を聞いたり、買い物をしたりくらいは問題ないレベルで、遊び程度の勉強でも案外使えるものなのだ。
フランス語だけは1年くらいやったけど(このときは他の言語をやるという考えがまだなかった)、あとはイメージとしては1~3か月やったら終了くらい。
要は飽きたり、むずかしくてしんどくなったら、やめていいわけで、じゃあ次はなにをしようかと問うならば、ここに浮かび上がってきたのがオランダ語。
オランダ語。
これまでのフランス語やイタリア語とくらべると、急にマイナーな感じだが、私的にはそうでなかったりする。
キーワードは「言語的距離」。
以前、トルコ語にチャレンジして、日本人には相性がいいと聞いていたものの、私は大苦戦。
その原因のひとつが、言語的数珠つなぎがなかったから。
われわれ日本人は苦手とはいえ、一応英語は勉強はしているもので(あとスピーキングなどが苦手なだけでリーディング能力は高い)、フランス語やスペイン語は結構その知識が役立ったりする。
ところがトルコ語は、そういった「インド・ヨーロッパ語族」とつながりがうすく、「ゼロスタート」なのが意外と壁になるのだ。
逆に言えば、言語の数を増やすときは「近い」ところを攻めるのが良く、
「スペイン語→ポルトガル語→イタリア語」
「ロシア語→ウクライナ語→チェコ語」
のような「親戚」を訪問するとストレスが少ないわけで、これはマルチリンガルである出口日向さんも、同じことをおっしゃっている。
そこでアピールしてくるのが、オランダ語。
なんといっても、私はこう見えて大学時代はドイツ文学専攻でドイツ語を結構ガチでやっていた。
でもって、オランダ語というのはドイツ語と非常に似ている。
というか、英語とドイツ語を混ぜて2で割ったような言語なのである。
なら受験で英語、専攻でドイツ語をやった私のためにある言語ではないか。
さらにもうひとつ、私はオランダ語に因縁があって、かつてヨーロッパを旅行した際にあったキタハマ君との出会い。
それこそ、一緒にオランダに遊んだのだが、彼は東京外国語大に通う学生さん。
専攻はマレー語で、その関係でインドネシア語やオランダ語にも堪能という語学マスターなのだった。
エピソードはこちらを見ていただくとして、彼との出会いは私にとって、なかなかのパラダイムシフトになっており、勝手に「知の師匠」と読んでいる。
そんなキタハマ君からは、簡単オランダ語講座を受けており、
「ビールのハイネケンはなぜかドイツ語読みしてるけど、本当はローマ字読みの《ヘイネケン》が正解」
「オランダ人を見分けるのは簡単。《g》でノドが、ゴッゴゴッゴ言う」
「アンネ・フランクの家でミープ・ヒースさんの英語に英語の字幕がついてるけど、それはミープさんの英語がすごいオランダなまりで、リスニングがむずかしいから」
オランダ語とドイツ語の相似についても、もちろんくわしくて、
オランダ語の授業はドイツ語やってる学生が多くいるが、先生が第一声
《おまえら、ドイツ語やってるから簡単だと思ってオランダ語の授業取っただろ。そうは問屋が卸さんぞ。なめるなよ」
とカマしてくる。
などなど、「へー」という豆知識はたくさん仕入れているのだ。
そのときは、自分がオランダ語をやるなんて思いもしなかったが、人生にはこういうこともあるんであるなあ。
(続く)