「これからキミたちに、スペイン語をやってもらいます」
デスゲームの開幕のよう、ボイスチェンジャーを通した声でそう言ってみたいのは、不肖この私である。
ここまでスペイン語は
などなど様々な「楽できる」プレゼンをしてきたが、まだまだ、おすすめポイントは存在する。
外国語学習のやはり大きな壁のひとつである動詞や、冠詞の格変化だが、これもスペイン語だとおぼえやすい。
たとえばフランス語で「話す」は「parler」(パルレ)というが、その活用というのが、
Je parle(私は話す)
Tu parles(君は話す)
Il/Elle parle(彼/彼女は話す)
Nous parlons(私たちは話す)
Vous parlez(あなた/あなたたちは話す)
Ils/Elles parlent(彼ら/彼女らは話す)
となるのだが、みなさんはどう発音しますか?
「ジェ パルレ」かなあ、あとは「チュ パルレス」「イル パルレ」。
「ノウス パルロンズ」「ヴォウス パルレズ」「イルス パルレント」かな?
そうなるのは自然だが、正解というのが、
Je parle (ジュ パルル)
Tu parles(チュ パルル)
Il/Elle parle(イル/エル パルル)
Nous parlons(ヌ パルロン)
Vous parlez(ヴ パルレ)
Ils/Elles parlent(イル/エル パルル)
ぱるる多すぎや! 昔のAKBか!
てゆうか、zとかsとかntとかどこ行ってん! 書いてるんやから、ちゃんと発音せえ!
その一方で、われらがスペイン語にいさんは、
yo hablo
tú hablas
él/ella/usted habla
nosotros/nosotras hablamos
vosotros/vosotras habláis
ellos/ellas/ustedes hablan
同じロマンス語群だから似てるんだけど、読みが全然違う。
上から
「ヨ アブロ」
「チュ アブラス」
「エル アブラ」
「ノソートロス アブラーモス」
「ヴォソートロス アブライス」
「エジョス アブラン」
嗚呼、やっぱりローマ字読み。
もちろんHを発音しないとか、Lが「ジ」になるとか例外はあるけど、これはシンプルな規則だし、山ほど出てくるから、すぐに慣れます。
それよりも、とにかく全部
「そのまま読めばいい」
というのが強く、「parler」と「hablar」と同じような活用なのに、圧倒的に後者の方がおぼえやすいのだ。
まあ、これは私が先にフランス語をやってて、ロマンス語群になれていたこともあるかもしれないけど、それでもやっぱり、スペイン語のほうが圧倒的に頭に残る。
個人的にはIls parlentが苦手で……。
どうしてもntが引っかかってしまうのだ。
もちろん、なれればどうってことないんだけど、
「あれ? ntついてるのって、発音せんでええんやんね。じゃあエル・パルル」
とか、ほんの0.1秒程度とは言え、頭によぎることがあると本当にノイズなのだ。
その意味でもホント、スペイン語は簡単というか、「親しみやすい」のかもしれない。
とにかくハードルが低いという意味で、仲良くなりやすいというか。
いわば、男にとってフランス語が「女友達」だとすれば、スペイン語は「男友達」。
いくら仲良くても、異性相手だと多少は身なりや言葉に気を使うけど、同性同士だとざっくばらんというか。
ちょっとぐらい雑でも「そんなん、全然オッケーやでー」と、ゆるしてくれそうな距離感。
そのアミーゴ! な感じが、理屈以上にスペイン語を勉強しやすい理由なのかもしれない。
少なくとも私は、一番ストレスなく勉強できたのはスペイン語です。
これ本当。ぜひお試しあれ。
(イタリア語編に続く)