●年休の時季変更とは
年次有給休暇(年休)の利用は、原則として従業員から使用者(実際には部下を管理している上司となるでしょう)に日時(労基法上では「時季」といいます)を指定することで足りますが、労基法には次のような条文があり、使用者として年休の時季を変更することができます。
労働基準法 第39条(年次有給休暇)
4 使用者は、前3項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
●安易な変更は認められない
ただし書きのように使用者は年休の時季を変更することができますが、安易な変更は避けてください。年休の変更ができるのは、「事業の正常な運営を妨げる場合」に限ります。単なる慢性的な人員不足などでは年休の時季の変更認められません。業務の調整をするなり、交代者を見つけるなりして、できるだけ希望する日に年休が利用できるような工夫や配慮を使用者として行なう必要があります。
年休の変更を頻繁に行なっている場合、部下からしてみると「年休を取らせないための嫌がらせ」と思われかねず、トラブルに発展する可能性がありますので気をつけてください。 【次号(来月11日記事)に続く】