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人事マネジメント研究所「進創アシスト」からの情報発信

■コラム■笑顔がコミュニケーションを阻害する

2022-10-16 00:00:39 | 人事マネジメントの視点
 
ボディーランゲージ(体が語る言葉)
アメリカの心理学者メラビアンがコミュニケーションに占める割合として、態度や表情で全体の55%で最も大きなウエイトを占め、次は声の調子で38%、話の内容は7%にしか過ぎないと報告している。すなわち、態度、表情、声の調子、そこから出てくる相手と向き合う姿勢などが印象を決定づけるという。
例えば、相手に悪い印象を持たれたくない、嫌われたくないという気持ちが大き過ぎて、多くの場面で笑顔になることがあるのではないだろうか。対人関係を重視する傾向が強い人は、そのような表情になりがちだが、返って、コミュニケーションを阻害させてしまうことをあまり認識していない。

言葉ではNoなのに、笑顔
本当は嫌なのに、怒っているのに、笑顔だとそれが相手に伝わらない。言葉ではNo,ダメだと言っているのに、笑顔でいると本当はOkだよね。もう少し押せば聞いてくれるはずと相手に思わせてしまう。結果、それに負けてOkを出してしまう。または、それでもNoと言えば、相手は怒らせてしまうこともある。表情でOkなのに、なぜNoと言うのか、相手は理解できないから。
コミュニケーションにおいて、表情と言葉を一致させることは大切である。Noというときに眉間に皺を寄せて睨む必要はないが、真剣な表情にならなければいけない。笑顔であってはいけない。
そんなことすぐ出来ると思っているかもしれないが、身についた習慣はそう簡単には変わらない。試しに、Noというときのあなたの会話を、近くの他の者に冷静に見てもらうとよい。または、ビデオを撮ってもらうと気づくことがたくさん出てくる。ぜひやってもらいたい。

言い訳が長くなると笑顔になりやすい
もう一つ、Noというときに言い訳が長くなるのも、笑顔に近づく一つの理由。言い訳を重ねていると、次第に何を本当は言いたかったのかがわからなくなってくる。自分の中で「あれ、何だったっけ」 自問自答するうちに、違うところへ考えが行ってしまい、作っていた真剣な表情への意識が薄れ、知らぬ間に微笑んでしまっている。
表情と言葉を一致させるには、会話を端的に終わらせることも大事なのだ。しかし、実は、会話を終わらせるのも簡単ではない。切り上げ方がわからないのだ。「では、よろしくお願いします」と言ってさっとその場を立ち去る、話題を変える。これも練習に限る。
 
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