こんにちは。
今回は携帯からブログを投稿してみようと思います。
さて、今回ご紹介するのは、「You can keep it」(著:綿矢りさ)です。
これは文庫版のインストールに、短篇として収録されているものです。
読んでみると、この作品から綿矢さん独特の軽快な言い回しが影を潜めているように思います。
インストールも蹴りたい背中も、テンポ良く読める雰囲気があったのですが、どうもこの作品にはそれを感じません。
淡々としているというのでしょうか…。
どうして綿矢さんが今までのテンポをこの作品では使わなかったのか、気になるところです。
思うに、この作品は先月発売された「夢を与える」につながる作品なのではと思います。
「夢を与える」も終始淡々としていて、軽快な言い回しが見当たりません。
綿矢さんの心境に変化でもあったのでしょうか…。
「You can keep it.」では、主人公は城島という大学一年生で、まわりの友達にやたらと物をあげる癖があります。
どうやらそれは、いじめから身を守るための手段のようです。
物をプレゼントしていれば嫌われなくて済む=いじめられなくて済むという考えですね。
この考えの部分は、蹴りたい背中と少し似ています。
しかし蹴りたい背中では主人公「ハツ」がこういった手段で人と繋がるのを嫌ったのに対し、今回の主人公はそういう手を使って積極的に人と繋がっています。
綿矢さんの書きたいものが変わったのかも知れません。
綿矢さんは若い世代の考え方を熟知していると思います。
ハツのように媚びない人もいれば、城島のように媚びる人もいるというのを気付かせてくれます。
人の微妙な心の内を的確に捉えられるのが綿矢さんの強みだと思います。
書きたい作品が変わったとしても、この力は失わないでいて欲しいものです。
※「You can keep it.」の再読感想記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
今回は携帯からブログを投稿してみようと思います。
さて、今回ご紹介するのは、「You can keep it」(著:綿矢りさ)です。
これは文庫版のインストールに、短篇として収録されているものです。
読んでみると、この作品から綿矢さん独特の軽快な言い回しが影を潜めているように思います。
インストールも蹴りたい背中も、テンポ良く読める雰囲気があったのですが、どうもこの作品にはそれを感じません。
淡々としているというのでしょうか…。
どうして綿矢さんが今までのテンポをこの作品では使わなかったのか、気になるところです。
思うに、この作品は先月発売された「夢を与える」につながる作品なのではと思います。
「夢を与える」も終始淡々としていて、軽快な言い回しが見当たりません。
綿矢さんの心境に変化でもあったのでしょうか…。
「You can keep it.」では、主人公は城島という大学一年生で、まわりの友達にやたらと物をあげる癖があります。
どうやらそれは、いじめから身を守るための手段のようです。
物をプレゼントしていれば嫌われなくて済む=いじめられなくて済むという考えですね。
この考えの部分は、蹴りたい背中と少し似ています。
しかし蹴りたい背中では主人公「ハツ」がこういった手段で人と繋がるのを嫌ったのに対し、今回の主人公はそういう手を使って積極的に人と繋がっています。
綿矢さんの書きたいものが変わったのかも知れません。
綿矢さんは若い世代の考え方を熟知していると思います。
ハツのように媚びない人もいれば、城島のように媚びる人もいるというのを気付かせてくれます。
人の微妙な心の内を的確に捉えられるのが綿矢さんの強みだと思います。
書きたい作品が変わったとしても、この力は失わないでいて欲しいものです。
※「You can keep it.」の再読感想記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。
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